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本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

「信長の原理」

信長の原理
信長の原理
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垣根 涼介
KADOKAWA (2018-08-31)
売り上げランキング: 41,712

 少年時代の織田信長が蟻の行動を見て働きアリの法則(≒パレートの法則)を独自に発見し、以後それに則って行動するという時代小説。「光秀の原理」の、法則性をつきつめて実験しないと気がすまない信長と同一人物だと思う。

 働きアリの法則うんぬんはあくまでも信長の行動原理で、ストーリーそのものになっているわけではない。ただ、信長の部下に対する厚情と、落ち目の部下に対する薄情とを物語内で説得力を持たせていると思った。あと、蟻の場合は8割は単にサボっているのではなく緊急時の予備だという話を聞いたことがあるけど、そのため常に緊急時を作ろうとする信長の苛烈さにもつながる。

 とはいえ、小説として面白かったというのを前提にして言うと、帯でほのめかしているような裏切りにつなげるのはちょっと苦しいかなと思った。

UbuntuのconvertでPDFに変換するには設定変更が必要

 フリーランスで仕事をしていると「書類をプリントアウトして押印し、スキャンして提出」という作業が求められることがよくあります。

 JPEGなどの画像ファイルからPDFに変換するとき、ImageMagickのconvertコマンドを使うと、コマンドラインから一発で変換できます。JPEGからA4のPDFを作るには、こんな感じで。

$ convert -density 72 -page a4 shorui.jpg shorui.pdf

 ただし、最近のUbuntuのconvertでは、セキュリティ上の理由から、デフォルトではPDFの変換が許可されていません。そのため、そのまま実行するとエラーになります。

convert: not authorized `shorui.pdf' @ error/constitute.c/WriteImage/1028

 そこで、設定を変更します。/etc/ImageMagick-6/policy.xmlファイルを、管理者権限のテキストエディタで開きます。

$ sudo vi /etc/ImageMagick-6/policy.xml

 ここで、PDFの設定の箇所を見つけて、以下のように書き換えて保存します。

  <policy domain="coder" rights="none" pattern="PDF" />
            ↓
  <policy domain="coder" rights="read|write" pattern="PDF" />

 これで、変換が実行できるようになりました。

参考:convert - Error during converting jpg to pdf - Ask Ubuntu

「光秀の定理」

光秀の定理 (角川文庫)
垣根 涼介
KADOKAWA (2016-12-22)
売り上げランキング: 10,307

 明智光秀を主人公としつつ、本能寺の変をあえて直接描写せずに、光秀の人物像を描くところがニクい歴史小説。ストーリーというより登場人物とその関係に重点が置かれているのが特徴だ。半分は光秀の視点で、あとの半分は、光秀の友人となった、辻博打で稼ぐ坊主と剣の道を極めようとする若者のコンビの視点で語られる。

 特徴的なのが、確率論をストーリーにとりいれているところだ。辻博打の坊主が確率論などの計算が得意で、モンティ・ホール問題を辻博打に応用して稼いでいる。で、それを光秀が戦に応用したり、信長が合理主義で検証したりするのが見所となっている。

 ただ、小説として面白かったというのを前提にして言うと、作中の確率論にちょっと疑問があるような。と思ってググってみたら、同じようなことを自分よりロジカルに考えて指摘している人がいた。

 とまあ細かいところはともかく、真面目で機転がいまひとつ効かないけど苦労人な光秀を中心に、印象的な人物が次々と出てきて、面白かった。姉妹作という「信長の原理」も読もうと思う。

「新仮面ライダーSPIRITS」22巻

新 仮面ライダーSPIRITS(22) (KCデラックス)
村枝 賢一
講談社 (2019-07-17)
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 大首領との直接対決が始まる。ZXたちは虚無の牢獄に入り大首領に会う。いっぽう、阿修羅谷のほうの大首領はライダーダブルパンチを余裕で受ける。

残りは全員で 大首領を叩く!!

 スーパー1は「Jupiter スーパー1」を訪れるが……。SPIRITS隊はBSプロテクションを装備する。

 巻末対談は、声優の関智一氏。納谷悟郎さんの代わりに大首領の声をあてたエピソードなども。

「ベストセラー伝説」

ベストセラー伝説 (新潮新書)
本橋 信宏
新潮社
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 1956年生まれの著者さんが小学生〜高校生ぐらいのときに親しんだ大ベストセラーを作った人たち(主に編集者)を訪ね歩く、「新潮45」の企画の書籍化。

 昭和の出版関係社たちの、ときに山師っぽくもあるエピソードが読みたい人向け。たとえばこんな感じ。

  • ブローカーが余らせた紙を元手に秋田書店を創業した秋田貞夫氏
  • 伝説の少年チャンピオン編集長、壁村耐三氏
  • 入社試験でミロのヴィーナスを描き、「秘密探偵JA」や「ジャイアント台風」を担当した少年画報社の戸田利吉郎氏
  • 終戦後に公職追放された校長たちを集めて販売部長にした学研創業者の吉岡秀人氏
  • 「○年の科学」の編集長を歴任していまは科学創造研究所所長の湯本博文氏
  • 「○年の科学」に付録を付けた中川浩氏
  • 偕成社からポプラ社を創業して全国の学校に営業して回った田中治夫氏
  • 「平凡パンチ」の石川次郎氏と西木正明氏
  • 「週刊プレイボーイ」の島地勝彦氏
  • 通信教育から旺文社を創業し「豆単」を作った赤尾好夫氏
  • 青春出版社で野坂昭如や野末陳平を担当し、「でる単」を企画し、後にKKベストセラーズを創業した岩瀬順三氏
  • 「ノスタルダムスの大予言」、「日本沈没」、松本清張の社会派推理小説を生み出した伊賀弘三良氏

 ちなみに本書によると、今上天皇陛下が初めて自分の小遣いで買った本は秋田書店の「図解 怪獣図鑑」だとか。

「アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」」

アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」 (集英社新書)
中川 裕
集英社 (2019-03-15)
売り上げランキング: 1,676

 マンガやアニメの「ゴールデンカムイ」でアイヌ語やアイヌ文化を監修している方の著書。タイトルを最初見たときは、タイトルの逆で「ゴールデンカムイ」をダシにアイヌ文化を語る本かなと思ったけど、まあそういう部分もありつつ、アイヌ文化がわかると「ゴールデンカムイ」がよりわかるという本でもあった。

 第7章なんかまさに「「ゴールデンカムイ」名シーンの背景」。女の子が狩りをするのは普通ではないが、まったく例がないわけではないとか。アシパの身に着けている毛皮は、狼のレタの母親のものという設定とか。アシパの服で最初から樺太とのつながりが示されていたとか。

 さらに、雑誌から単行本になるときや、漫画からアニメになるときに、監修的に変えた点などもこぼれ話的に紹介されている。アイヌ語の中の方言が違っていたとかね。監修者さんが驚く野田サトル氏の資料や発想なども語られる。

 アイヌ語がそこまで日本語と(に限らずどの言語とも)全然違う言語だというのは知らなかった。あと、ヒンナはおいしいという意味ではなく感謝の言葉だと作中でも言われてるけど、忘れてた。カムイユカって、金田一京助が「ユーカラ」と呼んだものかな。

 というわけで本書では、アイヌのカムイ観(=宗教、自然観)から、由来や土地ごとの違い、社会制度、伝承、信仰、食べ物、アイヌ語まで解説している。「ゴールデンカムイ」はエンターテイメント作品として面白いのだけど、それをきっかけに本書のわかりやすい解説でアイヌ文化の話を読めてよかった。

「コスモス・エンド」

コスモス・エンド (ボム・コミックス)
笠原 俊夫
日本出版社
売り上げランキング: 174,011

 35年ぐらい前の少年ジャンプで、恒星間宇宙船やブラックホールをテーマにした本格SFマンガが連載されていたなあとふと思い出して、調べてみたら本書がそれらしいようだった。で、ネットで古本を購入して読んでみたら、記憶にあったのはまさに本書だった。オリジナルで2冊、再編集本で1冊におさまっている。

 今読んでも面白い。100年前の恒星間宇宙船が漂流しているのが発見され、宇宙基地「ミッドガルド」に曳航され、一人だけ生き残った乗組員が銀河系全体の危機を伝えて死亡する。しかもなぜか主人公を知っているらしい。

 これを受けて探査船「イグドラジール」が、銀河の中心にある巨大ブラックホール「ギンヌンガ・ガップ」に向けて旅立つ。そこには宇宙やら船内やらに謎の現象が相次ぎ……という話。

 このように、銀河の危機の話と、北欧神話っぽいネーミングが、十代の心をくすぐったのであった。銀河の中心にブラックホールがあるという説は、現在では定着しているけど、当時はまだ走りだったらしい。作者さんもあとがきで、付着円盤(降着円盤)をマンガに登場させたのは世界初じゃないかと書いている。

 なんというか、昔のSFだなあという雰囲気だけど、それが嫌いでなければむしろ正統的に感じる。本書が書かれたのは、だいたいJ.P. ホーガンの「巨人たちの星」シリーズぐらいの時期だったり、参考文献にカール・セーガン「コスモス(宇宙)」が挙げられていたりで、そうそうあの時代だよなあと。

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