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読書やコンピュータなどに関するメモ

「「日本の伝統」の正体」

 藤井青銅氏というと、私の場合はヒーローアニメ制作の現場を題材にしたギャグ小説「愛と青春のサンバイマン」を思い出す。その藤井青銅氏が、「日本の伝統」とされているものに軽妙な文でツッコミを入れている本だ。

 各章のタイトルが「季節にすり寄る「伝統」」「家庭の中の「伝統」」「「江戸っぽい」と「京都マジック」」「「国」が先か? 「伝統」が先か?」「「神社仏閣」と「祭り」と「郷土芸能」」「「外国」が「伝統」を創る」というぐあいで、いかにも伝統っぽいものが出てきそうな元が並んでいる。そのへんが気になって読んだら、面白かった。

 もともと伝統とか、特に京都がらみのものとかに詳しくないので、そういう伝統があるんだというのも含めて、へーそうなんだと読んだ。あと、「江戸時代には『鎖国』という言葉は使われていなかったから鎖国はなかったというなら『江戸時代』はどうする」というツッコミもクスリとした。

 以下、ほぼ自分用メモ。

  • 川崎大師と成田不動への初詣が多いのは、江戸から見て恵方にあるから
  • 初詣は明治18年に鉄道会社のキャンペーンで始まった
  • 初日の出を拝むのは、江戸時代中期から
  • 正月のおせちを重箱に詰めるようになり始めたのは幕末から明治にかけて
  • 箱根駅伝のTV中継は昭和62年から
  • 七五三が一般的になったのは明治30年代から(デパートができたころから)
  • 「夏に鰻」は平賀源内よりだいぶ古く、大伴家持
  • 仏前結婚(明治25年)は神前結婚式(明治33年)より少しだけ古く、いずれもキリスト教式結婚式(明治6年)の影響
  • 平民に名字が付いて明治9年の太政官指令では夫婦別姓
  • 良妻賢母の「賢母」は明治6年に幼児教育のため母親にも教育が必要という西洋的なもの。その反動で作られたのが儒教的な「良妻賢母」(明治32年)
  • 卵かけごはんを最初に食べた人として文献に残っているのは明治5年の岸田吟香(岸田劉生の父)
  • 「正座」という言葉は明治から
  • 喪服が黒になったのは、大正元年の明治天皇崩御から
  • 「告別式」は無神論者・無宗教の中江兆民の葬儀(明治34年)の葬式のかわりから
  • 京都三大漬物の一つの千枚漬けは、幕末ギリギリの慶応元年から
  • 満願寺とうがらしは、大正末から昭和初期にかけて、伏見系とカリフォルニア・ワンダー系のとうがらしを交配して生まれたもの。京都市内に満願寺はない
  • 越前竹人形は水上勉の小説のほうが先で、後から民芸品が作られた
  • 相撲が国技というのは、明治42年に両国に相撲の常設館ができたときに勝手に名乗ったもの
  • 平安神宮は明治27年から
  • 天皇家の葬儀が神式になったのは明治元年から
  • 神社の「御朱印」は、昭和10年ごろの鉄道駅・郵便局名所・著名社寺などのスタンプブームから
  • 津軽三味線の叩き奏法は幕末に生まれ、明治に祭などの場所で音を立てるために太棹とともに作り上げられた
  • 北海道の民芸品の「木彫りの熊」は、大正10年に徳川義親がスイスのベルン視察で土産に買った木彫りの熊が元

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