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読書やコンピュータなどに関するメモ

「偉人は死ぬのも楽じゃない」「人間臨終図巻」「死因百科」

偉人は死ぬのも楽じゃない
ジョージア ブラッグ
河出書房新社
売り上げランキング: 366,690

 第20代米国大統領ジェームズ・A・ガーフィールドは、拳銃で背中を撃たれたあと、消毒の概念がない時代の医者が何日も傷口に手を入れて銃弾を探しまわり、結局絶命した。銃弾は重要な臓器をかすめておらず、医者が手を入れていなければ命を落すこともなかっただろうという。

 「偉人は死ぬのも楽じゃない」は、こうした歴史上の人物が亡くなるときの騒ぎを紹介する本。ツタンカーメンに始まり、ユリウス・カエサル、クレオパトラ、クリストファー・コロンブス、モーツァルト、ベートーヴェン、アインシュタインまで19人の死が取り上げられている。

 特に重点を置かれているのが、医学の未発達による乱暴な治療だ。重体の人間に瀉血を施したり、乱切器で傷をつけたり、腹に穴をあけて縫合せずに布を詰めたり。読んでいるほうでも身がすくむ感じだ。前書きにも「血なまぐさい話が苦手なら、この本を読んではいけない」と。

 本書はもともと10代向けの読み物として書かれた本で、各章末にはその人物や病気などに関連する豆知識も置かれている。前述のガーフィールドの場合は「ガーフィールドには間に合わなかった医学の進歩」なんてネタも。

人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)
山田 風太郎
徳間書店 (2011-11-02)
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 著名人を主にその死に絞って取り上げている本といえば、山田風太郎の「人間臨終図巻」だろう。享年順という機械的な順序で、短く淡々としながら機知の効いた文章で人々の臨終の様子を描く名作。

 改めて読んでみると、谷崎潤一郎の項で引用されている谷崎の言葉にあるように、青年時代と年をとってからとで、「死」に感じるものが違うのだなと感じる。

図説 死因百科
図説 死因百科
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マイケル・ラルゴ
紀伊國屋書店
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 「人間臨終図巻」のように機械的な順で多数の死に方を並べた本に「死因百科」がある。こちらは無名の人を中心に、「アイスクリーム」「車」「伝染病」「春休み」など死因となったものを辞書順に並べ、多数のエピソードを挙げている。「結婚式」の項では、新郎新婦が小型飛行機で飛び立つときに、有人がその前に立って尻を出して轢かれた、なんて話も。そんな、変わった死からありふれた死まで、さまざまな死因が、まさに事典的に網羅されている。

 とにかく取り上げられた事例が細かく、帯にいわく「アメリカでは年間に、3人がワニく食われて、30人がスカイダイビングで、40人がサソリに刺されて、143人が落雷で、1795人が救急車の事故で、3761人がマスターベーションで、この世を去っている」。

 また、昔の死因から現代的な死因(「たまごっち」の項もある)までカバーすることで、米国の発展の歴史のようなものが見えてくる。「戦争」「西部開拓」という項もあるし。

 以上、「偉人は死ぬのも楽じゃない」を読んだ機会に3点を並べてみたけど、ちょっと悪趣味だったかな。まあ、お盆シーズンということで。

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