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「ガリレオ裁判――400年後の真実」

ガリレオ裁判――400年後の真実 (岩波新書)
田中 一郎
岩波書店
売り上げランキング: 113,617

 ガリレオ裁判というと、中世の宇宙観 vs. 近世の宇宙観の戦いのイメージであり、ガリレオ・ガリレイが破れて「それでも地球は動いている」とつぶやいたというイメージだ。しかし、それは後の18世紀ごろに作られたエピソードで、特に旧支配階級を打倒せんとするナポレオン・ボナパルトが広めたイメージだという。

 本書によると、宗教裁判というのは現代の裁判のイメージとは異なり、有罪無罪を決める場ではなく、被告に異端思想を自覚させる場だという。手続きも書面で進行して審問官も判決まで被告と顔を合わせることがない。ガリレオ裁判で拷問があったとする説まである(本書ではそれを紹介した上で反論しているが)。

 その裁判記録は長らくヴァチカンに秘蔵されたままだったが、1979年にローマ法王がガリレオの業績を認めたことにともない、ガリレオ裁判の記録が明るみに出た。本書はその資料からわかった裁判の経緯を解説している。

 それによると、教皇庁は聖書絶対という原則はブレないものの、その中での方針の違いや温度差があったという。たとえば、コペルニクスの地動説を計算上用いるのは構わないが宇宙の真理であるとするのは認められない、など。そもそも、ガリレオも聖書に反することを望まず、なにより著書を発禁とされるのを避けようとしていたとか。それが、教皇庁内の人事事情などによって方針が揺れ動く様子が本書で解説されている。

 「400年後の真実」というサブタイトルだが、「○○と言われているのは全くの間違い、真実は××だった」といったセンセーショナルな書き方でなく、裁判の歩みをじっくり追っていく書き方で、安心して読める。

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