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「世界史をつくった海賊」

世界史をつくった海賊 (ちくま新書)
竹田 いさみ
筑摩書房
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 「ミニスカ宇宙海賊」は、そのあとがきによると、大航海時代あたりの国家公認の海賊である私掠船免状制度が下敷きになっているという。

 本書は、英国が16世紀のエリザベス1世女王時代に、海賊の深い関係をもとに世界の二流国から一流国になっていったと解説する本。海賊兼海軍人のフランシス・ドレークが、アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を破った時代だ。

 いわく、国家の“集金マシン”として。民間で海賊の航海に出資を募る「シンジケート」を組ませ、女王とその側近が出資。外交の表面上はスペインなどと友好関係を保ちつつ、商船などから財宝を略奪して蓄財したという。ドレークだけでも、当時の国家予算が20万ポンド前後のところ、約60万ポンドを英国にもたらし、半分が女王の懐に入ったとか。

 はては、アフリカで黒人奴隷を積んだポルトガル船を襲って、そのままカリブの砂糖農園に売却、カリブでポルトガル船に砂糖を積んで持ち返る、という商売も。

 いわく、“冒険商人”として。海賊上がり、または海賊兼業の商人が、リスクを取って遠洋航海に赴く。東インド会社も、上記のシンジケートの方式で設立され、執行役員は大物海賊の冒険商人だったという。シティは東インド会社から確実に税を徴収するための指定港、ロイズの起こりはの東インド会社の冒険商人たちが集って情報交換するコーヒーハウス、と。

 いわく、国家の“戦争マシン”として。アルマダの海戦では、王室海軍を大物海賊に編入する指揮体系を採用。戦法でも海賊流が使われたという。船や武器も、スペインから奪ったものなどが使われていたとか。本書ではさらにアルマダの海戦について、スパイによる諜報活動も語られており、その主な資金源が冒険商人だったとか。

 著者は国際政治学者で、主題はいちおう「イギリスという国家の戦略性、素晴らしさ、凄み、恐ろしさ」(あとがきより)。なんだけど、それ以上にエピソードとそのつなげかたが面白い。必ずしも海賊との関連が強くなくても、スパイス貿易や、コーヒーから紅茶へといったあたりの当時の活動や時代の変わり目の話も。ときに海賊ロマン的なものもまじえて、海賊と王室が組んで狡猾に英国を繁栄に導く様子が語られている。

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