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読書やコンピュータなどに関するメモ

「ペルシア王は「天ぷら」がお好き?」

ペルシア王は「天ぷら」がお好き? 味と語源でたどる食の人類史
ダン・ジュラフスキー
早川書房
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 欧米ではクリスマスに七面鳥を食べるそうだけど、このアメリカ大陸発祥の鳥はなぜか英語で「turkey」(トルコ)と呼ばれる。これは、大航海時代に七面鳥をヨーロッパで売っていたポルトガル人が出所を隠していた結果、同じくポルトガル人が売っていたホロホロ鳥と混同されたことによるという。

 というような料理や食材の語源や由来などについて、言語学者(専門はコンピュータにより用法を統計的に調べる分野だとか)である筆者が解説する本だ。

 たとえばケチャップ。この言葉は、中国の福建地方で魚醤を意味する「ケ・チャップ」が語源だという。それが、大航海時代にヨーロッパに伝わり、トマトを使って真似たものが「ケチャップ」として定着した。

 大航海時代に広まった料理はほかにも。書名にもなっている天ぷらの原型は、6世紀ペルシア王の好物「シクバージ」だという。ただし、これは酢を使った牛肉の煮込み料理だた。これをイスラムの船乗りが魚のシクバージにし、やがてその魚が揚げられるようになった。これが大航海時代に、フランスのアスピックや、スペインのエスカベーチェ、イギリスのフィッシュ・アンド・チップス、ポルトガルのペスカド・フリートにそれぞれ発展したのだと著者は主張する。ちなみに、最後のペスカド・フリートを参考に独自に発展したのが天ぷらだ。

 本業である言葉の用法の分析ネタも。著者は、アイスクリームなど濃厚な食べ物の商品名には後舌母音が多く、クラッカーのような軽い食べ物の商品名には前舌母音が多いという理論を立てる。また、音の滑らかさと料理の滑らかさには関連があるとも言う。

 著者はまた、Yelpでのレストランのレビューをもとに、肯定的なレビューより否定的なレビューのほうがより細かい言葉を使われると分析する(否定の分化)。否定的なレビューはまた、料理よりできごとの話が目立ち、「私たち」という言葉がよく使われるという。一方、肯定的なレビューでは、肉感的・官能的な言葉がよく使われるとか。

 そのほか、マカルーンとマカロンのマカロニの関係や、ポテトチップスのグレードとキャッチフレーズの相関関係、英語で乾杯のときに「トースト」と言う理由、レストランのグレードと料理名の傾向など、料理やその名前の由来について、歴史や分化についていろいろ読めた。

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