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「日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」」

 日本でいろいろあって逃げるようにフィリピンに渡り、そこで金が尽きてホームレスのような生活をしている困窮邦人を追ったドキュメンタリーだ。

 そこでは、さまざまな人生が描かれる。日本でその日暮らしをしていてフィリピンパブで出会った女性を追ってフィリピンに渡った人。偽装結婚詐欺でフィリピンに放り出された元新聞配達員。日本で悪事や借金を重ねてフィリピンに逃げた人。寝たきりになって枕元のPCを操作する、元年収1,000万以上のソフトウェア技術者。日本で妻との行き違いから離婚してフィリピンに渡った人。

 「搾取される若者たち」のようなテーマが流行ったころに発売された本で、日本社会の冷たさとフィリピンの優しさをテーマにしているようだ。

 ただ、さまざまな転落人生やテーマより印象に残ったのが、取材対象者の嘘とそれを取材側で裏取りする努力だ。最初のほうでも、「困窮邦人は自分に都合のいいことしか言わない」という言葉が出てくる。実際、メリットがなくてもばんばん嘘をつくし、それで取材をまるごと没にしたりもしているようだ。

 それを筆者は丹念に取材していく。同じことを何度も聞いて矛盾がないか確かめるのは基本。フィリピンをベースに、日本の身寄りを尋ねて取材したり。“本人が言ったから正しい”というだけではすまないんだなあと。そんなこんなで、2011年第9回開高健ノンフィク賞受賞。

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