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「火天の城」

火天の城 (文春文庫)
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山本 兼一
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 「大坂城を建てたの、だ〜れだ」「大工さん」というのは20世紀のなぞなぞだ。いや、20世紀以前や以後にもあるかどうか知らないけど。

 それはさておき本作は、幻の城といわれる安土城の建築を、プロジェクトの中心となった棟梁親子を中心に、プロフェッショナルたちの目から描いた小説だ。主人公二人が率いる大工たちから、杣、石工、瓦師まで、各分野の専門家の仕事が描かれる。そういう骨太のプロフェッショナル群像時代劇という意味では、「始祖鳥記」や「天地明察」あたりにも通ずるかも。まさに建築小説、つまりビルドゥングスロマン(←これも、20世紀のダジャレ)。

 工事の描写は緻密。安土城については詳しく知らなかったけど、構造から、蛇石のエピソード、謎の壺まで、うまく史実をストーリーに練り込んでいるようだ。なお、織田信長も出てくるが、武将というより、どんどんハードルを上げるムチャぶりビジョナリーといった役回り。

 という難事業なので、設計や材料、工事など、次々と困難が襲ってくる。ほかの武将の勢力による妨害工作も続く。内部でも、若棟梁の反発と挫折、内通者の工作と愛憎などなど。そうした数々を乗り超えて安土城が建っていくところが、ぐいぐい読ませる。そして最後は史実+α。

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 本作は映画化もされている。“泣ける話”を狙って中途半端になっているというのが私の感想だけど、なにはともあれ映像の中で木造大建築物が建っていく。

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