「コペルニクスの仕掛人―中世を終わらせた男」
コペルニクスの仕掛人―中世を終わらせた男
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デニス・ダニエルソン
東洋書林
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地動説のコペルニクスは、自説を世に伝えることにあまり積極的ではなかった。そのコペルニクスの唯一の弟子となり、コペルニクスの説を紹介する書籍「第一考察」を書き、コペルニクスが亡くなる直前に「天体の回転について」の出版にこぎつけさせた人物が、数学者のゲオルグ・ヨアヒム・レティクスである。レティクスは語られることも少なく、Wikipediaを見てもごく簡単に説明されているのみ。本書は、そのレティクスをおそらく初めて本格的に論じた評伝。
本書によると、コペルニクスが亡くなったとき、レティクスは28才だった。それ以後のレティクスは、地動説を広める活動にいそしんだあと、イタリアでのカルダーノとの対立や精神疾患を経て、やがて同性愛スキャンダルで大学を追われてしまう。失意のレティクスだが、徐々に回復してゆくとともに三角法の研究に没頭し、三角法の金字塔である大著「三角形に関する宮殿の作品」が死後に発表される。
そうした人間ドラマと同時に、放浪者で一匹狼気質のレティウスの行動を通じて、16世紀が学問でも社会でもパラダイムのシフトしていく時代だったことがわかる。本書でレティウスの活動に関係して語られたものを見ると:
- 地動説
- 近代三角法と、天体への適用
- 宗教改革
- チュートン騎士団の解体、プロイセン公国
- 東ローマ帝国の終焉により、古代のラテン語文書がイタリアに移り、研究される
- 翻訳と自然現象の解明の類似
- アメリカ大陸
- 確率論
- パラケルススの毒性学(錬金術?)
- 超新星の発見と観察、宇宙は変化のないものではない
- 占星術と天文学、数学、医学が渾然一体
ちなみに本書によると、グレシャムの法則として知られる「悪貨は良貨を駆逐する」を最初に書籍で論じたのはコペルニクスだそうな。
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