本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

「日経Linux」2013年3月号

 Fedora 18の特別企画が、主にsystemdとfirewalldを中心に解説していて参考になる。特にsystemdは、RHELやほかのディストリビューションにも影響があるので、Fedora以外を使う人もチェックしておくとよいのでは。それにしてもsystemdは機能が巨大化してるなあ。

 Samba 4の特別企画も。主にAD DC機能について、概要やgetting startedな解説を、図をまじえて掲載している。

 特集1が「Linuxカーネルだからできること」。初学者向けの四コママンガや、おなじみカーネルビルド方法はもちろん、BIOSの設定やECCの情報の読み出し、ソフトウェアRAID、netfilterを設定するipsetなども解説していて面白い。ただ、タイトルなどの切り口と内容とが違う方向を向いているように見えるのはもったいない感じもする。

 特集2が「5大定番ソフト徹底活用法」。LibreOffice、GIMP、VirtualBox、Firefox、Rythmboxの活用Tipsをビジュアルで紹介している。

 特集3が「初めてのRaspberry Piでモノ作り」。GPIO+LED、小型LCDディスプレイへの表示、時計+タイマーとステップアップしながら工作していく。PCっぽいやりかたができるのは便利だなあ。

 Androidアプリ連載が新シリーズになって、Processingで電子アートを作る連載が開始した。「Linuxサーバーの基礎原理」連載は、メモリが不足してきたときの、ディスクキャッシュやスワップ、OOM Killerの発動を観察する話。mruby連載は、拡張機能のためのmruby C APIや、それを組み込むためのmrbgemのあたりについて。

 特別企画「電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」完全利用法」は、Linux PCを母艦としてさまざまな形式の電子書籍を送り込んで読む方法の解説。

 そのほか、OSS開発者インタビューがPostgreSQLの石井達夫氏。NDK連載は、CPU固有の機能を使うために実行時にCPU機能を判別するcpu-featuresライブラリ。LPIC連載は、ランレベルまわりのCentOSとUbuntuでの違いのあたり。旧型PC復活連載は、ThinkPad X41+無線LANカード+Mageia 2。特選フリーソフトがFreeFileSync。美女Linux連載がmount。あと、「#!シス管系女子」は、sort、uniq、head、tailといったフィルタ系コマンドを解説。

「無限の住人」30巻

無限の住人(30) <完> (アフタヌーンKC)
沙村 広明
講談社 (2013-02-22)

 ついに完結。このとっちらかった状況の中、誰が生き残るか、というのが気になるところだったわけだけど、いろいろな因縁も含めてきっちり収束させたと思う。後日話であの人が生きていたのはサプライズだけど。しかし槇絵最強やな。

「闘う物理学者!」

闘う物理学者! (中公文庫)
竹内 薫
中央公論新社 (2012-08-23)
売り上げランキング: 240,554

 物理学者のショート伝記集。ミニ講義の内容を書籍にまとめたということで、一般向けに、ときには下世話に物理学者の人物像を紹介している。社会との軋轢のところも興味深いけど、論争とか性格の違いとかを特に面白く読んだ。

 また、本文に加えて「ちょっと長めのエピローグ」で、ノーベル賞を風刺するようなことを書いている。ヒッグス粒子のノーベル賞は誰の手にとか、ヒッグスの名前が付いている理由とか、やや下世話に興味深い。

 以下、各章3行縛りでメモ。これだけ見ても面白くないので、興味を持った人は書籍をどうぞ。

  • ファインマン vs. ゲルマン
    • フレンドリーで文章が上手くないファインマンは、口述筆記してベストセラーになった
    • 生真面目で洗練された文章を書くゲルマンは、一般人には難しいことを書いてベストセラーにならなかった
    • 「クォーク」「アップ」「ダウン」「チャーム」「ストレジ」はゲルマンのネーミング
  • ガリレオ vs. ローマ法王
    • ガリレオは「それでも地球は周っている」と言っていない
    • ローマ法王ウルバヌス8世や何人かの枢機卿に支持を受けていた
    • 政治的に追いつめられた法王のパフォーマンス
  • アインシュタイン vs. ボーア
    • アインシュタインやシュレーディンガーらは「実在論」
    • ボーアやハイゼルベルグ、ボルンらは「実証論」
    • 「シュレーディンガーの猫」は、実証論への反論
  • ノーベル賞 vs. フランクリンメダル
    • ノーベル賞は三名まで限定、選考も保守的
    • 希少価値のビジネスモデル?
    • フランクリンメダルとノーベル賞の重複受賞者は多い
  • ボーム vs. アメリカ「帝国」
    • 博士論文が軍事機密に、赤狩りで国外追放
    • 「波 or 粒子」でなく「波 and 粒子」
    • 場かポテンシャルか
  • ランダウ vs. スターリン
    • エネルギー保存の法則とエンゲルス
    • 同僚が「彼ならこの問題を解ける」と言って釈放されたら、本当に解いてノーベル賞
    • 「自動車事故」により脳に損傷を受けた晩年
  • マリー・キュリー vs. 差別
    • オブセッション的に追求するタイプ
    • 研究対象とも、性差別とも、外国人差別とも闘う
    • 恋人との手紙は「放射能に汚染されている」として1990年代まで公開されなかった
  • 湯川秀樹 vs. 朝永振一郎
    • 湯川の先行する業績を見て焦りふさぎこむ朝永
    • 科学エッセイの朝永と、詩人タイプの湯川?
    • 複雑な「くりこみ理論」と、結果としては単純な「中間子」?
  • ホーキング vs. ペンローズ
    • 物理学上の“賭け”に負け続けるホーキング
    • トイレットペーパーの柄に図形を使われて訴えたペンローズ
    • 実証論で無神論のホーキングと、実在論のペンローズ

「Q.E.D.」44巻、「C.M.B.」22巻

 ミステリーコミック「Q.E.D.」と「C.M.B.」が同時発売。44巻と22巻ということで、カバー袖の作者コメントはそれぞれそれをネタにした話に。以下、ネタバレしないように注意しているつもりだけど、念のためご注意を。

 「Q.E.D.」は「チューバと墓」と「Question!」の2編を収録。「チューバと墓」は毎度おなじみ探偵同好会が事件に巻き込まれる話。犯人の最後の言葉は、事件と人生のダブルミーニング。あと、塔馬君のスマホは初登場かな。

 「Question!」は、離婚しようとする複数の家族と塔馬君が謎の別荘に招待される話。そこにフェルマーの定理の話がからんできて、その出し方がやや強引なんだけど、そのことも含めて結末ですべて1つに。

失敗も私の人生なんだ

 「C.M.B.」は「夏期補修授業」「ガラスの楽園」「螺旋の骨董品店」の3編。まん中の「ガラスの楽園」は前後編からなる長めの話。ガラパゴス諸島を訪れたチャールズ・ダーウィンに起きた(架空の)事件と、現代の森羅君が依頼された事件を、ガラパゴス諸島の自然保護をまじえて描く。ミステリを否定するような結末を進化論に結びつけた料理法が、なるほど。

 「夏期補修授業」は同級生もので、ソーラーカーと水泳部と軽音部と強圧的な教師の話。青春だなぁ。「螺旋の骨董品店」は螺旋構造の骨董品店の半密室殺人で、博物ネタはアンモナイト。

「誰が音楽を殺したか?」

誰が音楽を殺したか?
ダイヤモンド社 (2013-01-28)
売り上げランキング: 23

 「週刊ダイヤモンド」の特集記事が電子書籍にまとめられたもの。しばしば語られるような、主に国内の音楽産業、特にCDが壊滅的な状態になっている状況を、データや取材から分析している。最終節はSpotifyの話に。

 という本論はさておき、自分としては、若い作曲家の一人に取材した話が興味深かった。中島美嘉をはじめオリコントップ10入りの曲を多数作っても食っていけないとか、食うためにはパチンコ向けなどの楽曲を乱発することになるとか、あるいは芸能事務所からそんな感じで注文が来るんだなとか。

「100円のコーラを1000円で売る方法」

100円のコーラを1000円で売る方法
永井 孝尚
中経出版
売り上げランキング: 772

 Kindleのセールで購入。ライトノベル風の架空のケーススタディで、商品開発を中心とするマーケティングでの(著者の)セオリーをライトに解説する本。特に、カスタマー・マイオピア(目の前の顧客の要求に近視眼的に応えてしまう状態)を戒めている。書名はインパクトがあって面白いけど、まあ本筋ではない。巻末に文献リスト。

 とりあえずメモ。

  • 顧客満足 = 顧客が感じた価値 - 事前期待値
  • マーケットリーダーとマーケットチャレンジャーのやり方の違い
    • コストリーダーシップ
    • Yaho! ADSLの場合は、マーケットチャレンジャーの立場ではなく新規マーケット
  • バリュープロポジション = 顧客が望んでいる + 競合他者が提供できない + 自社が提供できる
  • キシリトールガム:虫歯になる前の人を顧客に取り込む
  • コンセプトから、明日から何をすればいいかの戦略につなげる
  • 自社で販売するのは難しい → 流通チャネル
  • 差別化ポイントが重なっていない部分で協業
  • 値引きには他の顧客の納得感が必要
    • EDLP:値引きというより最低価格の保証
  • プロダクトセリングとバリューセリング。ケースバイケース
  • 失敗するマーケティングコミュニケーション
    • ターゲットとのミスマッチ
    • コミュニケーションの一貫性があるか
    • 省エネルック:話題性が普及につながらなかった例
  • リスク重視型の見込み客とリスク歓迎型の見込み客
    • キャズム
    • アーリーアダプターの客への売り方とアーリーマジョリティへの売り方は正反対
    • アーリーアダプターに見込み客のセールスを集中し、その実績でアーリーマジョリティへ?

「問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい」

問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい
山田 真哉
小学館
売り上げランキング: 553

 お金や会計についてのリテラシーを一般向けに啓蒙している本。「さおだけ屋〜」や「女子大生会計士〜」の著者だけあって、たとえがうまい。あとがきによると、かつてカリスマ予備校講師に憧れ目指していたそうで、なるほど。

 あと自分には、複式簿記の「借方」「貸方」のどっちがどっち問題の説明が面白かった。「簿記ではもともと人名を記していたから」というのは、わかりやすい。このあたり、「貸借逆じゃないか問題」に、著者による補足もあり。

cronから使えるよう祝日判定コマンドを書いた

 Linuxなどのcronで、平日だけ処理を実行したいことがあります。そのために、今日が祝日かどうかだけをチェックする小さなコマンドを作りました。

 引数なし、設定なし、出力なし。終了ステータスが0(真)なら休日、1なら平日です。

 ここでの休日の定義は、土曜、日曜、Google Calendarの「日本の祝日」にある日、です。キャッシュしているので、実行するたびにHTTPアクセスが発生するわけではありません。キャッシュは~/.joholidaypに置かれます。

 たとえば、平日だけsome-commandを実行する場合は、crontabで以下のようにコマンドを指定します。crontabの曜日指定と組み合わせると、より効率的だと思います。

jpholidayp || some-command

pure bashで簡易seq

_seq() { eval printf '%d\\n' {1..$1}; }

 お遊びコードです。

「Software Design」2013年2月号

 発売から半月たって、ようやく通読したのでメモ。

 自分にとっては、たかはしもとのぶ氏による「Samba 4.0.0がやってきた!」がヒット。Active Directoryのドメインサーバーの機能にほぼ話を絞って、機能や試しかたを解説している。

 第1特集が「シェルスクリプティング道場」。同誌のシェルスクリプト特集で定番の、フォークやパイプの話が中心。このへん、シェルスクリプトに限らず、Unix系OSでプログラムを動かすときには押さえておいたほうがよさそう。ほか、エラー処理やサブシェル問題など。

 第2特集は「超効率勉強法」。中小企業を舞台にしたラノベっぽい形式で、本から概要をつかむコツ、わかっていなくてノートをとるときのコツ、人に教えるときのコツを解説している。

 Linuxカーネル観光ガイドは、ページ回収の仕組みと、OOM killerよりマイルドなVM_pressureを解説。また、SSDキャッシュなどを想定した、ディスク使用のホットな箇所をプロファイルするHot Data Tracking。

 ほか、はんだづけカフェ連載がRaspberry PiのGPIO。IPv6連載が、2013年版のIPv6とIPv4の違い。ハイパーバイザの作り方連載が、割り込みの仮想化。Win64 Emacs連載が、COMのサポートと、それを使ってExcelを操作する例。シェルスクリプト連載が、簡易メーラーの完成編。iOS開発連載が、iPad mini向けに気をつけること。Android開発連載が、Rhodesで開発してみるサンプル。レッドハット連載が、大阪営業所での苦労話と、Nested KVM。UNIXから学んだ連載が、シリアルなどのコンソールと、WebコンソールをMechanizeで使う話。Ubuntu連載が、リモートデスクトップでUbuntuの画面を主にAndroidから使う方法で、VNC、RDP、TeamViewer、Splashtop、X2goを解説。Hack for Japan連載が、福岡のITエンジニアのスキルアップをはかる「エフスタ!!」の紹介。Software Engineers連載は、粒子加速器のエンジニアのかたわら、コンピュータを学び続けてきた人のインタビュー。

「妹先生 渚」3巻

 気がついたら3巻が出てたので、あわてて買った。

 冬が来て、春が来て、新入生がやって来て、光路郎も教壇に戻ってきた。で、光路郎の生徒がこれまた一筋縄でいかなくて……でも光路郎も渚もまっすぐ受け止めてる……かな。

 星の話に金魚の話と、ほろりとさせる読み切りネタもいいね。ひたむきな米路郎がかわいい。そして、渚と原は!? 若ダンナは男を見せるのか!?

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