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「決戦! 関ヶ原2」

決戦!関ヶ原2
決戦!関ヶ原2
posted with amazlet at 17.08.19
葉室 麟 東郷 隆 宮本 昌孝 冲方 丁 天野 純希 吉川 永青 簑輪 諒
講談社
売り上げランキング: 12,560

 戦は実際に戦うまでの計略がすべてという考え方がある。さすがにそれは極論だと思うけど、それまでの日本で最大の戦なのに1日で終わった関ヶ原の合戦については、あてはまる部分が大きそう。

 本書は1つの合戦について人気作家が1篇ずつ短編小説を書く「決戦!」シリーズの最新刊で、最初に出た「決戦! 関ヶ原」に続いて関ヶ原を扱った本だ。

 私がいちばん面白く読んだのは、最初の「ダミアン長政」(葉室麟)だ。父如水(官兵衛、孝高)の反省から知略を隠して猪武者として振る舞っていた黒田長政が、関ヶ原に向けて戒めを破って謀略をキメる。そしてそこで見えた石田三成の狙いと、キリシタンである長政の考えとは。処刑前の三成と長政の会話とか、長政と如水の右手左手の話とか、有名な逸話をうまくひねっている。

 「燃ゆる病葉」(沖方丁)も、関ヶ原に向けて万策を練りつつ、読みきれずに破れた大谷吉継を描く。本作の大谷吉継は、理では家康を推しつつ、友情で三成を支えるという黄金パターン。

 戦略・戦術中心をちょっとヒネって、本物の戦をシミュレーションウォーゲームのようにしか見られなくなった小早川秀秋を描いたのが「秀秋の戯」(天野純希)。一方、調略や裏切りをテーマに、ちょっと寓話や説話っぽい味を出しているのが「名だけを残して」(箕輪諒)だ。

 それらと反対に武人の戦を描いたのが、「三成に過ぎたるもの」と言われた島左近を描いた「過ぎたるもの」(吉川永青)と、「家康に過ぎたるもの」と言われた本多忠勝の生涯を描いた「蜻蛉切」(宮本昌孝)だ。また、「戦さ神」(東郷隆)は、同著者の「センゴク兄弟」でも登場した仙石勝久と、可児才蔵の活躍を描く。

 それにしても、いずれの話でも石田三成は小悪人とか愚かとかいった評価はなされていないのが興味深い。平壊者だったり福島正則に恨まれていたりとかはあるけど。まあ最近は三成をベタに小物扱いすると古く感じるからなあ。

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