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読書やコンピュータなどに関するメモ

第91回カーネル読書会(openSUSE)をニコニコ動画で見た

 2008年10月24日に、第91回カーネル読書会「openSUSE 事始め ~ カメレオンは日本で何色に染まっていくのか…?」が開催された。講師はopenSUSEの松本さん。

 私は仕事で参加できなかったけど、さっそくビデオがニコニコ動画に上がったので(前半後半)、見てみた。以下、ビデオ中で話されていた内容をメモしたもの。間違いがありましたらご指摘ください。

イントロ

  • 自己紹介
    • 今年9月にメンバーシップ登録したばかり
    • それまではSUSE好きなただの人w
  • 会場に質問:SUSEを使ったことある人
    • (けっこういたらしい)

SUSEとopenSUSE

  • SUSEの歴史
    • 1990代前半にドイツで始まる
    • Software und System Entwicklung(ソフトウェアとシステム開発)の略
    • もともとSlackwareベースで、インストールパックとして販売していた
      • いまはRPMベースなのでRed Hat系っぽくもある
    • バージョン4.2から始まる。SFに出てくる数字が由来
      • (emasaka注:岩井さんの回のカーネル読書会によると「銀河ヒッチハイクガイド」のアレらしい)
    • ヨーロッパを中心に活動
    • 2003にNovellに買収されて転機
      • 2系統に
        • Professional(販売版)とPersonalがSUSE Linuxに統合
        • Enterprise版はSLESに
    • マイクロソフトの提携
      • 話題になった。裏切り論争(苦笑)
      • ユーザーの視点からいえばシームレスに使えるほうがいいよね、と言ってくれる人もいる
    • 2005年 openSUSE発足
      • 10.2から名前もopenSUSEに
        • 11.1がもうすぐ出るよ
        • SLES 11のベースに
  • タテマエとして「Novellが支援するコミュニティベースのプロジェクト」
    • あくまでNovellの下部組織ではない
      • まぁ、Novellの人がたくさんかかわっている
    • Ubuntu のCode of Contractが有名だけど、openSUSEにもGuiding Principles(基本方針、運営指針)があるよ
    • 運営組織としてはBoard、5名
      • 議長1名(Novellの中の人)l
      • Novellから2名
      • それ以外から2名
    • 意思決定機関というよりは、世話人的な役割
  • コミュニティでやることはオープンに討論
  • 2008年2月、コミュニティマネージャーにJoe 'Zonker' Brockmeierが就任
    • 元オープンソース関連のジャーナリスト
  • メンバーシップ
    • メンバーは世界中で現在212名
      • Guiding Principlesの支持を表明すること
      • 継続かつ実態のある貢献をした人
        • 目に見えるものであればよい
  • Boardの第1回の選挙、10月25日しめきり
    • はじめてメンバーが選ぶBoard

openSUSEディストリビューション

  • Red Hatに対するFedoraのようなもの
    • Cutting Edgeではない。それはFactory版がある
    • SLESのベース
    • 半年に1回マイナーバージョンアップ
      • メジャー番号は完成度というよりSLESの番号
    • 12.18あたりに11.1をリリース予定
      • が、Nürnbergの停電でデータセンターが止まった
      • 大丈夫か?
  • 特徴
    • 派生(ローカライズ版とか)を作らない。
      • 世界中で単一
      • 派生っぽいものが出ると、メインストリームに集約
      • 肥大化の懸念もある
    • カーネルに貢献してきた人がたくさんいる
      • 特にデバイスの得意な人が多い
      • そのためデバイスの認識率が高いと思う
      • 社内MLで「サウンドカードが動かない」と言うと、岩井さんが出てきて解決w
    • ヨーロッパなのでもともとKDEと仲がいい
    • NovellがGNOMEを買収
      • 両デスクトップの最新機能をとりこみやすい
    • OpenOffice.orgのNovellバージョンも(日本人も参加)
    • 新しいものがとりいれられやすいディストリビューション
    • ルーチンワークの部分で楽できるディストリビューション
    • (3Dの円筒形にマップされた仮想デスクトップを見せた)
  • SUSEといえば統合管理ツールYaST
    • いまYaSTのマスコットを作るコンテストが始まっているw
    • ひとつの共通したインターフェイスからほぼすべての設定ができる
      • これで楽ができる
    • インストーラもYaSTベース
    • YaSTの設定が手書きの設定を上書きすることがあるので注意
      • Yastにまかせられることはまかせる
  • openSUSE Build Service(OBS)
    • Web上の公開サービス、誰でも使える
    • 開発者向け
    • 1つのソースから複数のディストリビューションやバージョン、アーキテクチャのパッケージにビルド
      • openSUSEであればその場から、依存関係こみでインストールできる
      • JDのパッケージを作った例
    • Fedora、Debian、Ubuntuなどのパッケージも作れる
    • アプリ開発者がディストリビューションに売り込む道具にできる
  • Q:.debとかになるか?
    • A:ちゃんとDebian用とかになるはず。ただ、自分ではDebianパッケージを作ってないので詳しくはわからない
  • Q:バイナリだけが公開される?
    • A:作成者ごとのプロジェクトとしてページが作られる。そこに、ソースやパッチも公開され、パッチの投稿も受け付けられる
  • Q:.debパッケージだけ生成される? それに必要なソースも?
    • A:パッケージは生成される。ソースもアクセスできる
  • Q:ライセンスチェックは?
    • A:その機能は持っていない

日本の openSUSE コミュニティ

  • コミュニティと名前が付けられる前
    • Mike Fabian
    • 物理学者だったけど食うために偶然SuSEに入社したらハマった
      • 毎日、家に帰ってからボランディアベースでこつこつ日本語化
      • MTAの略が比較的最近まで「メール転送機能体」になっていたとかもあるけどw
    • 2002年に日本語メーリングリスト開設
      • このごろ松本さんが、Live CDで日本語入力ができなかったことをMLに投げたら、Mikeさんからすぐ返事が来た。新鮮なよろこび
    • 2003年、マイクさん歓迎会
      • 以降、年1回
      • ある意味、openSUSEコミュニティの前身?
  • コミュニティといえるかどうかというぐらいゆるい集まり
    • 2007年春のOSCで「何かやる」ことになったのが、コミュニティのはじまり
    • その後、Linux WorldやOSCに出展
    • イベントごとに手伝ってくれる人が増える
    • 今年は地方や勉強会も
    • 10月にZonkerさんを呼んだ
    • 日本の情報の発信サイトGeeko.jpをNovellスポンサーで開設を進める
  • 自分がコミュニティの一員だと思えば一員

Novellとコミュニティの関係

  • 「コミュニティの意見ではなく、個人的に感じていること」
  • Novell側の問題
    • いままでコミュニティとの付き合いがなく、どうしたらいいかわからない
    • 試行錯誤中。コミュニティが相談を受けている
  • コミュニティ側の問題
    • Novellがなんでもやってくれると思いがち
    • 自分たちのことは自分でやるのが原則なのだが
    • 責任感が薄くなりがち
    • 2chで「Novell はやる気がない」とか書いたり
  • 正直openSUSEのことはNovellはやる気がない(会場w)というかあまり口出ししない方針らしい
    • そのことがアナウンスされなかったので、Wikiやドキュメント、翻訳などが放ったらかしになってしまった
      • Wikiの編集アカウントをNovellの人しか持っていなかったり
  • 最近は、Wikiやローカライゼーションについて日本のチームで責任者を立てるようになった
  • 「待っているのではなくて、コミュニティでできることはどんどんやってっちゃおう」
  • コミュニティにまかせるならNovellがそうはっきり言ってほしい。そのかわり動くために必要なリソースや権限は移譲してほしい
    • Wikiだけじゃなくて、ビルドサービスやダウンロードサイトの日本語化などもさせてほしい
    • その話を進めている

今後の課題

  • 「ディストリビューション共通だと思う」
  • OS目当てという人はそうとう変わり者w
    • 多くの人は、その上のアプリが目的で、OSはたまたま今使っているだけ。乗り換えにためらいはない。簡単にほかのディストリビューションに行っちゃう
    • その中でSUSEの魅力を出していかなくては。これはディストリビューション共通?
  • SUSEは、よくも悪くも初心者が少ない
    • いろいろなディストリビューションを試した後にSUSEに来た人が多い
    • 「教えて君」がいないのも、それはそれで寂しいw
    • 気楽に相談する場所を作っていければいい
  • ユーザを大切にしよう
    • 「使うことしか興味のない人」も
    • でも助けをさしのべてくれる意識のある人がいないといけない
  • 本家との連携
    • まだまだ日本のことは軽く見られていると感じる
    • 11.0では、正式版で急に日本語インストールがコケるようになった
      • βでは出なかった問題
      • 直前にNightlyで見つけてbugzillaに報告したが、「CJKを使ってる人はそんなにいないから」(会場w)
    • そのため、今は日頃からがんがんバグを報告するようにしている
    • 最近ではopenSUSEのMLで、SPAMフィルタに日本語(を含むCJK)メールがひっかかりやすいという問題。報告したら「我慢しろ」(会場w)
      • 理解してもらいにくい問題
    • 問題点について常に声を出していかなくてはいけない
  • 自分は、自分が積極的に動く宣言としてメンバーになった。そういう人をもっと増やしたい

質疑応答、議論

  • SPAMメールフィルターの問題が伝わらないというのは、日本人のメールが少ないのか
    • 松本:アクティブな人が数人。そのうちの人が引っかかかった。フィルターにひっかかるとエラーにもならないので、ひっかかった人が顕在化しないかもしれない
  • ML管理者にCJKの経験がないとわからないかもしれない。わかる人が管理者になって、ひっかかっているメールを発見してやる必要があるのでは
    • 松本:そう思う。よくはわからないが、欧文ならあるはずの半角スペースが少ないことが原因になっているらしい。欧米の人だとなかなかそういうことをわからない。フィルターをはずすのも、管理者になるのも、Novellの全社的なシステムなので難しい。
  • Zonkerさんとかは仲介してくれないか
    • 松本:Zonkerにはまだ相談していない。まずはMLの窓口にコンタクトした。
  • 同じ問題は日本以外でも?
    • 松本:それはわかならない。Wikiやマニュアル翻訳での問題は、ほかの国でも声が上がっているので、それらの問題をまとめて扱える場所を作ろうという話にはなっている
  • マニュアルの翻訳について、openSUSEとNovellの切り分けは
    • 松本:openSUSEのマニュアルの翻訳について、Novellはまったく興味を持っていない
  • openSUSEのマニュアルを元にNovellがマニュアルを作ったりとかはないか
    • 松本:エンタープライズ用の日本語マニュアルはあると思うが、そこの連携がとれていない。たとえば、YaSTは両方にあるので、それぞれでマニュアルをやっているとリソースでも用語統一でも無駄。そこをなんとかしようという動きができていない。Novellの人は、やるべきという人も一部にいるが、大多数の人は自分に振られたタスクしか興味がない。
  • openSUSEの意思決定は
    • 松本:議決組織はない。だれかがMLやIRCで提案したことについて、いろいろな人が意見を言って議論して、Wikiでページができて、まずは動かして、批判が出たら変えていく、という走りながらのプロセス。
  • よ:(会場に向けて)ちなみにFedoraとRed Hatの関係は
    • Fedoraの人:翻訳は基本的にコミュニティベース。ただ、人がいなかったりいろいろあってw 、実際にリードするのはRed Hatの人だったり、ものによってはRed Hatの人がぜんぶやったり。ただし、Red Hatも含め、どうするかをやりとりしながら。
  • debianの人:(会場に向けて)オープンソース関連で翻訳をやったことのある人は…こんだけ?w ニッチな場所でもこんだけ?w みんなもっとやろうよ
  • 松本:翻訳は苦労が多いわりにリスペクトされづらいというのもある
  • debianの人:あと査読がほしい(会場うなづく)。勢いで訳したところを、どこかのスレで「誤字がある」とか書かれて「(笑)」とか「w」とか付いてたりw だったらお前やってくれと。日本語は読めるだろうと
  • 翻訳の問題はカーネル読書会初期からの話題ではあるが、最近やっていないので、またそろそろ
  • debianの人: 翻訳というと重い感じがするかもしれないので、まず査読とか
  • オープンソース系のイベントでノートパソコンを持ち寄ってとか。マニュアルは使う人が読むものなので、わからなければわからないとその場で言ってもらえば翻訳者が直す。
  • openSolarisでは、系統立ったかたちで、リーダーを立てて協力をつのる体制。査読もつのっている。著作権の問題の指摘なども
  • 松本:のに子さんがかけあってくれて日本語サイトができたりして、一度翻訳チームっぽいものが立ちあがった。が、立ちあげるときは勢いがあるが、続けていくのが大変。「ここでやっている」と発信し続けていかないと、興味を持った新しい人がちょっと手伝おうと思っても、どこに行って何をすればいいかがわからない。同じような悩みはopenSUSE以外でもあると思うので、問題を共有していければと思う。
  • コミュニティにWikiはあるか
    • 松本:みんなが編集できる
  • レジストすれば誰でもてきるというのを説明したほうがいい。私はそれに気付くのに時間がかかった
    • 松本:MLでも質問があった。やはり、誰でもやっていいということは常に言っていないといけない
  • 多くのサイトでは、案内ページが日本語であって、それを読めばいいようになっている
    • 松本:そうですね。本家でも構成を変えようという話がある。「何かしたい人」への案内とレスポンスする人を作りたいといっている。日本でもやっていきたい。もったいない。
  • その話はどこでやっているか。MLはたくさんあるようだが。
    • 松本:主にZonkerのやっているmarketingのML、全体についてはprojectのML。また、marketingのチームとプロジェクトのチームは2週間に1回ぐらいIRCミーティングをやっている。先日、IRCを立ち上げたまま寝ちゃって、寝てる間に「このあいだはWeekly Newsを翻訳してくれてありがとう、またやってくれるね」と担当にされていた(会場w)。
  • Weekly NewsはWikiで?
    • 松本:Wikiではない
  • openSUSEは、多くのIRCミーティングがあって、そのログがみんな公開されているのだけど、いったいどれを見ればいいのかわからない。Weekly Newもどこで話しているかわからない
    • 松本:基本的にはmarketingとprojectのIRCで、そこから分岐していく。混乱するのは翻訳の部分もあって、openSUSEにはTransration TeamとLocalization Teamがあって(会場w)、Localization TeamがTransration MLを使って、Transration TeamがWiki MLを使ってたり、わけわかんない。
  • 混乱させようとw
    • 松本:だから、相談しようとした人が、まずどこに投げたらいいか迷ってしまう。なんとかしようよと私も言っているが、わかりやすくする必要がある
  • 日本に関しては一箇所にまとめるとか
  • openSUSEはワールドワイドにコミュニティがある?
    • 松本:ある
  • それと日本のコミュニティの関係とか、Webとの関係とかが、カオスだというのはわかった。この状態だと入ろうよと言われてもなかなか…
    • 松本:本家の話題で、各国に大使役になって本家と調整する責任者を一人置いて、ローカルの問題はローカルで解決しつつ本家につながていくようにしようじゃないかという話も。でも日本とかの問題は後回しになっちゃうことがあったりして。らちがあかなければ、日本の話、たとえばgeeko.jpの管理とかインフラとかは、Novellにやってもらったり。
  • まとめ(よ):今日はopenSUSEだけじゃなくてフリーのディストリビューションに共通する問題もあったと思う

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