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「中村屋のボース」

 「恋と革命の味」のキャッチフレーズがついた中村屋のカレー。インドの独立運動家が作ったということだけは聞いていたが、詳しくは知らなかった。その独立運動家ラース・ビハリ・ボースのドラマチックな生涯を詳細に調べ、解説する評伝。娘さんから著者が直接受け取った資料なども使われている。

 若くして暗殺未遂事件を指揮して追われる身となり、日本へ亡命。以後、インドの土を踏むことなく、インド独立と反英活動に生涯をささげる。日本では頭山満や安岡正篤をはじめとする大物政治家に庇護されたり、指名手配から逃げたりしながらも、政治活動や執筆の面からインド独立を夢見て活動していく。読み物としても面白い。

 同時に本書は、ボースを包み込み搦め捕った、日本人の「心情的アジア主義」を描いた本でもある。弱腰の政府を批判しアジアの活動家を保護しようという、庶民から政治家にまで共通していた考えが、なぜ大東亜共栄圏やアジア侵攻につながっていったのかを、資料と論考の両面から追いかけている。それは、本書でも言及されている谷豊(ハリマオ)の運命にも共通する。


中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義
中島 岳志
白水社 (2005/04)
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