FC2ブログ

本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

「興行師列伝」

興行師列伝―愛と裏切りの近代芸能史―(新潮新書)
新潮社 (2020-01-24)
売り上げランキング: 20,415

 江戸時代の芝居小屋から、明治時代の歌舞伎座、新国劇、映画と移り変わる興行の世界を、興行主をリレーしていく形で、その活動を軸に描いた本。章を追うごとに、博打から経営の色が強くなっていく。

 取り上げられるのは、歌舞伎座、松竹、吉本、大映、東宝の創業者。いずれも清濁あわせもつというか、反社や政治とずぶずぶな闇も、その夢も、桁外れな人物である。吉本せいの2枚の写真を並べたところとか、著者さん狙ってるな。この中では比較的クリーンな小林一三も、興行では失敗続きだったり旧日本軍協力だったりという側面コミで描かれている。

 それにしても永田雅一と長谷川一夫の奇妙な関係は、事実は小説より奇なりだなあ。

「Q.E.D. iff」15巻、「C.M.B.」43巻

 同じ作者による人気ミステリーコミックの最新刊が、今回も2冊同時発売された。以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

 2冊をとおして、今回はトリックそのものより、ああ話がそっちに行ったのかとか、ああそれはヒッカケだったかとか、話の展開が印象的な話が多かった。

Q.E.D.iff -証明終了-(15) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2020-02-17)
売り上げランキング: 484

 「Q.E.D. iff」は、「その世界」と「人がまだ見ることができない」の2編を収録している。

 「その世界」は、地方の富豪の財産相続をめぐる連続殺人という、わりと古典的なミステリーっぽい仕立ての話だ。冒頭に息子の一人が勘当されるシーンをもってきて、以後そこから離れて話が進む。謎の記号が出てきたときは、ああC.M.B.じゃないからあっちかと思ったけど、それが……おっとそこまで。

 「人がまだ見ることができない」は、「溺れる鳥」と同じ未来編の世界の話だ。ロボットが人間に危害を加えたのはなぜかというアシモフ風の発端から始まり、AIに何が起きたかというSF要素を探るストーリーとなっている。ラストがエモい。

C.M.B.森羅博物館の事件目録(43) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2020-02-17)
売り上げランキング: 600

 「C.M.B.」は、「気の合わないヤツ」「透明魚」「歯医者」「カメオグラス」の4編を収録している。

 「気の合わないヤツ」は、クルド人の世界で強制結婚かさもなくば名誉殺人かという状況から逃げようとする少女を森羅君たちが助ける、ミッションもののストーリーだ。博物学ネタはアッシリアの遺跡。で、発掘現場で働く少年が森羅君とソリと合わなくて、邪魔をしてくる。ラストがさわやか。

 「透明魚」は、「Q.E.D.」のエリーさんが久々にこちらで登場する(ちなみに夫は登場しない)。博物館や展覧会と表現の自由をテーマに、地球温暖化に警告するアート展に破壊行為をしてくる犯人と手口を探す。博物学ネタは透明魚をはじめとする魚の見え方について。

 「歯医者」は、何度も歯医者の虫歯の場面を繰り返すという嫌な(笑)タイムループに囚われた青年を主人公とした、異色の作品。博物学ネタは最短経路を解く粘菌。で、読む側も粘菌よろしく、これはどういう話なんだろうといろいろなパターンを考えるのだけど、読み終わるとああそういう話だったかと納得する。

 「カメオグラス」は、おなじみのマウものだ。古代ローマのカメオグラスを使ったランプシェードの売買をめぐり、マウ&森羅と相手がわたりあう。冒頭で元貴族が何に気付いたのかがミソ。そしてラストでまた新しい展開が。

「国家を食べる」

国家を食べる (新潮新書)
松本 仁一
新潮社
売り上げランキング: 346,309

 松本仁一氏著「カラシニコフ」は、カラシニコフAK-47を狂言回しに、米ソの代理戦争としての冷戦の跡を世界中で取材した名ノンフィクションだった。

 本書では、1980年代〜2000年代あたりの中東〜アフリカの紛争地帯の取材こぼれ話という形で、現地の庶民から政治家までの食事の様子を、1章20ページほどのオムニバス形式で描く。

 ただし、そこから見えてくるのは、まごうことなき紛争の現場の様子だ。米軍の侵攻により警察が逃げて略奪や誘拐が日常茶飯事になった町。パレスチナ和平に焦った過激派による爆破で大怪我を負ったバス運転手。南アフリカからオーストラリアへの移住。イスラエル原理主義派に無神論者認定されて毎日のように脅迫を受けるイスラム教学者。国民を裏切る役人と困った人を世話するムスリム同胞団という国民の立場。手持ちの物を売ってささいな金を得ようとする飢えた難民。チェルノブイリのリンゴ。

「日経Linux」2019年11月号

日経Linux 2019年 11 月号
日経Linux 2019年 11 月号
posted with amazlet at 20.02.16

日経BP (2019-10-08)

 すでに次次号が発売されているけど、通読メモとして。

 特集1「2019年度版 Linuxでできること78」の執筆に参加しました。Part 1がデクトップを使いやすくする方法で、gnome-tweaksによるテーマの変更、Cairo Dockランチャー、通知領域からUSBメモリーなどを取り外せるGNOME Shell拡張機能のRemovable Drive Menu、GNOME Shellをタイル型にするGNOME Shell拡張機能のMaterial Shell、ウィンドウのSuperドラッグ、QRコードを表示するqtqr、ChromeのLINE拡張機能、キーボードとマウスを共有するBarrier、動作ステータスをデスクトップに表示するConky、システム温度をグラフ表示するlm-sensors、ジョイスティックをキーにアサインするjstest-gtk、ゲームパッドで操作するqjoypad、Androidスマホを操作するadb shell、タイピング練習ゲームTux Typing、クリップボードマネージャーのClipit。

 Part 2がコマンドで、Google翻訳CLIのtranslate-shell、curlで表示できる天気予報サイトwttr.in、コマンドラインWebブラウザーのLynx&w3m、メールクライアントのmutt、curlから掲示板にPOSTする方法、ファイルマネージャーのMidnight Commander、インターネットスピードテストのspeedtest-cli、計算のbc。

 Part 3がコンテンツ作成で、Markdownでスライドを作るMarp、Markdownからさまざまなドキュメント形式に変換するPandoc、静的サイトジェネレーターのMkDocs、動画からffmpegで静止画や音声を切り出す方法、画像をImageMagickで変換する方法、PDFの並びをGUIで編集するPDF Arranger、文書を割り付け印刷するBoomaga、モノクロ写真をカラー化するAIのsiggraph2016_colorization、音声ファイルを編集するAudacity、画面操作をアニメーションGIFにするbyzanz、無線LANルーター専用ディストリビューションのIPFire。

 Part 4が無駄や面倒を省くツールで、ダミーの個人情報を生成するrig、RSSリーダーのLiferea、画像サムネール表示のgThumb、テキストファイルをOpen JTalkで読み上げる方法、ファイルのrsyncによる同期、さまざまなクラウドストレージサービスに対応したクライアントRclone、getmail4によるメールチェック、Cronによる自動実効、軽量オフィススィートのGNOME Office、テキストエディタに集中するFocus Writer、ファイル名を一括変換するrename、GUIを操作するxdotool、漫画を見開きで表示するMComix、分数とパーセンテージについて勉強するKBruch、プラネタリウムアプリのKstars。

 Part 5がサーバーで、HTTP/2対応のWebサーバーのCaddy、音楽メディアサーバーのforked-daapd、写真を見せられるDLNAサーバーのRygel、カメラ配信アプリのMotion、NTPサーバーのChrony、NAS専用ディストリビューションのOpenMediaVault、ローカル環境のサービスを公開するServo、サーバーを簡単に構築するDocker、監視ツールのZabbix、リソース監視ツールのnetdata、SQLiteのGUIのDB Browser for SQLite(sqlitebrowser)、コンソール画面で日本語を使うFbTerm。

 Part 6が個人情報やデータを守る技で、パスワード生成のapg、パスワード強度チェックのpwscore、USBメモリーを暗号化するCryptomator、HDDの中身を消去するshred、ログイン履歴をチェックするpinkyとlast、GUIでufwファイアウォール設定するgufw、ポートをチェックするnmap、UTMディストリビューションのSophos XG Firewall。

 Part 7が整理・統合で、df・du・ncduによるディスク使用量確認、不要なファイルを自動削除するUbuntu Cleaner、マインドマップのFreeplane、ファイルの差分をとるGUIツールのMeld、さまざまな言語処理系をインストールするanyenv、gitによる変更管理、Btrfsによる透過圧縮と重複削除、LVM2による論理ボリューム、ethtoolによるネットワーク帯域制御。

 特集2が、旧型PC復活スペシャルの「古いWindows 7マシンを最新Linuxで復活しよう」。まずWindows 7時代のハードウェアについて当時のCPUやメモリ、ストレージのスペックを紹介。Part 1が、2007年ごろのネットブックのFMV-BIBLO LOOX M/E10にPuppy Linuxをインストールする。Part 2が、初期64bit CPUであるCore 2 DuoのVAIO G VGN-G3ABGSを、32bitと64bitのOSでパフォーマンステストする。Part 3が液晶一体型PCのVAIO JをUbuntu化してVirtualBoxを動かすが、Windows環境をDisk2VHDで仮想ディスク化して動かすのは失敗。Part 4が、Sandy Bridge世代のゲーマー向けデスクトップPCのDell XPS 8300でSpectre対策チェック。

 特集3が「格安ラズパイZero大活用 カメラやNASなど5選」。活用術1が、microSDイメージに空の「ssh」ファイルを作って最初からsshでセットアップする。活用術2が「Raspberry Pi Zero WH Official Simple Kit」と「Raspberry Pi Camera Module V2」を使ってネットワークカメラにする。活用術3が、ラズパイZero上でスクリプトを動かしてディスクイメージ書き込みを自動化する。活用術4が、ラズパイZeroでUSB HDDのフォーマットやshredをかける。活用術5が、rcloneでデータをGoogle Driveに保存する。

 特集4が、なかば連載の「ラズパイで楽しむLinuxライフ」で、タイムラプスをfswebcamコマンドで設営し、cronで自動化し、mpvで動画化し、人感センサーなどと組み合わせる。

 まつもとゆきひろ氏の「プログラマのこだわり」連載が、プログラミング言語へのこだわり。プログラミング言語を、第1世代(1955〜1970年)、第2世代(1970〜1985年)、第3世代(1985〜2000年)、第4世代(2000年〜)と登場年代別に分類し、それぞれの特徴をまとめる。「(プログラミング言語を作るのは)楽しいのになあ」は説得力ある。

 「ハード&ソフトをちょい足し! 新しいラズパイの遊び方」連載が、台湾Ultimems社のMEMSレーザープロジェクターで、Raspberry Pi Zero W+RaspbianにつないでVLCをHTTPSモードで遠隔操作して動画を再生する。

 「Linux、ラズパイ、Windows全対応! ネットワークのいろは」連載が、OpenVPNサーバーを立ててWindowsのクライアントからOpenVPN接続する方法と、ufwでファイアウォールを設定する方法、アンチウィルスソフトとしてClamAVを使う方法。

 「Linux 100%活用ガイド」連載が、darktableを使ったRAW現像について。LinuC/LPIC連載が、リダイレクションとパイプ、パイプの定番コマンドについて。

 カーネル新機能連載が、5.3で追加された、メモリーアロケーターの確保時・開放時のゼロクリアなどの規定動作を制御するカーネルオプション。「Linuxで旧型PCを復活! 改二」連載が、2013年モデルのWindows 7世代のNEC製PCに、Windows 7風UIの「Q4OS」をインストールして、日本語フォント化やUIカスタマイズ、CUPS対応プリンターに印刷、Wineで文字化け解消してWindowsアプリを実行する。

 巻頭Linuxレポートが、CentOS 8、LibreOffice 6.3、PasocomMini PC-8001。世界のディストロ連載がブートローダー修復用の「Super Grub2 Disk」。フリーソフト連載が、手書きメモツールの「Xournal++」と、キーボードだけえで操作できるWebブラウザー「qutebrowser」。

 みんな大好き「#!シス管系女子Season6」が、shufコマンドでランダムに選ぶ話。そして偏りのなさにはいろいろあるという話から、次回に続く。

 別冊付録が、過去のセキュリティ関連の特集記事を再編集した「Linuxのセキュリティがまるっとわかる本」。基本設定にふれたあと、セキュリティソフトの一斉テストや、無防備なLinuxをインターネットにさらす実験、SELinuxの設定の解説まで。

「風雲児たち 幕末編」33巻

風雲児たち 幕末編 33 (SPコミックス)
みなもと太郎
リイド社 (2020-01-27)
売り上げランキング: 1,574

 表紙が岡田以蔵と田中新兵衛なように、幕末の暗殺の時代が始まる。

 「風雲児たち」は最初に関ヶ原での薩摩、長州、土佐の処分から始まったんだけど、その3者がここに来て結びつく。ただし、「机の上で握手して机の下で蹴りあう」関係だし、この先はアレだけど。そういえば、なにげに土佐の岩崎弥太郎と薩摩の五代才助が、端役ながらそれなりに描かれてるな。

 一方会津は、松平容保の京都守護職と、西郷頼母の反対という、悲劇の予兆のエピソードが。

「新仮面ライダーSPIRITS」24巻

新 仮面ライダーSPIRITS(24) (KCデラックス)
村枝 賢一
講談社 (2020-01-17)
売り上げランキング: 2,946

 目黒隊長おお!!

「はじめアルゴリズム」10巻

はじめアルゴリズム(10) (モーニング KC)
三原 和人
講談社 (2019-12-23)
売り上げランキング: 5,974

 数学マンガ「はじめアルゴリズム」が10巻で完結した。本編の中に本格的な数学ネタが入っているうえ、各巻の巻末には文章の数学ネタ解説コラムが入っていたのが特徴だ。

 で、監修の三原和人氏ががんばってるなあと思ったら、この巻によると氏はキャラ設定にも大きく関わってたらしい。しかも、カバーそでの「数学者列伝」で三原氏自身がネタになっていた内容によると、本編で使われていた「数学者が医療系AIのデータ解析を仕事にする」という設定そのままの経歴の人だった。

«  | HOME |  »

Categories

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Appendix

emasaka

emasaka

フリーター。
連絡先はこのへん

Monthly