「スピリチュアルワールド見聞記」
「と学会」の植木不等式氏が、スピリチュアル(近代以降の心霊系)の歴史について、雑談も含めて豊富な話題にもとづき解説する本。ただし、なぜか、酔ってビルから落ちて瀕死の状態で体外離脱している植木不等式(霊を信じたいサイエンスライダー)と天使(主人公に霊が存在しないと納得させようとしていて、メイド姿)の漫才形式になっていて、おまけにやはりダジャレまみれ。「宮崎アニメと美少女と内村鑑三について熱く語るトークライブイベント」で吹いた。
対話の構図となっているように、ベースは懐疑論なのだけど、むしろスピリチュアリストさんのほうをテーマにして「人はなぜスピチュアルを信じるのか」に重点を置いているようだ。ところで、「ボーイズ・ビー・シドビシャス」は田口トモロヲの昔のネタではないかと思う。
以下、本書の内容からのメモ。
- 幽体離脱(OBE)
- レイモンド・A・ムーディの体験談
- 松谷みよ子「あの世からのことづて」
- オラフ・ブランケ(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)の実験
- 被験者のゴーグルに、被験者を後ろから見た映像を映し、被験者の背中を掻く
- H・ヘンリック・エールソン(ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン)の実験
- 被験者のゴーグルに、被験者を後ろから見た映像を映し、被験者の胸を掻きながらカメラの前でペンを動かす
- スーザン・ブラックモア(1951-)
- 超常現象を肯定的な立場で研究していて後に批判派に
- 「靈はもと雨乞いの儀礼をいう」白川静
- 日本古代の2次元萌え
- 古今和歌集の仮名序
- 日本霊異記「愛欲を起こし吉祥天女の像に恋する縁」
- 駄洒落には前頭葉前皮質の一部が反応、考えオチのようなユーモアには後側頭葉が反応(2001年「ネイチャー・ニューロサイエンス」誌)
- ギャクで笑うのは肉体? 霊魂?
- カナダの脳神経外科医ワイルダーペンフィールド(1891-1976):脳手術中の患者の脳に電気刺激を与えて「お化け」が見えると報告
- 「ニッケル」の由来:銅鉱山で銅に似た鉱石が出ると、山の精霊「ニッケルン」の悪さということにした
- マイケル・パーシンガー
- 三つ揃いのスーツで芝刈りをする変人?
- 脳を電磁波で刺激するマシン
- リチャード・ドーキンス(利己的な遺伝子)、マイケル・シャーマー(スケプティック・ソサエティ)なども被験者に
- 結果はどっちともとれる程度
- 2004年にスウェーデンの研究者が二重盲検を組み込んで追試
- 電磁波あるなしで同じ程度の霊体験数
- 2005年、オラフ・ブランケの研究
- TPJ(側頭頭頂接合部)の活動が損なわれるとOBE(感覚)が起こりやすくなる
- 2007年、ベルギーのアントワープ大の事例
- TPJに電極を当てるとOBE(感覚)が起きた
- 2007年、ケヴィン・ネルソン(ケンタッキー大)
- いわゆる臨死体験をした人は、睡眠麻痺(REM侵入、いわゆる金縛り)を経験する割合がハッキリと高かった
- 20世紀初頭、ダンカン・マクドゥーガル、霊魂の重さを量る実験
- 1930年代に別の学者がハツカネズミで追試、重量の減少はなかった
- サム・バーニア(英国の医師)、天井付近に下から見えない目印を設置して体外離脱離脱の実験
- が、臨死体験者が出なかった
- 臨死体験の3つの仮説
- 脳内現象説:幻覚
- 心理的逃避説:無意識の空想、ドラマなどの影響、昏睡中に聞いた話の記憶
- スピリチュアル説
- 粒子加速器の予算について上院で「それは国を守る上でどんな役に立つのか」と聞かれたロバート・ウィルソン、「この国を守るに値する国にするのには役立ちます」
- 1976年、心臓発作で瀕死の状態だった女性が、体外離脱して、窓の下に隠れたテニスシューズを見つけたというエピソード
- 報告者自身も自身の体外離脱を語っている
- 19世紀に「近代心霊主義」(モダン・スピリチュアリズム)運動
- 降霊会ブーム
- エンゲルスが批判。が、「いずれもが反証されないかぎり、彼らには十分の(反論の)余地が残されている」
- 後にソ連のイワン・パブロフ、霊魂は肉体の現象として理解できるはずと主張
- トマス・ハックスリ、心霊主義研究グループからの誘いを断わる
- フランツ・アントン・メスマー(1734-1815)、動物磁気
- 後に催眠療法に
- エマヌエル・スウェーデンボルグ/スウェーデンボリ(1688-1772)
- 最初の「神の声」は「食べ過ぎるな」
- カール・ヤスパース「精神分裂病と極めて類似した病的体験」
- 1848年、フォックス姉妹
- これをきっかけに降霊会や霊魂のメッセージが大ブームに
- ハムレット(hamlet):村とも呼べない小さな集落
- カンタンに霊と交信する方法が登場
- テーブル・ターニング、プランシェット、ウィジャボード、こっくりさん
- 霊が怖い存在から娯楽に
- マイケル・ファラデー、テーブル・ターニングの原理を看破。無意識の力
- フォックス姉妹の件から5年後
- ガウスや井上圓了(中野哲学堂)も批判的検証
- アラン・カルデック(1804-1869)、降霊会で聞いた「神のお告げ」を出版
- 男女平等などの主張も(カルデシズム)
- もともと、恵まれない人々の教育に取り組んでいた
- 労働者層から支持
- ブラジルに伝わり、カトリックや民間信仰と混ざりあいながら現在も続く
- 男女平等などの主張も(カルデシズム)
- ダニエル・ダングラス・ヒューム(1833-1886)
- ナポレオン3世の前でナポレオン・ポナパルドの霊を呼び出すパフォーマンス
- 空中浮遊
- ウィリアム・スティントン・モーゼス(1839-1892)
- 上のヒュームの影響で霊媒に
- 「インペレーター」(皇帝?)と交信
- 教会に批判的なメッセージ
- 自動書記
- モーリス・バーバネル(1902-1981)
- 「シルバー・バーチ」(白樺)と交信
- 教会に批判的なメッセージ、神の理想社会
- 1875年、神智学協会が設立
- ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー、ヘンリー・スティール・オルコット
- 社会運動型のメッセージも
- 霊媒ネタから離れ、よりオカルティックな方向に
- 19〜20世紀、心霊研究協会(SPR)
- 信じる側の立場で、霊的なものを科学的に探求するという狙い
- フランク・ポドモア(フェビアン協会)アンリ・ベルクソン、アルフレッド・ラッセル・ウォレス(進化論)、クルックス(タリウムの発見など)、リシェ(アナフィラキシー・ショックの発見)、マリー・キュリー、ジグムンド・フロイトらも
- 霊媒を見つける活動
- フローレンス・クック
- レオノーラ・パイパー
- ホットリーディングやコールドリーディングを利用?
- 架空の人物名でカマをかけられて失敗
- 1875年、サンクト・ペテルブルク帝国大学付属物理協会内いわゆる霊媒現象調査委員会
- ドミトリ・メンデレーエフ
- 否定の立場
- 「ウォッカ」は「水」が語源
- パラサイコロジー(ESP)
- ジョセフ・バンクス・ライン(1895-1980)
- 1976年、サイコップ(CSI)設立
- カルデック「科学によって新しい法則が発見されるたびに、スピリチアリズムが新しい法則を発見する」
- 2008年、サミュエル・モートン(ハーバード大)、「テレパシーを送る」ときにfMRIに違いが出るか実験
- 違いはまったくなかった
- 2004年、リチャード・ワイズマンの実験
- 「世界で一番笑えるジョーク」プロジェクトの人
- 霊媒に被験者のことを言い当てさせる、ただし対応を入れかえて渡す
- 他人の話に高得点を付けるなどバラバラな結果に
- リー・M・シルヴァー「活性度の高いDRD4遺伝子を受け継いだ人々は霊的力を信じる傾向が強かった」
- 1865年、スピリチュアリスト系雑誌「宗教-哲学ジャーナル」創刊
- 女性運動家アメリア・ジェンクス・ブルーマーも寄稿
- 1872年、「ナショナル・アソシエーション・オブ・スピリチュアリスツ」会長で女性開放運動家のビクトリア・ウッドハルがアメリカ史上初の女性大統領候補に出馬
- 神智学協会の国際会長を務めたアニー・ベザント、1917年にインド国民会議派の会長に
- 中江兆民の闘病記より「躯殻が死すれば精魂は即時に滅ぶるのである」「釈迦耶蘇の精魂は滅してすでに久しきも、路上の馬糞は世界とともに悠久である」
- 「夜と霧」によると、ナチスのユダヤ人収容所で職員たちがスピリチュアルな降霊会をやっていた
- アメリカの社会派作家アプトン・シンクレアのスピリチュアル系の作品の序文をアインシュタインが書いた(ただし友情によるものでスピリチュアル系には懐疑的)
- ASPRの支部であるアメリカ心霊研究協会(ASPR)会長のホッジソンが1905年に亡くなり、メンバーはホッジソンの霊を呼んで会の諸問題を相談した(モーリス・メーテルリンク(「青い鳥」)の本より)
- マーク・トウェインもSPRに参加
- テレパシーができれば電報代50セントが節約できる、という理由とか
- キリスト教の霊魂観
- パウロの手紙では死者は審判のときまでは天国と地獄のどちらに行くか待機状態
- が、イエスの説いたたとえ話には、地獄に行った金持ちの話も出てくる
- 仏教の霊魂観
- 「無記」
- 輪廻転生:何が輪廻するか
- 閻魔様の由来:インドの神話で最初の人間「ヤマ」
- 地獄のイメージは「暑いところ」という、暑いインドの発想
- 神道の霊魂観
- 神社本庁の手引きでは、死者はその家に宿ると同時に魂を子孫が受けつぐ
- 歴史的には、とくに決まっていない
- 神道の理論化は仏教に触発されたもの
- 柏手の回数など参拝のしかたは神社によって違うことがある
- ミラーニューロン:他人の動作に対し自分の動作と同じように反応する神経細胞
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