本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

「ポエムに万歳!」

ポエムに万歳!
ポエムに万歳!
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小田嶋 隆
新潮社
売り上げランキング: 12,544

 誰でもネットで世の中について語れる時代だけど、小田嶋隆のコラムはあいかわらず面白いなあ。もちろんこういうのは、賛否や好き嫌い、毀誉褒貶がつきものなんだけど。いろいろ皮肉ってるんだけど毒舌というわけじゃなくて、自分の視点から書いてるんだけど自分語りじゃなくて。いろいろな材料を抽象化して改めて自分の文脈に組み上げて文章にする部分がコラムニストの腕前なのだろうと思う。

 本書は複数の連載を一冊にした本で、それぞれバラバラなテーマがそこはかとなく「日本のポエム化」という切り口にまとめられている。私は「事件は現場で起こっているのではない。それはスマホの中で起こっている」でニヤリとし、「バイク盗んだっていいじゃないか、にんげんだもの」で笑った。

「アップル帝国の正体」

アップル帝国の正体
アップル帝国の正体
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後藤 直義 森川 潤
文藝春秋
売り上げランキング: 52,179

 9月、iPhone 5s&5c発売の直前ぐらいに読んだ本だけど、今年読んだ本に関する覚え書きの棚卸しとして。

 アップル社現CEOのティム・クックは、生産工学を学び、製品のデマントからサプライまで無駄や在庫を最小にするところに手腕を発揮していると言われる。そのために世界各地の工場に影響を及ぼし買い付ける様子を植民地運営になぞらえたのが書名だ。

 そして本書では、その日本における影響力を、さまざまな取材から描いている。特に日本の工場がどのぐらいアップルの傘のもとにあるかというあたり。アップルの公式情報で関係事業所が日本で200箇所以上ということで、アップル向け製品を作る工場を全国地図にマップした「日本全国に広がる“i Factory”」という図は圧巻だ。

 具体的には、シャープの亀山工場にアップルが1000億円を出資し、シャープの人も入れないアップル専用オフィスも設けられ、アップル専用工場のようになっていたとか。ソニーはiPhoneのカメラのイメージセンサーをすべて作っているとか。工作機械のファナックの最大顧客はアップルとか。

 一方、台湾の鴻海グループについても節を設けて解説されている。

 ただし、ディスカウントに応じない会社は躊躇なく切られる。さらに、アップルの取引先は神経質なまでの秘密保持契約を結ばされる一方で、逆にアップルには工場の情報などをすべて丸裸にされるとか。

 たとえば、iPodのステンレスケースを研磨する技術で知られた燕市の小林研業では、ある日、作業のビデオ撮影が3日間入り、やがてアップルからの注文が止まった。技術がアジアに移転されたのではないかという。そのほか、小型モーターのシコーの“アップル倒産”なども。

 製造業以外でも、販売店や携帯キャリア、音楽業界などについても章が立てられている。家電量販店への卸しの統制とか、iPhoneでは販売助成金をキャリアがアップルに払うとか。あと、孫正義氏がスティーブ・ジョブズやティム・クックに直接交渉して日本でだけiPhoneをSIMロックにした話なども書かれている。

 あと、iPhone 5c発表より前に出た本なんだけど、iPhone 5cのようなプラスチックケースだと静電気により液晶パネルの不具合が起きやすい、というシャープ関係者の証言が載っていて驚いた。

「子供の情景」「遠い世界」「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」

 11月末から12月にかけて、諸星大二郎の短編集が立て続けに出てた。

 「子供の情景」と「遠い世界」は、「男たちの風景」に続く、作者自選短編集全3巻の2巻と3巻。「子供の情景」は、いろいろヤバい「子供の王国」など、子供が活動する短編が多いようだけど、そうでない短編もあり、どちらかというとパニックものがテーマかも。

 「遠い世界」は、異郷や荒野などを感じさせる作品が並んだ巻。「遠い国から」は、私が諸星作品でいちばん好きな作品で、何度読んでも飽きない。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝 (Nemuki+コミックス)
諸星大二郎
朝日新聞出版 (2013-12-06)

 「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」は、「トゥルーデおばさん」「スノウホワイト」に続く昔話再解釈もの。西洋に加えて日本や中国の話も入っていて、作者いわく「和華蘭」とか。

 「竹青」は比較的物語の結構がとれた話で、「見るなの座敷」「悪魔の煤けた相棒」はダーク側の奇妙な味の話、「シンデレラの沓」は明るい側の奇妙な味の話。「瓜子姫とアマンジャク」となると、結末があるのかないのかという夢のような作りで、そんなところが「遠い国から」にも通じるものがあると思った。

「ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア」

ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア
ジェフリー・ブラウン
辰巳出版
売り上げランキング: 3,060

 「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」に続く、絵がかわいいスターウォーズほのぼの二次創作(ルーカスフィルム公認)第2弾で、4月に出た本。今回のミッションは「愛らしい少女から反抗期のティーンエイジャーへと成長する娘のレイアを育てなければならない」ということで、原題が「VADER's little princess」。

 前巻はルーク君がかわいかったけど、今回はどっちかというと、娘に振り回されるダース・ヴェイダー卿がかわいい。ハン・ソロとの仲にやきもきしたり。中でも、小さい頃の写真と銃撃戦するレイアを見比べて「やれやれ」ってネタが一番ニヤリとした。

「Software Design」2014年1月号

 発売から半月ぐらいたってるけど、通読メモ。

 新年号ということで、去年に続いて電電宮の「情報安全護符」ステッカーが綴じ込み付録になっていた。

 第1特集が「あなたの好きなシェルは何ですか?」。タイトルだけ見て、最初fishとかが出る系かと誤解したけど、実際は真っ当なシェル入門解説。シェルの種類から、リダイレクト、組み込みコマンド、制御構文など、Unix系OSの入門者はおさえておきたいあたりを説明している。まあ、zshでないと文法エラーになるサンプルがあるとか、IFSのサンプルがIFSと関係ないとかはご愛嬌。

 第2特集が、「10ギガビットを実現するケーブリング技術」。イーサネットとFCのそれぞれの10G規格に始まり、10GBASE-Tを長期運用するための選択や敷設のノウハウ、ラックでの整理や給排気を考えたケーブルマネジメントときて、最後に著者の会社がこだわって開発したRJ-45コネクタ「Z-MAX」の紹介。ちょうど、自宅ラック連載も、ケーブリングについての話だった。

 1ページ連載が2つ新登場。小飼弾氏の「SDでSF」は、SF作品を紹介するコラムで、第1回は川原礫「ソードアート・オンライン」。もう一本が、くつなりょうすけ氏によるLinuxマンガ連載「ひみつのLinux通信」で、第1回のネタは「OOM killer」。

 Debian連載が、init系システムの変更に関する議論とそれにまつわる難しい問題、標準インストールデスクトップ環境に関する議論とそれにまつわるsystem問題、台湾MiniDebConfのレポート、パッケージ作成のチュートリアルについて。Ubuntu連載が、Ubuntu 13.10の日本語入力設定を助けるim-setup-helperと、そのためのzenityおよびkdialogによる実装について。レッドハット連載が、OpenStack開発へのコミットと、新卒入社について。FreeBSD連載がtopねたの続きで、カーネルプロセスやカーネルスレッド、I/Oモードの表示について。

 カーネル観光ガイド連載が、トレースツールktapの紹介。ハイパーバイザ連載が、IOMMUの実装であるVT-dの詳細について。

 サーバ計測連載が、MySQLのベンチマークとしてmysqlslapとSysBench、tpcc-mysqlの紹介。セキュリティ連載が、贅沢ふせん事件にからめて、TLS/SSLの問題として、共有鍵の選択の問題、デジタル証明書の信頼性の問題、TLS/SSLでは解決できない問題などについて。Riak連載が、Riak CS内部話の続きで、GCとアクセス履歴、セカンダリインデックス。IPv6連載が最終回で、外部ネットワークからIPv6接続を確認する方法。特別企画『魔法少女リリカルなのはINNOCENTの舞台裏(後編)」は、前半が開発をリーンにする体制やデプロイ・テスト・品質保証などについて、後半がIDCフロンティアによる高トラフィックをさばくためのストレージやネットワークの解説。

 iPhone開発入門連載が、画面長押しで時計を出す機能の実装など。Android開発連載が、2013年版入門の続きで、プリファレンスやSQLiteでのデータ管理について。

 ほか、デジタルガジェット連載が映像プログラミング環境。結城浩氏の連載がコンピュータと実社会の「Critical Section」について。enchant連載が、ミニ四駆の前田氏との出会いから前田ブロックへ。キーボード連載が、キータッチのよいメンブレンキボードの富士通Libertouch。はんだづけカフェ連載が、Maker Faire Tokyo 2013。ITむかしばなし連載がFM-7で、YAMAUCHIコマンドなども。Hack for Japan連載が、石巻ハッカソンの続きで、「チャレンジング部門」「どや部門」の紹介と、成果発表。

「キリン The Happy Ridder Speedway」6巻

 バイク版マカロニウェスタンの新作。1巻まるまる、処刑人キリンのカタナが走りまくり! 三味線を弾いているのだけど、そのぶんドリフトなど派手めの走りも。相手がポルシェで、そこは「Point of No Return」編っぽいね。

「風雲児たち 幕末編」23巻

風雲児たち 幕末編 23 (SPコミックス)
みなもと 太郎
リイド社 (2013-12-26)

 この巻では遣米使節団のあたり。勝海舟、小栗忠順、福沢諭吉のそれぞれの行動や考えなどを並行して描いている。ジョン万次郎の貢献も語りつつ、トミー旋風でドタバタと進行。南北戦争直前の背景なども。

 一方日本では、和宮降嫁で岩倉具視で暗躍。帰国した勝海舟と福沢諭吉は、それぞれ急に大物然としてきた。

「達人伝」3巻、「蒼天航路」、「泣き虫弱虫諸葛孔明」第壱〜参部

 王欣太の「達人伝」の3巻が11月末に出たので読んだ。登場する“達人”は、白起、孟嘗君と来て、あの商人が登場。そういうストーリーになるんだろうか。

 カバーの袖に書かれていた著者の言葉によると、老荘思想を漫画にするということと、「三国志」と格闘していたときに感じたアウトサイダーの気配が、「達人伝」で考えていることだとか。

蒼天航路(1) (講談社漫画文庫)
王 欣太
講談社
売り上げランキング: 364,592

 そんなこんなで、12月に「蒼天航路」を一気に読み返してみた。一気に読むのは初めてだけど、こう見てみると、曹操を理づめで英雄として描くのではなく、なんというか、名づけがたいいろいろな要素を全部ひっくるめて曹操として描いているんだなと。それは劉備についても同じくだし、くっきりと描かれた各キャラについても。

 で、やっぱり諸葛孔明の扱いはヘンだ(笑)。Wikipediaで引用されている作者の言葉によると「違和感全てを持ってきたキャラクター」だそうで、もともとの記述がヘンなうえに矛盾しているのを、意図的にさらにブーストしているのだと思う。蜀攻略のあたりでも、なにげにヘンな扱いだし(笑)。

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)
酒見 賢一
文藝春秋
売り上げランキング: 120,803

 「蒼天航路」が諸葛孔明のヘンさをミステリアスなほうにブーストしているのと同じように、それをギャグ方向にブーストしているのが「泣き虫弱虫諸葛孔明」で、これも最近読んだ。講釈調で、陳寿の正史(本書では「三國志」)と裴松之の注、羅貫中の「三国志演義」(本書では「三国志」)、さらにそのほかの伝説やら現代の作品やらを比較してみせ、おかしなところや矛盾しているところなどにツッコミを入れながら、むしろおかしい方向に話をもっていっている。役にたっているんだかいないんだかわからない孔明とか、存在しない敵に火計というか野焼きとか、何がどうなってるんだ長坂坡とか、唐突に脈絡なく出てくる「連環の計には美女2人が必要でしょう」というセリフとか。第壱部文庫版の解説で、シュレーディンガーの物語と書かれてるけど、なるほど。

 あと、見立てやパロディも笑える。三顧の礼はミュージカルとか、呉は広島弁でしゃべる仁義なき連合とか(呉だけに)、下ネタオヤジの簡雍とか(だいたい合ってる)、弟の均君のキャラとか。ところどころはさみこまれるアニメやマンガのパロディ小ネタなども。さらには、「三国志演義」英語版の「Romance of the Three Kingdoms」の解説がまるきり西部劇で笑った(実在するの?)。

 しかし、周瑜は「泣き虫弱虫諸葛孔明」でも「蒼天航路」でも正統的ヒーローだなあ。

「王様達のヴァイキング」2巻

王様達のヴァイキング 2 (ビッグコミックス)
さだやす 深見 真
小学館 (2013-09-30)

 1巻を電子版で読んだので、2巻も電子版が出るのを待って読んだ。面白いけど、ギーク度は1巻に比べると少し低め。ストリートコンピューティングなつかしい。

定吉七番シリーズ

 「47RONIN」という映画の広告を目にしていたら、なぜか定吉七番セブンシリーズを思い出した。で、さすがに今は売ってないだろうなと思ったら、電子書籍で全巻が売られてたので、順番に買って読んでしまった。おそるべし。

 定吉七番シリーズというのは1980年代に東郷隆が書いた荒唐無稽なドタバタアクションギャグ小説。007シリーズのパロディを、大阪の“殺人許可証を持つ丁稚”を主人公として繰り広げた物語だ。冷戦時代の東西対立を関東と関西に置きかえて、敵の組織の名前が「NATTO」という、まあそういうノリ。

 007シリーズやそれ以外のけっこう細かいパロディとか、散りばめられているミリタリーネタを中心とするうんちくペダントリーとかも特徴だ。安永航一郎のマンガとかゲームとかにもなったので、それで知ってる人もいるかも。今年になって25年ぶりの新作「定吉七番の復活」が出てたけど、私はこれは初読。

 読み返してみると、ああ1980年代だなあと。あの頃のサーファーとか女子大生とかブランド品ブームとかを皮肉ってるのだけど、その視点や気取り方自体も昭和っぽいというか、なつかしい。それは必ずしも否定的な意味じゃなくて、私は笑いながら楽しんだのだけど、40才以上でないとわけがわからないかも。あと、改めて、食い物ネタが多いなあと思った。

定吉七は丁稚の番号 定吉七番シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-08-16)
売り上げランキング: 27,572

 「定吉セブンは丁稚の番号」が第1作で、「ドクター・不好プー・ハオ」と「オクトパシー・タコ焼娘」の2作を収録。後の作品から比べるとこれでもおとなしめ。

ロッポンギから愛をこめて 定吉七番シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-08-16)
売り上げランキング: 28,056

 続く「ロッポンギから愛をこめて」は、ブルートレインを舞台に元ネタのアレがアレになるのねとか。このへんでフォーマットができた感じ。

角のロワイヤル 定吉七番シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-08-16)
売り上げランキング: 28,411

 「角のロワイヤル」は、なぜか話の何割かがフランス人の老テロリストの描写になっている異色作。銃撃戦も多く、シリアスな国際サスペンスを書きたかったのかなと。でもギャグシーンではさらにドタバタ度アップ。

ゴールドういろう 定吉七番シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-08-16)
売り上げランキング: 29,369

 「ゴールドういろう」は、今回読んだ中で、パロディ面でもギャグ面でも一番ノッて読めた。

太閤殿下の定吉七番 定吉七番シリーズ (講談社文庫)
講談社 (2013-08-16)
売り上げランキング: 27,655

 「太閤殿下の定吉七番セブン」は、2編を収録。「秀吉の黄金」は、さらにドタバタギャグ色が増した感じ。「真昼の温泉」は、題名どおり、西部劇路線。

定吉七番の復活
定吉七番の復活
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講談社 (2013-05-24)
売り上げランキング: 27,584

 「定吉七番セブンの復活」は、定吉七番が文字どおり復活する話。これもドタバタギャグ色が強い路線だけど、冷戦終了とかボスが女性とかのネタは007を踏襲。ハイディ強すぎw

「Software Design」2013年12月号

 もうすぐ次の号が出る時期だけど、ようやく通読したのでメモ。

 第1特集が「SDN/OpenFlowで幸せになれますか?」。今年ぐらいのSDNまわりのトピックとして、NFV(ネットワーク機能の仮想化)やOpenDaylightあたりが中心に取り上げられていて、9月のイベントSDN Japanあたりとネタも人も共通している感じ。OpenDaylightの入門記事って日本の雑誌では初めてかも。ほか、あきみち氏による「マスタリングTCP/IP OpenFlow編」執筆の内幕なども。イラストの飛行機は、“コントロールプレーン”とかの“プレーン”にかけてるのかな。

 第2特集「エンジニアの伝わる図解術」は、説明する前の思考や、すでにある文章を、図にして構造づけする話。

 新連載「サーバマシンの測り方」が登場。今回は、I/Oレイテンシーをiopingやfioで計測する話。一方、シェルスクリプト連載が最終回で、cronでの実行について。

 単発記事「LinuxとFreeBSDのファイルシステムの良い・悪いところをご存じですか?」は、FreeBSDのUFS系ファイルシステムのSoft updatesについての解説。カーネル系の記事では、Linuxカーネル観光ガイド連載が、Linux 3.12の新機能として、btrfsの重複排除と、Device Mapperの統計情報について。ハイパーバイザの作り方連載が、PCIとPCIパススルーのあたり。

 Debian連載が、GSoCでのDebianの成果の紹介と、Debian 8の予定の話、DebianサーバーのCDNやミラーの話。Ubuntu連載が、ALSAのデバイス〜カーネルスペース〜ユーザーランドにまたがる構造について。レッドハット連載が、認定資格プログラムについて。FreeBSD連載が、topの上部に表示される情報の見方。

 単発記事「iOS 7アプリの魅力はどうやって引き出すのか」は、iOS 7で変わったUIまわりの新機能のあたりを開発・デザインの視点から紹介。ほか、iOS開発連載が、イメージを動かしてアニメーションさせるところ。Android開発連載が、2013年版Androidアプリ開発入門の続きで、インテントで音声入力・認識を呼び出す例。

 単発記事「未来を見透すヘッドマウントディスプレイ」は、ヘッドマウントディスプレイ「Mirama」とFeeBSDベースの専用OSについて。ガジエット系では、「DIGITAL GADGET」連載が、クラウドファンディングとそこに出た製品について。キーボード連載が、キーボードやマウスをBluetooth化させるKVMスイッチ。はんだづけカフェ連載が、Arduino地元イタリアでのMaker Faire Rome。

 そのほか、セキュリティ連載は、wp-login.phpへのアクセスやsshポートへの接続などのログから「攻撃は日常的に発生している」と説明。Riak連載が、Riak CSの構造の解説。結城浩氏の連載が、ランダムサンプリング。enchant連載が、9leapコンテスト。ITむかしばなし連載が、Apple III・PC-100・Lisa・MZ-2861・BeOS・3DO REAL・ピピンアットマークという、早すぎた製品の話。Hack for Japan連載が、第2回石巻ハッカソンと、その中で開かれた中高生向け「IT Boot Camp部門」のレポート。

「日経Linux」2014年1月号

 この号の執筆に参加したので、報告と宣伝を。

 特集1「最強ソフト47」の執筆に参加しました。定番企画のLinux用ソフトウェア特集なのですが、今回はそのソフトの使いどころなどを重視し、ソフトごとに複数の「イチオシ機能」を解説するという路線でした。

 私は、自分的になくてはならないソフトとして、ゴミ箱操作の「trash-cli」、画像処理の「ImageMagick」、日本語テキストdiffの「DocDiff」、日本語形態素解析の「MeCab」を、実際の利用例を中心に紹介しました。また、注目のソフトとして、構成管理ツールの「Ansible」と、コンテナ仮想化の「Docker」を紹介しました。

 Dockerネタを出したら、ちょうど編集さん的にも来てるところだったらしく、ITproのコラム「記者の眼」でも「クラウド時代の“Run Anywhere”」として雑誌記事の紹介をまじえてプッシュしていただき、さらにTechCrunch Japanでも記事への言及が。なんかそういうタイミングなんでしょうか。ちなみに、Fedora 19へのインストール方法として誌面ではサードパーティリポジトリを紹介しましたが、その後、FedoraやEPELのプロジェクトでもリポジトリが登場しています。

 この特集では私以外のかたもソフトをいろいろ紹介。ネットの一部ではmikutterやxmonadが取り上げられているのが話題に上ったようですね。私の知らなかったソフトでは、SmartShineやXJP2などもありました。

 自分関係はそのぐらいにして、以下、通読メモ。

 特集3が「Raspberry Piで遊び倒す」で、RasPiによる電子工作ネタ。Part 1が、新発売の赤外線カメラで夜間監視する話で、RTCの追加やそのTIPSなども。Part 2が、17個のGPIOでLEDキューブを作る話。Part 3がUSBカメラと顔認識ソフトを使って、“モジモジと距離を保ちながら”近づいてくる自走ロボット。Part 4が、RasPiを4台並べてParallel Pythonで分散計算する話。

 特集2は「WindowユーザーでもLinuxが好きになるメソッド45」で、Ubuntuの操作に関する45のTIPS集。それ系では、「Windows XPをLinuxに移行」連載が最終ステップで、WineやVirtualBoxでWindowsアプリを動かす方法について。「WindowsユーザーのためのLinux超入門」が、NetworkManagerの設定と、ネットワーク共有やデュアルブートでのファイルのやりとりについて。

 Matz氏の連載は、DSLについて。Makeやant、Rakeあたりを例に、外部DSLと内部DSLの長所と短所などもまじえて解説。ちなみに巻末の「ライターから」では、mrubyについて「1.0をリリースしようかと考えています」との言葉も。

 中井悦司氏のサーバー自動化連載は、今回はGit。PuppetのマニフェストをGitで管理して、ブランチを切ったりタグを打ったり。

 旧型PC+Linuxディストリビューションの連載が、初代Kindle Fire HDにLinux on UbuntuでchrootのUbuntuを入れる話。亀澤氏のカーネル連載が、NUMAの続きで、cgroupsのcpusetや、それを自動調整するnumadについて。Treasure Data Platformによるビッグデータ連載が、HiveやPigによる集計。

 ほか、メイドさん向けAndroid開発連載が、回数で画面を変える処理。コミュニティ訪問連載が、日本PostgreSQLユーザ会。LibreOfficeマクロ連載が、さまざまなイベントのハンドリングとダイアログについて。LPIC連載が、killallやnice、reniceのあたり。

 忘れちゃいけない、「#!シス管系女子 Season 2」が、cronからscpやsshするときの鍵の扱いのあたり。進撃の巨人ネタもw

「クラウドマネジメントツール勉強会 第2回」に行ってきた

 オープンクラウドキャンパス/クラウド運用管理研究会が主催する「クラウドマネジメントツール勉強会 第2回」に行ってきました。

 今回は、ChefやAnsibleのような構成管理ツールから、ScalrやSerf、Juju + MAASのようなクラウドマネジメントツールまでの発表がありました。特にOpenStackとからめながら、それらの入門的な話が中心で、どれがどの領域をカバーしているのかなどについて私のような素人が知るのにちょうどよかったと思います。

 以下、メモほぼそのまま。

挨拶、CUPA&クラウド運用管理研究会紹介(CUPA 荒井さん)

  • 一般社団法人クラウド利用促進機構の紹介
    • ユーザ会いろいろ
  • クラウドマネジメントツール
  • 構成管理ツール

Juju + MaaS + Landscape(Canonical 松本さん)

  • CanonicalでUbuntuのプリセールス
  • Canonical
    • コンサル、ソリューションのサポート
    • まだ東京オフィスない
    • メンバー募集中
  • DevOps
    • 反復作業
    • dev・test・run
      • 間でhandoverが発生
      • プラットフォームが違う
  • Juju
    • 触ったことある人 →いないw(emasaka注:実は試した程度ならある)
    • パブリッククラウドでやってみるのが簡単
    • 構成が決まればコマンド一発で
    • サービスオーケストレーションツール
  • エコシステムがけっこう充実
    • OpenStack SummitでMark Shuttleworthがプレゼン
      • OpenStackには選択肢があって組みあわせになる
      • 検証ラボを立ちあげ
  • Charm
    • サービスをデプロイする
    • どんな言語でも
  • Web GUIでドラッグ&ドロップ
  • Juju側でインテグレーション
  • コマンドラインも
  • MAAS
    • 物理マシンのプロビジョニング
    • 物理サーバーのひとつ上にAPI
  • Juju & MAASでできること
    • MAASでOSのレイヤーをプロビジョニング
    • その上でJujuでOpenStackをデプロイ
  • juju bundle:必要な組み合わせや設定をまとめて一度にデプロイするもの
  • 複数のマシンからなるOpenStack環境を一発で
    • 14台の物理マシンの例
  • OpenStack以外のjuju bundleも
    • WordPressなど
  • Q: Jujuの対象
    • A: OpenStackをデプロイする人
  • Q: 限られるのでは。クラウドサービスプロバイダーのユーザーに使わせるとか
    • A: それはサービスプロバイダーの関係で。もともとはEC2上のデプロイ用に始まった
  • landscape
    • 管理ツール
      • 監視
      • パッケージ管理

自動構築フレームワークChefについて話そう!(日立ソリューションズ 喜納さん)

  • システム構築における課題
    • 大規模クラウド基盤の構築
    • 単調な作業の暮り返し、待ち時間
      • 人手ではミスの元
    • 自動化
  • Chef
    • システム自動構築のフレームワーク
    • コードで表現して管理する
      • 手順書ではない
    • 処理ではなく状態を書く
      • 複数サーバーの構成を集約できる
  • 導入効果
    • 自動構築によるコスト削減
    • 設定変更の自動化による運用コスト削減
    • オペレーションの可視化(セキュリティ、コンプライアンス)
  • ユーザー
    • クラウドサービスが多い
  • アーキテクチャ
    • レシピとプログラムを各マシンに配置して構築
    • クライアントサーバー:Chefサーバーでレシピを一括管理
    • スタンドアロン(CHef Solo)
  • レシピ
    • RubyのDSL
    • 環境の状態と比較して、状態が違うものだけ実行
  • プラットフォーム
    • Linux系
    • 最近はWindowsも
  • OSのインストールなどは対象外
    • そのへんはネットブート + Kicksartなど
      • Chefのインストールも
  • Chefのインストール
    • Omnibusインストーラ
      • コマンド3つ
      • /opt下
  • 今年のChefをふり返る
  • 2月
    • Chef 11
      • 内部も大幅に変更
    • Facebookが採用
    • AWSがOpsWorks
  • 3月
    • 書籍「入門Chef Solo」で、Chefという言葉がよく聞かれるように
  • 8月
    • Enterprise Chef ←Private ChefとHosted Chef
  • メールの流量:コンスタントに
    • できごとの少し後に盛り上がる?
  • Ohloh(OSSプロジェクトの活動状況統計)
    • Chefはvery active
    • コード量:増加。Chef 11でリファクタリングされていちど減る?

Scalr (IDCフロンティア 梶川さん)

  • Scalr
    • マルチクラウド管理ツール
    • デザイン、プロビジョニング、運用
    • RightScale、Enstratius(enStratus)あたり
    • パブリッククラウド、プライベートクラウド
  • 詳しいことは第1回の資料で
  • ホステット版は30日フリー
  • OSS版のインストール
    • ちょっと前は公式サイトにも説明があまりなかった
      • 今はWikiに
    • CentOS 6.4 + EPEL + REMI
      • PHP 5.4以降が推奨されるためREMI
    • ほぼPHP、cronでキックされるものがPython
    • Apahe httpd
      • HTTPSで
    • rrdtool
      • rrdacheを使うので新しめのものを(ここではソースから)
    • セットアップ用pythonスクリプトを実行するとrpmが
    • IDCFクラウドのエンドポイント設定が間違っているので修正
    • YAMLで設定(4.4ぐらいから)
      • PHPによる設定ファイルにも書くところがあるので注意
    • DNSの管理:bindで
    • Webの設定→MySQL→cronから呼ばれるツールが実際の処理
    • Shared Role:テンプレート
      • 4.4からはホワイトリストの登録が必要
    • adminでログインしてユーザー作成
    • あとはいつものScalr
      • ホステット版のほうがインプリ先
    • Connection Endpointは無理
    • IDCFクラウドでは同じアカウントで同じDCの管理はできない
  • Q: ホワイトリスト詳しく
    • A: IDを登録
  • Q: テンプレートとは
    • A: 各サービスのテンプレート

Serf (at+link 前佛さん)

  • スライド96枚を10分でw
  • Serf
    • 汎用オーケストレーションツール
    • 簡単
  • やった
    • serf-wall:wallコマンドで通知
    • serf-raspi-notice
    • serf-munin
  • 農業の自動化?
  • 背景
    • Immutable Infrastracture
  • イベントハンドラ
    • 4種類だけ。楽
  • バイナリ1個。軽量
  • membership
    • ノード間で通信するとき
    • joinして認識
    • ノードのダウンも認識
  • serf-wall
    • wallコマンドを発行
    • ニセshutdown
  • serf-raspi-notice
    • ネットワークにつないだときに通知
  • serf-munin
    • Serfでmunin設定を生成
    • サーバーがぽこぽこ増えたとき

Ansible QuickStart (IIJ 斎藤さん)

  • Ansible
    • Python製
    • まとまった作業を自動化(Chef、Puppet…といっしょ)
    • push型でエージェントレス
      • 操作対象にエージェントを入れなくてはならいことはほぼない
      • ここがいちばん重要
    • 歴史が浅いぶん、小さい
      • 自分で手を入れやすい
    • 日本語のまとまった資料はない
      • まとまった資料は英語でもあまりない
  • 手順ベースの自動化ツールのひとつ
  • Capistranoぐらいの手軽さ
  • パラレルsshに羃等性がついたぐらいのところから
  • module
    • 言語は問わない
  • playbook
    • moduleを集めて仕事をさせる
    • Chefでいうcookbook
    • YAML形式
  • plugin
    • moduleが成功したときのnotifyなど
  • inventory
    • hosts
  • Ubuntu 12.04 ltsで
    • パッケージだとAnsible 1.1
      • OpenStackのモジュールが入っていない
    • pipで(virtualenv環境に)
  • インベントリファイルを作成
  • pingモジュールで動作確認
  • setupモジュールでサーバー環境を取得
    • 環境変数に
    • yumとaptの違いを分ける、などのとき
  • APIも
    • PythonコードでAnsibleを使うことも
    • serverspecみたいなのを誰か作らないかな
  • 仕組み
    • Pythonコードを生成してscpで送り込んで実行
      • 最後に削除
    • SELinuxの操作など、設定先にライブラリが必要な場合も
    • スイッチの設定などPython処理系を持たない場合
      • ローカルでPythonスクリプトを実行してリモートを操作
  • Ansible 1.3のOpenStackモジュールはだいぶ中をいじらないと使えなかった
  • Packagingモジュールではpipやvirtualenvにも対応
  • Q: 実行順序は?
  • A: 書いた順
  • Q: クライアントの負荷は?
  • A: それほど。モジュールしだい
  • Q: 台数が増えるとクライアントの負荷が増える?
  • A: はい

Chefが社内で浸透するまで+今後の目標(サイバーエージェント 長谷部さん)

  • Chefはお腹いっぱいですよね?
  • プライベートクラウド開発の話に
  • 背景
    • 複数DC点在
    • 物理サーバーでサービス→提供リードタイム
  • 1つのDCに統一してプライベートクラウドに
  • 2013年2月リリース
  • 設計からOpenStack前提で考えた
  • 自作ツールも並行して開発、そちらに切りかえ
    • プライベート管理システム「Clover」
  • Cloverの特徴
    • シンプル
      • libvirtが動いていればエージェントレス
      • 自社要件の機能のみ実装
    • デフォルトIPv6
      • 1VLAN内のIPアドレス数制限
      • RAでアドレスを配布
    • 毎回OSインストール
      • 統合イメージ置き場を必要としない
      • kickstartで管理
    • 物理サーバーと仮想サーバー
      • kickstartで
      • PXEブート
  • アーキテクチャ
    • Python
    • Django
    • libivirt、PostgreSQL、bind、dhcpd…
    • KVM限定
    • WebとRESTのインターフェイス
  • PXEブートしたインストールイメージからohaiを実行して情報を取得しCloverに登録
  • ラックのスイッチ接続ルールでサーバーを対応
  • 課題
    • すべてサーバー1台、蜜結合
    • UI
  • AWS、OpenStack、CloudStackなど、開発速すぎ
    • Cloverを開発した当時はOpenStackはまだ
  • 今後
    • 最終的にはPaaS/SaaS機能の開発にシフト
    • キーワード:
      • OpsWorks、RDS、統合管理…
      • Docker
  • オープンソースで公開する予定

「續 さすらいエマノン」

續 さすらいエマノン (リュウコミックス)
鶴田 謙二 梶尾 真治
徳間書店 (2013-11-30)

 鶴田謙二氏によるエマノンのコミック化シリーズ新作。エマノンが熊本で学究肌の男性と暮らすエピソードが、土地の風景やエマノンの夢をまじえて絵で描写されていて、いい。行きつく先はアレなのだけど、最後もいいね。

 実は私は、原作を「おもいでエマノン」ぐらいしか読んでないんだけど、オビによるとこれから徳間文庫でいままでのシリーズ作品の新装版が連続刊行されるとか。こっちも期待。

おもいでエマノン: 〈新装版〉 (徳間文庫 か 7-4)
梶尾真治
徳間書店 (2013-12-06)
売り上げランキング: 6,923

 しかし、気付いてみると、「妹先生 渚」から二作連続で、熊本+美少(?)女+風景+しみじみエピソードのマンガについてブログに書いたな。作風は違うけど。

「妹先生 渚」4巻

 ニュースにもなった芦北伽哩街道コラボの話が登場。料理する渚もいいねぇ。しかし村枝先生、カレーをスパイスから自作しているとは。

 そのほか、学校だけじゃなくて町のいろいろな人情エピソードが出てくるのが、より光路郎っぽくなってきた。床屋の息子ってのは自身を重ねてるのかな。あと、野球小僧やマックスウェルさんも登場。学校関係でも、千代金がキャラ立ってる。ほかの1年生もぼちぼちと。

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