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読書やコンピュータなどに関するメモ

「ふらり」「ひとり家飲み通い呑み」

 たまたま、「孤独のグルメ」の絵担当の谷口ジロー氏のマンガと、原作担当の久住昌之氏のエッセイを、続けざまに読んだ。いや、いろいろ活躍されてるお二人にそういう括り方はまったく失礼なのだけど、こちらミーハーなので。

ふらり。 (KCデラックス)
谷口 ジロー
講談社 (2011-04-22)

どこまでも地道に歩いてゆこうかと思うてな

 「ふらり」は江戸を散歩する初老の男を主人公とした、ゆったりした感じの短編連作時代マンガ。その中で、江戸の町や人、風物詩などを描く。

 大きな出来事もなく、桜、潮干狩り、雨、蛍、七夕、雷、月見、落語、雪など、定番の題材なんだけど、各エピソードがじっくりしみじみと描写されいて、うまいなあ。

 たとえば雨が降りそうな日に散歩に出るエピソード。歩測について考えながら、露天商や船の様子を観察し、ぬかるみを気にし、平賀源内を思い、子供と遊び、泥んこになり、江戸患いの患者を目撃し、量程車を設計する。そして、雨上がりの空には虹が浮かぶ。こんな、主人公の見たものや自問自答の様子を、12ページの分量で、急がずいきいきと描いているのが見事だ。

 ちなみに主人公は、隠居して江戸に出てきて、天文学や測量を学び、測量機器を工夫し、最後には蝦夷に旅立つ。ということで、モデルはあの人らしい。あの俳人との出会いとかの出し方も、ちょっと「坊ちゃんの時代」っぽい。

ひとり家飲み通い呑み
久住 昌之
日本文芸社
売り上げランキング: 2274

 「ひとり家飲み通い呑み」は、家飲み料理について、大雑把なんだかこだわってるんだかわからない感じで解説してるのが楽しいエッセイ。家飲みだけでなく、近所のトンカツ屋とかも出てくるけど。

 なにしろ、1本目から「チャーハン de 焼酎ロック」。チャーハンに焼酎ロックの組み合わせがいいと、ほかの酒と2ページかけて比較したあと、一人なんだからごはんと卵とネギが入って醤油がちょっと焦げりゃ、ウマければいいんだよと。

 そんな調子で、キャベツ炒めで「まんが道」のチューダーのシーンを思い返したり。「タカダワタル的」を見ながら少し高い赤ワインを飲んだり。ケンミンの焼きビーフンで、なつかしくも不気味で面白いCMの話をしたり。もつ焼きでライトニング・ホプキンスとかの泥臭いブルースを語ったり。

 あと、大相撲は屋内の花見ってのは、知らない世界だったな。

 そんなグダグダな饒舌なようでありつつ、からっとしていて自己陶酔にならない文章がいい感じ。実写ドラマ版「孤独のグルメ」を見た人は、毎回最後に久住氏が出てきた「ふらっとQUSUMI」コーナーみたいなノリを想像してもらえれば。知らなかったけど、プロフィールによると赤瀬川原平に師事していたそうで、言われてみれば似たところがあるなと。

 そうそう、細かいレシピではないけど、それぞれ作り方も紹介している。難しい料理はしてないので、読んでいるとつい、つられて真似したくなる。

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