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「ドロファイター」全7巻

ドロファイター(1) (少年サンデーコミックス)
小学館 (2013-06-04)
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 大昔に少年マンガ雑誌で見てたマンガで「兄と妹とメカマニアの3人が、アメリカ横断キャノンボールレースに出走する」「コワモテの警官が道路マニアを無理矢理相棒にして追いかけてくる」「レースの名前が“55(ダブルニッケル)レース”」という話を思い出した。で、ググってみたら「ドロファイター」だとわかり、しかも電子書籍で販売されていたので、さっそく買って全巻を読み返してみた。インターネット便利。

 ちなみに、映画「キャノンボール」が1981年公開、本作がWikipediaによると1979〜1981年連載だから、こちらのほうが時期が早い。

 さてこのマンガでは、キャノンボールだけじゃなくて、ミゼットカーレースにドラッグレース(トップフューエル)、オフロードレース、ストックカーレースと、いかにもアメリカンなカーレースが次々と登場する。で、異父兄妹が貧乏旅をしながら転戦し、車主を見つけて出場するという設定だ。いずれも、今でも日本では知名度が低い競技だけど、1970年代にはもっと知られてなかったなあ。

 ストーリーは単純明快で、日系ながら巨漢な主人公がアメリカンドリームを夢みて、怪力と気合いと腕で豪快にピンチを切り抜けていく熱血ストーリーだ。

 あ、そうそう、作者は「赤いペガサス」「JIN-仁-」などの村上もとか氏。

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「『罪と罰』を読まない」

『罪と罰』を読まない
岸本 佐知子 三浦 しをん 吉田 篤弘 吉田 浩美
文藝春秋
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 これはタイトルを含めた企画の勝利だなあ。ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことがないと告白した、作家や翻訳家など小説にかかわる4人が、読まずにわいわいと内容を想像する対談だ。

 最初は、英語版の最初のページと最後のページを和訳したものからスタート。いろいろ話しては情報を小出しにして、文庫本から適当な1ページを読んで……というのが繰り返される趣向となっている。

 その会話が抱腹絶倒に面白い。いきなり、ロシア人の名前がわかりにくいからといって、ラスコーリニコフを「ラスコ」、ドストエフスキーを「ドスト」なんて愛称で呼ぶし。「ラズミーヒン」なんて「馬」よばわり(笑)。

 同時代である日本の江戸時代にシチュエーションをたとえて、下級武士の息子が金がなくてカツカツの暮らしとか、それなのに悪所通いしているんじゃないかとか想像したりもする。

 『罪と罰』では独り言が多いけど、そのフレーズから何をやったのかを想像していくパターンも多い。そもそも誰が殺されるのかで推測が揺れたり。「倒叙型?」「捨てキャラ?」「ひょっとしてマルチエンディング?」なんて会話がなされたり。

 そのアプローチが、まるきり作家の方法なのも興味深い。わずかな手掛りから人物造形や背景をまず想像し、そこからストーリーを組み立てようとする。まるで、自分ならこの材料からこういうストーリーを作ると言っているようだ。全体や各パートの尺から構成を想像するとことも、いかにも作家っぽい。しまいには、派手な結婚式を延々と描写してページ数を水増ししようなんて話も(笑)。書名は「『罪と罰』を読まない」じゃなくて「『罪と罰』を書く」なんじゃないかとも思う。

 でも、三浦しをんさんの暴走した想像も面白いな。津山三十人殺しみたいなストーリーになったり(笑)

 そして、最後に本当に読んでからの対談で締め括る。それまでさんざん想像してきたこともあって、人物やエピソードの面白いところを的確に分析していて、実に面白そうに語っている。カテリーナさんのはじけっぷりがいいとか、スベ(スヴィドリガイロフ)が超面白いとか。ソーニャがシベリアの教祖で、ラズミーヒンが松岡修造(ただしチャラ男)、ルージンがスティーブ・ブシェミ、刑事コロンボのモデルといわれるポルフィーリーが片岡愛之助、なんて見立ても。

 主人公のラスコ(ラスコーリニコフ)なんて、自他どちらでも苦しみに快楽を見出すマゾヒストと分析され、「いきなり帰るマン」「一人にしといてくれマン」「ちょっと抜け作マン」なんて、えらい言われよう(笑)

 と私の紹介文ではうまく伝わらないけど、いやー、この最後のパートを読むと、本当に『罪と罰』を読み返したくなるなあ。

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