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「キャッチワールド」

キャッチワールド (ハヤカワ文庫 SF 431)
クリス・ボイス
早川書房
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 「タウ・ゼロ」からバサード・ラムジェットつながりで「キャッチワールド」を読み返した。「タウ・ゼロ」が直球ド真ん中のSFとすると、「キャッチワールド」は正反対の変化球というか魔球というか暴投というか。いろいろ頭おかしくてすばらしい作品。

 どのくらいヘンかは、内容を並べないと説明が難しいので、以下ネタバレ含みで。未読の方はご注意を。

 宇宙から結晶生命体が攻撃をかけてきて人類が滅亡の淵に追い込まれてから40年。残った人類の中から報復のために人工授精で生まれ育成された人員が、バサード・ラムジェット船の艦隊でアルタイルに反撃に向かうのだった。

 という背景なのだけど、主人公の艦長が日本人だからって戦艦の名前が「憂国」。その田村艦長は、日本の屋島に本部を構える「法華宗」の僧兵の出身で、切腹を命じられながらも使命への妄執から「憂国」に乗り込む。

 バサード・ラムジェット船や異星系の描写はハードSF風の描き込み。タグボートの様子とか、宇宙船の戦闘とかも、スペースオペラ的ではなくてリアルに描かれている。……と思ったら後半ではいきなり悪魔召喚の儀式をしてリリスとか召喚する展開になるし。

 船は機械知性(人工知能)が制御してるのだけど、どうもやってることがおかしく、艦長と対立。そういう乗組員も様子がおかしく、権力争いが発生する。実はマッドサイエンティストにより育成の段階から仕組まれていたことで、人類補完計画みたいなことに。一方、マッドサイエンティストの第2の計画も発動。そしてすべてはキャッチワールドへ。最後は、詳細に描写された異星系の惑星の上を、ブッシュマンと鎧武者が駆けるのだった。

 とまあ、とにかく異なる方向のアイデアを惜しげもなく詰め込んだワイドスクリーンバロックで、バリントン・J・ベイリーですらとても整合性がとれているように感じるほど。作者はWikipediaによると生涯でSF長編を3作しか書いてないそうだけど、さもありなんと思う。

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