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読書やコンピュータなどに関するメモ

「実録・アメリカ超能力部隊」

 2010年秋に公開された映画「ヤギと男と男と壁と」はヘンな映画だった。1980年代に米軍の超能力部隊で活躍していたと自称する初老のヒッピー崩れと戦時下のイラクを旅する話なのだけど、(設定として)超能力があるのかないのか、米軍超能力部隊があったのかなかったのか、あるいはこれはコメディなのかシリアスな話なのか、などが最後まで謎で、どちら側に肩入れしてもおさまりが悪く、まるで両側が重なりあっているかのような印象が面白かった。イギリス的センスってやつだろうか(←よくわかってません)。

 その原作である本書も、それにもましてふしぎな印象の「ノンフィクション」だ。

実録・アメリカ超能力部隊 (文春文庫)
ジョン ロンスン
文藝春秋
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 たとえば、イラクで投入されたムース状の壁や音楽拷問、ヘールボップ彗星のヘブンズゲート事件は本当だろう。いっぽう、超能力自体は、まあないんじゃないかなと。また、ジョー・マクモクニーグルとインゴ・スワンら超能力捜査官はメディアに登場したけど、ユリ・ゲラーが米軍の超能力部隊で活躍していたというのはフカしなんじゃないかなと思う。が、本書では本当から嘘までの間がグラデーション状に続いていて、どこが本当と嘘の境目かわからないし、誰が本当のことを言って誰が嘘を言っているのかがあやふやになる。

 そして後半では、心理的拷問(?)の実態をさぐるべく著者が突撃する。のだけど、何が起こったのかわけがわからないような事件の真相を探るという、シュールレアリズム小説的な展開に。

 というわけで、超能力や超能力部隊を肯定する結論や否定する結論が欲しい人にはおさまりが悪い本なんじゃないかと思う。けど、自分としては面白く読んだ。

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