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「戦国、まずい飯!」

戦国、まずい飯! (インターナショナル新書)
黒澤 はゆま
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 8,701

 1993年の米不足のときは、緊急輸入されたタイ米(インディカ米)が日本国民に不評だった。この態度は現在では「ジャポニカ米と同じ食べかたをするのが間違っている」と批判されるわけだが、夏目漱石の小説「坑夫」でも、主人公が南京米(インディカ米の一種)を「全く壁土である」と文句を言っており、昔も今も同じようなことを繰り返しているものである。

 本書によると、日本の中世にも大唐米(唐法師、唐干)というインディカ系の赤米が栽培されていたという。早生で干魃にも水害にも強いという戦国時代向きの特徴を持っていたものの、雑兵や農民専用で、文献では「風味劣れり」「殆ど下咽に耐えず」とまで書かれているそうな。

 このように本書は、戦国時代の武将や雑兵が食べていたものを、文献からひもといて解説している本だ。

 そして本書では、それぞれ実食するところまでがワンセットだ。もっとも、当初の意図としては「まずい」ことを確かめるものだったが、だんだんそこはこだわらなくなっていき、たとえば食べられる縄である芋がら縄のように美味いという結論になってしまうこともある。

 改めて、さまざまな生活や文化(たとえば畳や正座)と同じように、日本の食も江戸時代から大きく変わったのだなと思う。醤油は江戸時代になって普及したと知られている。で、戦国時代はまだ一般に普及していなかった醤油を、お坊ちゃん育ちで駆け出しの井伊直政が欲しがって、先輩三河武士に叱られたエピソードなども。

 焼酎は文献によると、日本で輸入品が献上されるのが15世紀、日本で作られたのが16世紀だという。真田信繁(幸村)が九度山から焼酎をねだる手紙を出した(17世紀初頭)話は有名だが、誰にどのような焼酎を頼んだかなども考察されている。ちなみに本書の別の箇所によると、後に真田信之はワインを好み細川家に送ってもらったりしていたとか。

 現代から見ると意外なのが肉食。特に飼育して労役させている動物は食べるのが禁止されていたため、ルイス・フロイスは「われわれは犬は食べないで牛を食べる。彼らは牛を食べず犬を食べる」と書き残しているという。とはいえ、南蛮渡来の牛肉食は戦国武将に密かに広まり、江戸時代にも細々と続き、それが幕末以降に突如現れたように見える牛鍋につながっているとか。

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