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MeeGo Seminar Summer 2010に参加

 携帯情報端末など向けのLinuxディストリビューションMeeGoについて、Linux Foundation主催のイベント「MeeGo Seminar Summer 2010」が7月26日に開かれたので、聞いてきました。

 今回さまざまなセッションで、MeeGoはネットブック、スマートフォン/MID、タブレット、車載機器(IVI)などのデバイスプロファイルに対応して同じアプリが動く、といったことが強調されていたように思います。

 以下、メモ。

基調講演:ユビキタス Linux: MeeGo と Linux はあらゆるものをつなぐ(ジム・ゼムリン)

 ジム・ゼムリンの基調講演は、前回と同様に、LinuxはPCの枠を超えていろいろなところで使われている、携帯などは高度化するいっぽうで開発サイクルが短くなっているため基盤はOSSベースで共同開発するメリットが大きい、MeeGoは完全にオープン(これは対Androidを想定?)、などと語りました。

 その中でも、特にスマートグリッドやIVIなどの機器どうしが通信する分野が今後期待できる、そうした分野はLinuxが使われるだろう、といった機器間通信とマルチデバイスの部分が強調されていたように思います。

 最近のトピックとしては、5月に1.0が出たことを紹介。ハンドセットやタブレット向けのUXも開発中、ということも語られて、試作機の写真もスクリーンで見せていました。ちなみに、MeeGoがタブレットPCなどで動いているところは、セミナーの展示会場でも実際にデモされていました。

Meego Seminar Summer 1

 最後に、来場したベンダーの人達に「Join us」というメッセージを送りました。

パネルディスカッション

 Linux Foundationの福安さんが司会となって、ノキアの道勇浩司さん、Linux Foundationのイブラヒム・ハダットさん、インテルのマーク・スカープネスさんという、MeeGoの中核となる企業・団体の3人に話を聞くスタイル。FAQ的な、よく聞かれる質問とその回答が話されました。

Meego Seminar Summer 3
  • MeeGoとは何か、MoblinやMaemoとの違いは
    • MeeGoはLinuxベースのオープンソースプロジェクト。8000以上のコントリビュータ
    • いくつかのデバイスにそれぞれ最適化しつつ、1つのアプリをいろいろなデバイスで動かせる
    • MeeGoはMaemoとMoblinを統合したもの。2社のリソースを共有して投資が大きくなった
    • コードだけでなくビルドシステムなどでも両者から提供された
  • MeeGoがターゲットとする端末は
    • さまざまなハードウェア。デバイスタイプごとのバージョン
    • デバイスごとに差異はある。そのカテゴリーで人がなにを求めているかが違うため
    • コアは1つ。共通APIによるアプリケーションの互換性
  • オープンソース。どのように参加するのか
    • 100%オープンソース
    • Linux Foundationがリポジトリ等をホストしている
    • 参加はサイトにログインするだけ
  • 誰が開発しているか
    • インテルやノキアを中心に、そのほかの人も増えてきている
    • 誰にもどの企業にも開かれている。コントリビュートにサインや書類は不要
    • meego.com登録はオープンで無料。バグの報告や修正など活発。IRCも参加できる
    • アップストリームのプロジェクトも開発者のうちといえる
    • MeeGoからアップストリームに還元したりもしている
  • MeeGoの開発に参加する利点は
    • 方向性や仕様の決定に関与していける。まさにオープンソース
  • 必要とされている分野は
    • デバイスを作っている側が参加して意見を出してもらえると嬉しい
    • MeeGoの90%ぐらいのコードはアップストリームのプロジェクトが作ったもの。アップストリームのプロダクトをよくするとMeeGoもよくなる
    • Linuxカーネルの省電力の機能など、MeeGoのパッチをアップストリームに統合し、次バージョンのカーネルでまた再開発するのを防ぐ
  • Intel、Nokia、Linux Foundationの役割は
    • Intelは、開発(UX、アプリケーション)、ビルドシステムなど提供。検証エンジニアがアップデートごとに検証したりも
    • Nokiaは、ソフトウェアコンポーネントの多くをMaemoから提供。また、機器メーカーなので、MeeGoベースの製品を今年下半期に出す
    • Linux FoundationはMeeGoを重要なプロジェクトと考えていて、自分はMeeGo専任。翻訳、バグシステム、リポジトリのホスティング、マーケティング、開発、WG、ガバナンス、コンプライアンス、商標、ビルドシステムのサポート、アーキテクチャへの最適化のサポートなどいろいろやっていて、列挙できないw
  • MeeGoの強みや競合との違いは
    • 真にオープンである
    • 使う側にもオープンで、マーケットを作ることもできる
    • プラットフォーム間でソフトウェアが共通で使える
    • オープンに参加でき、官僚主義ではない、オープンなプロセス
    • fastbootはアップストリームのLinuxに貢献した
    • 最新のアップストリームの技術を利用できる
  • MeeGoのライセンス体系は
    • OSSはそれぞれライセンスがあり、ひとつのライセンスではない
    • (会場から)LinuxがGPLだとアプリもGPLという誤解がある。AndroidがApache Licenseという誤解によって伸びた部分もある
  • MeeGoの商標はLinux Foundationが持っているが、企業はどう使えばいいか
    • Linux Foundationが公開しているガイドライン
    • ガイドラインに従えば許可が出る
    • 移植可能でポータビリティがあること、など
  • MeeGo用のアプリケーションはどこから入手できるか
    • NokiaのOvi Store
    • IntelのAppUp Center
    • そのほか、アップストアを作ることもできる。特定のアップストアに限定されない
    • デバイスの種類が限定されないので、アップストアも限定されない
  • 現状は
    • 5つのデバイスカテゴリー
    • それぞれごとのWGで、要件収集や実装l
  • (会場から)IVIなど新しい市場に参入するときに、ライセンスなどの戦略は考えているか
    • オープンソースでは、実際のプロダクトを作る会社がコンプアイアンスなどを担う
    • 手続きを複雑にはしたくないというのがMeeGoの考え。弁護士とか

GENIVI Alliance with MeeGo(Alexander Koher)

 MeeGo採用を発表したばかりのGENIVI AllianceのAlexander Koherさんが、IVI分野でのMeeGoについて説明しました。GENIVIは、IVIのプラットフォーム(ミドルウェア)をオープンに共同開発する業界団体で、自動車メーカーや部品メーカーなどが参加しているそうです。

Meego Seminar Summer 4

 背景にあるのは、携帯電話などと同じく、IVIも高機能化していくと同時にコストや開発期間を削減する必要があること。また、比較的新しい分野でコンテンツやアプリを提供する必要があり、「いまや1社でシステムやコンテンツを構築できない」ことが上げられました。

 一方で、IVI独自のものとして、安全性などの自動車産業特有のニーズが上げられました。また、自動車の世界はソフトの世界に比べて製品のライフサイクルが長く、15年の保守サポートが必要になったりするため、両方の世界の間に立つ役割(つまりGENIVI)が必要ということも語られました。

独自手法を用いたMeeGo製品開発サイクルの短縮(パシ・ニエミネン)

 Nomovok社のパシ・ニエミネンさんが、MeeGo向けの開発について、同社の方法を紹介しました。Nomovok社は、「組み込みオープンソースのパイオニア」「No.1 MeeGo Company」だそうです。

 まず紹介したのが、Qt 4.7(現在β)から使えるQMLによる開発。XMLとJavaScriptによってアプリを開発できるということで、今後Nomovokでは全面的に移行していくとか。「おおざっぱにいうと、Qtネイティブアプリの3倍の開発スピード」で、実行速度もネイティブアプリにほぼ遜色ないという話でした。

Meego Seminar Summer 6

 続いて話したのが「どのようにしてクロスコンパイルをなくすか」。これについて、Nomovok社が提供するビルドのホスティングサービス「NOMOVOK Linux Build Service」を紹介しました。さまざまなターゲットアーキテクチャ(ARM)向けに最適化され、VPNで通信路のセキュリティも確保しているそうです。

 3つ目の話が、サプライヤー探し。これについても、Nomovokが提供する「ZCOCO.netコミュニティ」が紹介されました。MeeGoな企業の集合体で、ZCOCO.netがハブとなって最適な企業を探せる、との話でした。

SplashtopやMeeGo向けの地域別コンテンツとサービス(クリフ・ミラー)

 元ターボリナックス社長のクリフ・ミラーさんが登壇。今はDeviceVM社にいるということで、Splashtopについて説明しました。ジョークを多数まじえて、会場を沸かせていました。なお、プレゼンもSplashtop上でやってました。

 Splashtopは高速起動のLinuxで、PCのマザーボードに組み込んだりしてメインのOSとは別にWebなどをさっと使える、クイック起動OSです。7社のPCメーカーが採用していて、数千万台のPCに入っているとのことでした。

 現在はMeeGoに対応した「Splashtop MeeGo Remix」を開発中。主な理由は、アプリケーションの共通なプラットフォームということで「われわれだけではアプリが足りない」と語っていました。実際に、Intel AppUpの簡単なゲームをデモしてみせました。

 また、Dockに登録されるアプリやサイトをパーソナライズするConfiguration Management Systemもデモ。アプリを組み合わせたパックも用意されていて、そのへんはSplashtopの言語によってアプリやサイトが変わるというのも見せてました。

 その流れで、ベクターの人が登場して、ブラウザゲームを8月2日からSplashtop対応するとアナウンスしました。

Meego Seminar Summer 9

Meego&Nokia(Jussi Kahtava)

 NokiaのJussi Kahtavaさんが、「NokiaにとってのMeeGo」について語りました。NokiaはIntelとともにMeeGoを推進している企業です。

 上げていたのが、オープンソースであること、最先端のLinuxであること、何千ものQtアプリが使えること、1つのAPIでさまざまなカテゴリのデバイスで使えること、Maemoの開発がそのまま使えること、アップストアを自由に立てられること。

 また、MeeGo Core 0Sが1つで、そこにNetbook UX、Tablet UX、Handset UXなどのさまざまなUXが乗るということもメリットとして上げていました。

 Nokiaでは、MeeGo 1.1 Handsetベースの最初のデバイスを、今年のいつかにリリース(ただし日本ではない)するとか。また、1.1に対して独自のextensionを出す予定も語られていました。

Meego Seminar Summer 10

 ノキアといえば携帯電話ですが、それだけではなくてIVIの取り組みも紹介しました。Terminal Modeというもので、モバイルデバイスのアプリを車のスクリーン(IVI)に表示して操作するものだそうです。

 Symbianなどと比べたNokiaでのMeeGoの位置づけとして、能動的なユーザーに向けたハイスペックな端末ということが図で紹介されました。

Closing(ジム・ゼムリン)

 閉会の挨拶では、ジム・ゼムリンが再び登場。今後のイベントとしてLinuxCon Japan 2010とMeeGo Seminar Winter 2010(12月)を紹介しました。

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