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読書やコンピュータなどに関するメモ

「飛雄馬、インドの星になれ!」

 2012年頭、「『巨人の星』がインドでリメイク。競技は野球ではなくクリケットに」というニュースが流れた。インパクトがある話だったので、自分を含め、多くの人が話題にした。

 実はこのニュース、プロジェクトが座礁しかかっていたときに、意図的にリークしたものだという。話題性があった効果で支援がつき、無事放送にこぎつけ、現在「スーラジ ザ・ライジングスター」は好調な視聴率を得ているようだ。

 そのようなエピソードも含め、本書は、このインド版巨人の星のプロジェクトを企んだ古賀氏による手記だ。「クーリエ・ジャポン」の初代編集長の人で、それを退いたあとにインド事業に乗り出したのだという。本書では、学生時代にバックパッカー旅でインドに滞在したところから、たびたびインドに行って経済成長を見てきたことなどが背景として語られている。あと、インドでのクリケットの人気っぷりも、なるほど日本の高度成長期の野球に似てるなとか。

 プロジェクトは紆余曲折で、インドの日本人会の集まりでポロっと「インド版巨人の星を作りたい」と言ったところから、後にその縁でこのプロジェクトの相棒となる博報堂の宇都宮氏を紹介されるところが好調なところ。博報堂との関係やらスポンサーやら制作系やら政府の支援があったりなかたりやら。

 インドのビジネスマンとの交渉のタフさや、インド独自の慣習なども語られている。大リーグボール養成ギプスやちゃぶ台返しが放送コードにひっかかるとか、母親がいないのはいかがなものかと指摘されたとか。あと、インドの制作会社であるDQEはディズニーの仕事などをしている近代的なところだとか。

 作品へのこだわりもいろいろ。とくにこだわりが語られているのがキャラだ。星飛雄馬であるスーラジの造形については、何度も「もっと目を強く」という注文を付けて、なかなか伝わらなかったのだけど、人気俳優のアミール・カーンのようにと言ったら通じたとか。花形は世界共通でわかりやすいだろうなと思ってたけど、意外と伴や左門の太めキャラが共通だったとか。

 キャラといえば、川崎のぼる氏にインドアニメ化の了解をとりに訪問したときに、唯一言われた注文が「明子姉さんを、とにかく綺麗な人にしてほしい」だったという話も、ちょっといいな。

 ちなみに、主題歌に関するエピソードの関連で、演歌歌手のチャダさんが写真つきで出てきたときは驚いた。

 ジャンルとしてはライトなビジネスノンフィクションになるのだろうか。でも固い感じではなく、新書に近い感じの手記で、さらっと読めて楽しめた。

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