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読書やコンピュータなどに関するメモ

「Q.E.D. iff」12巻、「C.M.B.」40巻、「奇科学島の記憶」

 同じ作者による人気ミステリーコミックの最新刊が、今回も2冊同時発売された。さらに、ミステリー小説「捕まえたもん勝ち!」第3弾の「奇科学島の記憶」も同時発売となっている。

 以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

 「Q.E.D. iff」12巻は、「いい奴」と「再生の時」を収録している。

 「いい奴」は、シリアでテロ組織に誘拐されたお人好しジャーナリストを救出する話だ。3つの交渉窓口の意味と、それによって起こる騒動、そしてその駆け引き。それ以上に、「世の中にはなぜか戦争に惹きつけられる奴がいるんだ」のエピソードが静かにシリアスだ。あとゴツいイタリア人(シチリア人)に言うことを聞いてもらう切り札は、やっぱりアレ(笑)

 「再生の時」は、脅迫で金を取ろうとしていたブラックジャーナリスト(奇しくもタイムリーなネタだ)の殺害事件を、17年前の事件にからめて解く。殺害トリックはやや乱暴なのだけど、トリックの要はそれよりもあの手品みたいなネタで、さらにキーになるのが(以下略)。そして切ない結末。

 「C.M.B.」40巻は、「奇跡の神殿」「五月蠅い殺し屋」「イパネマの娘」「ボトルシップ」の4編を収録している。

 自分の好みでいうと「五月蠅い殺し屋」がよかった。ドジな自称殺し屋のドタバタコメディなんだけど、その騒ぎの裏で本当の殺人事件が起きる話。

 「奇跡の神殿」は、瀕死の病の少年が何故か救われたシヴァ神殿の秘密を、無謀な学者グループと森羅君たちが対立しながら追う。生存者バイアスって怖いね。

 「イパネマの娘」は、ブラジルで強盗に遭った御曹司が、現地の女性に助けられる話。ちょっと赤毛連盟っぽい。

 「ボトルシップ」は、マルタで隠棲のような生活をする富豪の殺害事件について、売り込みにきていた3人の野心的なプライベートバンカーたちの誰が犯人かを探す話だ。3人3様のキャラや動機から、1つの解を導き出す。

 「捕まえたもん勝ち!」第3弾の「奇科学島の記憶」は、伊豆諸島の小島での旧家にまつわる連続殺人を、キックとアンコウが解く小説だ。アンコウは前作と同じく、メールでの登場が多い。

 オビにいわく「見立て孤島不可能因習連続殺人……あと他色々ミステリ」。その横ではQ.E.D.の水原さんが「いやー詰め込んだね」と笑っている。

 そもそも密室殺人とか見立て殺人とかってミステリーによく出るけど、なんでそんな悪目立ちすることを犯人がするのか、というのは昔からしばしば言われる。ややチラ見せすると、本書ではそういう派手さこそが最大のトリックだ。

 あと、個別のトリックにおいては、トリッキーに見えるものが簡単で、簡単そうに見えるものがトリッキーというのも工夫されている。

 本書では、Q.E.D.などでもよく出てくる、一度立てた仮説を自ら棄却してみせる展開も見せる。そして初期Q.E.D.を思わせる切ない結末。

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