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「時代劇入門」

時代劇入門 (角川新書)
時代劇入門 (角川新書)
posted with AmaQuick at 2020.05.30
春日 太一(著)
KADOKAWA (2020-03-07T00:00:00.000Z)
5つ星のうち4.3
¥891

 題名のとおり、時代劇を見るための入門書。なんだけど、時代劇の体系とか蘊蓄とか歴史知識とかは後回しにして、時代劇をいかに楽しむかという「面白がり方」を解説する本だ。

 冒頭の第1部から、時代劇の世界は「ファンタジーの異世界」だから分からなくてあたりまえと。で、時代劇の「時代」ではなく「劇」で楽しんでほしい、カッコいいところから見てほしいと。

 いわく、「アベンジャーズ」を現代日本を舞台にしても浮くけど、時代劇なら「十三人の刺客」のような要塞攻防戦でも成立すると。そんな感じで、派手な名作アクション時代劇の見せ所などを紹介していく。

 さらには著者が以前から言っているように、「時代劇=『水戸黄門』」と思われてしまうのが食わず嫌いになる原因だと。「水戸黄門」は時代劇としては本流でないし、ほかに面白いものを見てきた後で見るものだと。

 とはいいつつ、第2部では時代劇の歴史を解説しているのだけど、そこでもその時代ごとのヒット作を紹介することにも重きを置いている。

 第3部は、時代劇を5ジャンルに分けたり、スター役者をピックアップしたり、キーになる原作者を取り上げたりと分析的に解説。ただし、それらもすべて、面白く思うポイントをつかむための入口を意識した説明になっていて面白い。

 そして第4部は「忠臣蔵」「忍者」「大河ドラマ」という大きなテーマを語り尽す。私は正直、忠臣蔵には興味が薄かったけど、ほうなるほどそういうポイントから見るのかと興味を引かれた。

 忍者については、「忍びの者」は社会派でダークな時代劇な印象だったけど、黒装束の忍者集団ががレンジャー部隊由来のアクションをする最初の作品だったのかとか。ポニーテールにホットマンツに網タイツのくノ一は1963年の「真田風雲録」からかとか。

 大河ドラマについては、初期作品からの特徴を「豪華キャスト」「ただし重要な役に新人を抜擢」「歴史の再検証」「現代と照らしあわせる」と説明。なるほど、最近の作品で「大河らしくない」とか言われがちなパターンって、実は最初期からの特徴なのか。

 そして最後の第5部は「チャンバラの愉しみ」と題して、「殺陣はプロレスである」「ラブシーンとしての決闘」「殺陣の入口としての『ガンダム』」という具合に、チャンバラ時代劇の愉しみ方を、これでもかというまでに語り尽くす。さらにはその勢いをかって、巻末インタビューで富野由悠季監督と語りあう。

 というわけで、時代劇をあまり見ていない人にも、時代劇の好きな人にも、「面白さ語り」の本として面白いと思う。

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