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読書やコンピュータなどに関するメモ

「Q.E.D.」27巻

 本格推理小説は、本格であるほど、探偵が「神の視点」を持つことになる。そして、読者はその神の視点から物語を見ることになる。が、実際の事件に直面した個人はそんな神の視点など持つはずもない。

 ということで、本格推理マンガである「Q.E.D.」では、裁判員制度を取り上げた異色作「立証責任」という力作をものにした。

 物語は、裁判員制度の模擬裁判を学校で開くことになったという設定。で、裁判員は弁護側と検察側の主張にそれぞれ揺さぶられる。なおかつ、制度や、そこで裁判員に求められることを具体的に描いている。裁判員に求められる緊張感が、いままででいちばんよくわかった。

 となると主人公の塔馬君の推理力がこの作品の主題と合わない危険性がある。が、ネタバレは避けるが、あくまでも塔馬君は検察の不備を証明するだけで、事件の真相そのものは推測の域にとどめている。

 ふだん主人公の論理で押している「Q.E.D.」だからこそ、こういう異色作が作れたのだと思う。

 あと、もう1編の「鏡像」は、人情もの路線の作品。伏線とかは弱めだが、老捜査官の家庭の話をまじえて、人情話として読ませる。

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