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「殴り合う貴族たち」

殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語
繁田 信一
柏書房
売り上げランキング: 153097

 平安時代の上級貴族というと、歌と蹴鞠と恋愛にあけくれる、雅でまったりとしたイメージが浮かぶ。でもそんなわけないじゃん、と、数々の暴力事件を取り上げているのが本書。

 派手なあたりをピックアップするとこんな感じ。

  • 光源氏のモデルの一人といわれる藤原道長容疑者は、官人採用試験の試験官をしていた橘淑信さんを拉致監禁し、自分が懇意にしている者の試験結果を改竄するよう脅した
  • 藤原道長容疑者は、妻の外出準備に時間がかかったため、貴族の2人を拉致監禁して暴力をふるった
  • 藤原道雅と高階順業が、路上で賭博のすえ取っ組み合いの喧嘩となり、人だかりとなった
  • 大江至孝容疑者、藤原至行の未亡人宅に押し入り、強姦未遂。僧侶に取りおさえられたため藤原能信容疑者の従者の助けを呼び、従者は僧侶の返り討ちにより殺害される。能信容疑者はさらに多くの従者を集めて未亡人を拉致監禁、家を略奪しつくした
  • 光源氏のモデルの一人といわれる藤原伊周容疑者、花山法皇と女の取り合いのすえ、手下の武闘派集団を使って矢を射かけたり暗殺を企んだりなどの武力抗争をしかけ、花山法皇の従者を殺して生首を持ち帰った
  • 藤原道長容疑者、法成寺建立のため、平安京内の建物の礎石を強奪して回った。容疑者は以前にも、自宅造営のために、通行人たちを拉致して民家の柱や戸を略奪し、岩石を運ばせる事件を起こしていた
  • 藤原道雅容疑者、花山法皇の隠し子の姫君を殺害して路上に放置。遺体は野犬に食い荒らされた
  • 光源氏のモデルの一人といわれる敦明親王、高階業敏を公衆の面前で衣装がぼろぼろになるまで袋叩きにした。荘園の権益をめぐるトラブルが原因と見られる
  • 「紫式部日記」にはかなげな美人として描かれた小少将は、のちに夫は多重債務でトラブル、息子は天皇の寝所に無断新入しようとして警備兵にとりおさえられたが小少将が駆けつけてもみ消し警備兵をさんざん罵った

 1冊まるごとこんな話が続く。平安朝の裏話と、系図を交えた人間関係を、ニヤニヤしながら読んだ。そのほか、貴族の家の門の前を通ると投石の嵐を受けるとかいう話も面白かった。

 ネタ元は主に、「賢人右府」と呼ばれ藤原道長や紫式部も一目置いた藤原実資の日記「小右記」から。ちなみに、Wikipediaによると、藤原道長の「この世をば」の歌も「小右記」により伝えられたんだとか。

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