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「Core Memory ―ヴィンテージコンピュータの美」&発売記念トークイベント

Core Memory ―ヴィンテージコンピュータの美
John Alderman Mark Richards 鴨澤 眞夫
オライリー・ジャパン (2008/02/26)
売り上げランキング: 2223


 これはいい写真集。好き者にはたまりませんな。

 シリコンバレーの「Computer History Museum」所蔵の歴史的なコンピュータを撮った写真集。Z3にはじまり、ENIACやIBM System/360、PDP-8、Cray-1、Apple-I、Google初代サーバーに至るまで、丹念に撮影されている。

 歴史的意義と同時に、なによりキレイで「カッコいい機械」の写真になっているのがすばらしい。

 で、本書の写真の人と文の人が来日して、トークイベントが新宿ジュンク堂であったので、聞きにいってきた。

 楽しかった。マークがギャグ飛ばしすぎ。以下、トークイベントのメモをそのまま。


(鴨澤眞夫:翻訳の人)
2人のバックグラウンドを

(マーク・リチャーズ:写真の人)
もともとはフォトジャーナリスト
アフガン戦争やカンボジアなどの報道写真
インターネットで変わった
フォトジャーナリストでは食えないのでほかの帽子をかぶろうと思った
こっちの写真はゆっくり撮る
細部の美を追求

(ジョン・アルダーマン:文の人)
ライター、ジャーナリスト、編集
'93 「Mondo 2000」インターネットについての本
'94「HotWired」広告を入れたウェブサイトのはしり
インターネットが音楽ビジネスを変えていくところなどを書いてきた
コンピュータがどれだけ世の中を変えていくかに興味

(鴨澤)
今回の本の背景を

(マーク)
Geekが集まっているComputer History Museum
配線ぐちゃぐちゃのボードを見た
14世紀の解剖図を思い出した
これアートじゃね?
歴史のかけらの写真を撮る
グーテンベルクの時代にいたら写真を撮りたかった
今も時代が変わっているところ
(Apollo Guidance Computerの写真を掲げる)
月にいくための航法システムであり、楽器のようでもある、それを作った人々、の3要素のすばらしさ
(IBM System/360の写真を掲げる)
まるで神経系のようだ

(会場)
どんな経緯からいっしょに?

(ジョン)
編集者の紹介
さまざまなコンピュータの物語に興味を持った
コンピュータを作ったひとたちに興味がある
どういう材料、どういう狙い、どういう苦労?
みんなのやってることが大きな流れになっていく感じ
歴史から未来が見える
ちょうどインターフェイスデザイナーの仕事を始めたところだった
情報がどのように視覚化されているか
インターフェイスの移り変わり

(会場)
Computer History MusiumというGeekな場所に行ったきっかけは?

(マーク)
私はGeek Artist(笑)
歴史上の偶然
撮影に行ったとき、近くにComputer History Musiumがあったので行ってみたら面白かった
昔、みんな車をいじっていたように、今はコンピュータをいじっている
美しい
ここまで深くComputer History Musiumの物を撮ったのは私が始めてじゃないか
キヤノンのデジカメとソニーのノートPC
撮って確認するサイクルが早い、これはいいコンパイラ
フイルムじゃ無理(自分には)

(会場)
撮影で大変だったこと

(マーク)
全部大変だった
動かないんだもん、すげー退屈(笑)
冗談言っても笑ってくんないし(笑)
とても露光時間が長い
アプローチの考え方を変えるのが大変だった

(ジョン)
ストーリーを集めた
それぞれの作者は普通に仕事してるので記録はあまり残っていない
当事者がまだ生きていて話を聞ける場合もあって、そういうときは楽だけど、当人同士で話がくいちがったりする
Computer History Museumの情報も正しいとは限らない
いい部品の写真に文章を書いたら、その写真が没になったり

(会場)
どっちが写真を選んだ?

(マーク)
アート優先(笑)
最初、出版社にコンピュータのアート写真の本と言ったら、怪訝な顔をされた
Musiumには、先に出版契約を決めてからと言われた
でもきっといい本になると思った
単なる歴史の本ではなく、アートの本にしたかった

(ジョン)
これはすごい経験

(マーク)
Musiumは「絶対に歴史的に正しく」と注文
でもジョンは無理だというし

(マーク)
ジョン、どのマシンの物語が面白い?

(ジョン)
SAGE
すごいお金の浪費
ロシアの爆撃を恐れていた
フットボール場半分の面積、4階建て、30施設
監視システムをリアルタイムに集計
ライトガン(→ライトペン→マウス)などのグラフィックインターフェイス
組み込みの灰皿(笑)
などのすごいイノベーション
ICBMが出てきて、すべて無意味になった
浪費だったけど、すごいイノベーション
飛行機の予約システムとか(笑)
爆撃機も予約できるよ(笑)
軍事が嫌なものを作って、そこでイノベーションがうまれる

(マーク)
(ENIACかなんかの写真を指さして)
これ、ロシア製の真空管
ギターアンプとかでもロシア製の真空管を使ってるよ

(会場)
日本版の感想は?

(マーク)
印刷品質がいいね。アート。クール。

(ジョン)
アメリカ版も内容をもっと正確にしたい
日本版は鴨澤さんがいろいろ直した(笑)
日本に住んでたことがあって、そのころの友達に見せて、驚いてもらえた

(会場)
いちばん好きな写真は?

(マーク)
CDC 6600のブートストラップ部分
IBMのカードリーダーの色もすばらしい
気にしているのは色だけ

(マーク)
ジョン、CDCを作ったクレイについてしゃべって

(ジョン)
この会場は詳しそうな人がいっぱいいるからちょっと(笑)

(マーク)
IBM System/360の開発の始まりについてしゃべってよ

(ジョン)
当時、新しいコンピュータを買いたがらない会社がいっぱいあった
IBMは、シリーズの中で同じソフトが動くコンピュータを作ろうと思った
シミュレーション(マイクロコード)
これは大事なステップだった
それまではプログラムは専用だった
今はそれがますます重要
いまコンピュータはネットワークでつながっている
System/360はコンピュータの社会を作った

(会場)
なんでそんなに撮影に時間がかかったの?

(マーク)
被写界深度をとるためにすごい絞りを絞って時間をかけてとった
広角レンズ
ゆがみはあとからPhotoshopで修正
長いレンズを使うスペースがなかった
照明は蛍光灯

(会場)
1枚あたり、後処理にどのぐらいの時間?

(マーク)
歪みをとるのにPhotoshopで2~3時間
カメラを傾けるかわりにPhotoshopで傾けたり
(NEAC2003の写真を指して)色を再現するのに1~2時間かけたり
何度もやりなおしたり
10分~10時間

(会場)
日本語版の苦労話を

(鴨澤さん)
マークから返事が来ないとか(笑)
原文の変なところがいくつか見つかったので、Musiumの人に聞いてみた
「ああ、そのとおり、じゃ見直してみるよ」
そうしたら写真と文が違ってるところがあった
ジョンに相談→ジョンがマークに相談→マークが写真を撮り直して巨大なファイルを鴨沢さんに送った
Apollo Domainの写真にアポロ計画の説明文が付いていた
書いてあるメモリの量が説明と合わない箇所も
GoogleのサーバーのCPUが8086とかなってきた

(会場)
「Core Memory」というタイトルがすばらしい。すぐ決まった?

(マーク)
いや、ハードウェアとか歴史とかの意味を反映した名前をつけるのに時間がかかった
「Core Memory」という言葉が出たら、これでいこうとなった

(マーク)
みなさんに質問。この本のどこがよかった?

(会場の中村正三郎さん)
美しさ、クローズアップ

(マーク)
わかってもらえてうれしい

(会場)
今でも使えるんじゃないというインターフェイスは?

(ジョン)
インターフェイスの発達にはパターン
遊び心のあるものが来る
軍事のものも遊びになる
Macも最初はおもちゃだといわれた
しかしそれが標準になった
(HP-35の写真を手にとって。ここで会場「おお」と)
キーに色がついているのが重要だ
よく使うキーが青になっている
簡単だけど親切

(マーク)
フランスのMinitel端末
電話帳のかわりに配られた
でもエロに使われた(笑)
ここでソフトのイノベーションが起こった
いまでいうインターネットみたいなもの

(会場)
空調機とかビルそのものとかに興味は?

(マーク)
きれいだったら撮るよ
でも歴史を持ってることが重要
そこらのエアコンより原発のエアコンのほうが面白い

(ジョン)
でも日本のエアコンは面白いよね

(鴨澤)
マークが日本に来て撮った街角の写真がおもしろい
さくらやの看板とか

(マーク)
東京ではコンピュータじゃなくて人を撮ってる

(会場)
アート優先の本の次に、歴史優先の本とかは?

(ジョン)
いいね。でもすでにいっぱいあるよね。

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