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読書やコンピュータなどに関するメモ

「キーボード配列QWERTYの謎」

 「QWERTYキーボードは、タッチタイピングしたときに印字アームが絡まないように作られた」という説がある。本書はそれに対し、QWERTYのほうが印字アームやタッチタイピングより先に作られた、ということを、地道な資料分析から示している。ちなみに、印字アーム説は二重に誤っている(オーガスト・ドボラックの誤り、プラテン→アームの誤り)という。

 というテーマを中心に、タイプライターの歴史を分析し、資料から俗説を排除して事実を追求している本。その姿勢は、「○○は××氏の娘が△△したことによると言われている。しかし××氏には娘はいない」といった細部にまで及んでいる。

 といってもQWERTY配列を賛美しているわけではない。いわゆるJIS配列(ロジカル・ビット・ペアリング)がテレタイプ由来のもので、いわゆるASCII配列(タイプライター・ペアリング)がIBM由来のものであることともあわせ、QWERTYや記号配列などは米国の産業界における独占に振り回された結果であると結論づけている。

 そのほか、マーク・トウェインと初期タイプライターとか、女性参政権とタイプライターの初期普及活動とか、元祖タッチタイピング勝負とか、興味深いエピソードを資料に忠実に再現していて、非常に面白く読んだ。


キーボード配列QWERTYの謎
安岡 孝一 安岡 素子
エヌティティ出版 (2008/03)
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