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「カルト村で生まれました。」「さよならカルト村」

カルト村で生まれました。
高田 かや
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さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで
高田 かや
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 有機農業や牧畜による自給自足を要として所有のない社会を目指すアーミッシュっぽい村で生まれ育ち、現在は村を出て一般社会に住む著者が、一般社会で知り合った夫に説明する形式で村での生活をふり返るコミックエッセイだ。具体的な団体名は書かれていないけど、私を含めて多くの人はY会を想定すると思う。

 絵や語り口は素朴でポップな感じだけど、村の生活は過酷で、それを夫さんがツッコむ形式となっている。まず、子供と大人の生活空間がはっきり分かれていて、子供は親と離れて暮らすというところでエッと思った。かわりに集団で世話係さんに育てられ、世話係さんから不条理な叱られかたをし、体罰もあたりまえ。学校に行くより労働が優先され、学校の部活は禁止。個人所有が否定されているので、一般社会の祖母から贈られた物はみんなで分けられてしまう。読む本が制限されていて漫画は禁止。

 食事は健康的な素材と調理なんだけど、1日2食で、子供はいつも腹をすかせているという、平成とは思えない暮らしをしていたという。通学路の草を食べ、料理室の塩をなめ、お地蔵さんの供えものをいただいていたとか。平成と思えないといえば、シラミがわくのでよくDDTを散布するとか。

 そんな生活でも、著者は村で生まれたのでそれが当然だと思っていて、不平不満を言ったり反抗的な態度をとったりをしても、将来ずっと村にいるものだと思っていたというのがいちばん衝撃的なところかもしれない。

 カルトらしいエピソードといえば、毎日のミーティングを通して村の思想に染まらせる話か。答もヒントも出さずに質問し、出させた答えを次々と否定して1つの方向に導くというのは、話に聞く洗脳の手法そのものだなあ。

 洗脳関連では、日記を毎日提出させて、それに大人が赤ペンを入れるというのもある。赤ペン先生がコメントや星印をつけて返すので、子供たちはたくさん星印をもらえるようになっていくという手法だという。それってSNSのいいね……

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