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「働かないアリに意義がある」

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
長谷川 英祐
メディアファクトリー
売り上げランキング: 2475

 少し前にヒットしたみたいだけど、題名を見て勝手に“1割の元ネタから9割の人生訓を語る”系の本かと思っていた。でも、読んでみたら、いいほうに裏切られた。

 なにしろ、著者は「働きアリの2割はずっと働かない」という研究成果を発表した科学者さん本人。イラストをまじえながら素人向けに親しみやすくかみくだいて説明しているんだけど、内容は本格的だと思う。

 本書のテーマは、アリやハチ、シロアリなどの真社会性生物の行動。特に、遺伝メカニズムと血縁選択説などから行動を理論づけるハミルトン則が面白い。「膜翅目では自分の娘より妹のほうが血のつながりが強くなる」とか。

 題名にもあるネタも興味深い。人間社会と比較するより、サーバーとかのITインフラのほうが近そう。

 細かいネタでは、「喧嘩になると兵隊アリがまっ先に逃げる」というのもへぇだった。

 特に単為生殖のあたりなど、人生訓になぞらえるにはまったく異質な世界。スターリングの「蝉の女王」を読み返したくなった。

 以下、キーワードのメモ。

  • シワクシケアリの研究で、働きアリの2割ぐらいは「働いている」という見なせる行動をほとんどしない
  • 社会生理学:1つのコロニーを生物の体にたとえる
  • 仲間が出す警戒フェロモンによる学習
  • 齢間分業
  • 間違えるアリ
  • 喧嘩になると兵隊アリがまっ先に逃げる
  • 反応閾値モデル
    • 遺伝子の多様性
  • 血縁選択説(ハミルトン則)
    • 膜翅目:単数倍数性
      • 自分の娘より妹のほうが血のつながりが強い(4分の3仮説)
    • 直接の証明はない?
      • オスメス比の研究
  • 群選択説
    • ヘルピング
  • アミメアリ:女王アリがなく働きアリが単為生殖で子どもを残す
  • チーター(裏切り者)
    • カサにしかならない粘菌の遺伝子系列
    • アミメアリの研究:チーターが増えると繁殖率が下がる
    • 感染率と毒性のバランス(チーターにとって)
  • 社会寄生種
  • 奴隷制
  • ハキリアリの単為生殖:女王アリの1つの遺伝系統のみのコロニー
  • ヤマトシロアリ:次の女王となる個体は女王のホモ接合
  • コカミアリ、ウメマツアリ:オスには父親だけ、メスには母親だけの遺伝子
  • 「食う・食われる」関係による選択圧力

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