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「タウ・ゼロ」

タウ・ゼロ (創元SF文庫)
ポール アンダースン
東京創元社
売り上げランキング: 185,708

 バサード・ラムジェット恒星船が故障して1Gの加速を続けたらどうなるか、というワンアイデアを展開したら、とてつもないスケールのハードSFになった名作。

 作中での恒星船は、今でいうとだいたい火星無人探査ぐらいの難易度のテクノロジー。船の状況に重ねて、船内の人間模様も描かれる。1970年前後の作品らしく、フリーセックス的な人間関係がそれなりにドラマチックに続くのだけど、なんか本題と浮いてないかなと思ったら、実はストーリーの重要要素だった。

 原著の発表が1970年。日本でも「すごい傑作らしい」という評判が伝わってきて、翻訳が出たのが約20年後の1992年。で、さらに約20年たってようやく読んだ。読む前は“でも今となってはそこまでのことはないんじゃない?”と正直思ってたのだけど、読んでみたらごめんなさい、本当にすごい作品だった。

 今になって読んだきっかけは、訳者の故・浅倉久志氏のエッセイ集「ぼくがカンガルーに出会ったころ」の「止まらなくなった宇宙船の話」を改めて読んだこと。ネタバレもあるので、途中までしか読まなかったけど。「これに比べれば、E・E・スミスの宇宙叙事詩も、せいぜい筋向かいの食料品店にママと買い物に行くぐらいのスケール」とか言われると、気になるよね(ちなみにこれはジェイムズ・ブリッシュの言葉)。

 ハードSFといえば巻末の設定解説。本書でも、金子隆一氏がバサード・ラムジェットと宇宙論について解説している。なるほど、そういう宇宙論が背景となってると。

 というわけで、SFファンにとっては基本作品なのだろうと思うのだけど、熱心なSF読みではない自分が2013年に読んでも面白かった。

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