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ポメラDM200にDM100から乗り換えた

キングジム デジタルメモ ポメラ ブラック DM200
キングジム
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 テキスト入力専用マシン「ポメラ」を、DM100から、2016年に発売された最新機種「DM200」に乗り換えました。

 DM200が発売された当初は「Wi-Fi対応」がクローズアップされて、「Wi-Fiいらないし、それで5万円超えるんじゃ、DM100でいいや」と思っていました。しかしその後、インタビュー等で、日本語変換を組み込みATOKからより高性能なものに替えるために、OSから作り直したという話が公開されるようになりました。DM100の日本語変換には少し不満がありましたし、仕事が効率化されるならお金を払ってもいいかなと思い、DM200を買うことにしました。

 以下に、ざっとDM200の感想をまとめておきます。私としては満足しています。なお大前提として、(主に出先で)まとまったテキストを入力するのが仕事とか重要な趣味とかいう人以外にはお勧めしない、特化型デバイスです。

良かった点

  • 日本語変換:DM100では思ったとおりに変換できなくてストレスを感じましたが、DM200なって改善されました。ただし、予測変換とかには対応していません。
  • 文字コードと改行コードが変更可能に:いままではShift-JISとCRLF改行固定でしたが、DM200ではUTF-8やLF改行に設定で変更できるようになりました。ただしBOMつきUTF-8です。
  • ひっくり返らなくなった:DM100ではキーボード側が軽くてディスプレイ側が重いため、大きく開くとひっくり返りそうになることがありました。DM200ではキーボード側にバッテリーが入っっているそうで、ひっくり返りにくくなりました。
  • USB端子がminiUSBからmicroUSBに:ポメラ専用にminiUSB端子のUSBケーブルを持ち歩く必要がなりました。

ややネガティブな点(慣れればいい程度)

  • USB接続でPCからマウントするときに操作が必要に:DM100ではつなげばマウントされましたが、DM200ではメニューから「PCリンク」を指定するようになりました。まあ、慣れです。
  • 蓋を開けて電源が入るまで3秒ぐらいかかる:とりあえず今のところそれほど困っていません。

その他

  • 乾電池からUSB充電式に:予備電池に入れかえることはできませんが、汎用のUSB充電器が使えて、しかも動作中にも使えるようになって、プラスマイナス(ややプラス)という感想です。
  • オートセーブ機能:事前にオートセーブ機能が付いたということで期待していました。一定時間ごとにセーブする機能を期待していましたが、そうではなく、ファイルを開くときやPCとつなぐときにセーブする機能でした。

「屈折くん」

屈折くん
屈折くん
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和嶋 慎治
シンコーミュージック
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 映画化もされたみうらじゅんの「アイデン&ティティ」の主人公は、みうらじゅん自身と人間椅子の和嶋慎治の2人がモデルだという。本書はその和嶋慎治による初の自伝だ。

 文章は、文学好きの人が初めて一冊書きおろしたという意気ごみと生硬さを感じるもので、少なくともゴーストライターが書いた本ではないと思う。

 第1章では、少年から青年の多感な時代のさまざまな出来事が、いじめにあったことなどを含めて、いいことも悪いことも淡々と描かれていて、それがむしろ文学っぽく感じる。題名の「屈折くん」はかつての渾名だったそうで、てっきりネガティブな渾名なのかと思っていたら、実は同級生の前でそれまでの屈折したエピソードを語ったらウケて、本人にも鬱屈したものから脱出したといういい話だった。

 この第1章の最後では、「UFOが部屋に飛び込んできた」体験を語り、そこから生まれたのがメジャーデビュー盤「人間失格」冒頭の「鉄格子黙示録」だという。まあつまり、そういう精神状態だったんだろうと思う。

 短いながら楽しいのが第2部の大学時代だ。仏教青年会という名のユーロロック研究会とか、参禅部の接心とか。

 イカ天に出てデビューし、さらにそれからの話が書かれた第3部が、いちばん長くてヘビーだ。おそらく初めてて語られた2年間の結婚生活を含めて、悶々とした生活が続く。2010年代、ももクロとの共演やオズフェスへの出演をするような頃になって初めて風呂つきアパートに住めるようになったとか。

 というわけで、人間椅子好きや、悶々とした青年〜中年の話に共感する人向け。

「新仮面ライダーSPIRITS」15巻

新 仮面ライダーSPIRITS(15) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
村枝 賢一
講談社 (2017-03-17)
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何故 我は 弱さを懐かしむ

 一巻まるごと、ライダーマン vs. 大首領の戦い。TV本編ではどちらかというとやられキャラだったライダーマンについて、その人物や背景、戦う理由が掘り下げられる。

 巻末に横手市増田まんが美術館「仮面ライダー栄光と絆展」開催記念企画の短編「風の絆」を収録している。石ノ森萬画館スタッフが東日本大震災で目にしたことと、そこからの復興活動を描く。

 巻末インタビューは、声優さんも多く輩出する「テアトル・エコー」の田寺尚和氏。もともと舞台劇団なのだけど、吹き替え仕事は時間がきっちり決まっていて夜の舞台までに間に合うので始めたのだとか。

「カルト村で生まれました。」「さよならカルト村」

カルト村で生まれました。
高田 かや
文藝春秋
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さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで
高田 かや
文藝春秋
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 有機農業や牧畜による自給自足を要として所有のない社会を目指すアーミッシュっぽい村で生まれ育ち、現在は村を出て一般社会に住む著者が、一般社会で知り合った夫に説明する形式で村での生活をふり返るコミックエッセイだ。具体的な団体名は書かれていないけど、私を含めて多くの人はY会を想定すると思う。

 絵や語り口は素朴でポップな感じだけど、村の生活は過酷で、それを夫さんがツッコむ形式となっている。まず、子供と大人の生活空間がはっきり分かれていて、子供は親と離れて暮らすというところでエッと思った。かわりに集団で世話係さんに育てられ、世話係さんから不条理な叱られかたをし、体罰もあたりまえ。学校に行くより労働が優先され、学校の部活は禁止。個人所有が否定されているので、一般社会の祖母から贈られた物はみんなで分けられてしまう。読む本が制限されていて漫画は禁止。

 食事は健康的な素材と調理なんだけど、1日2食で、子供はいつも腹をすかせているという、平成とは思えない暮らしをしていたという。通学路の草を食べ、料理室の塩をなめ、お地蔵さんの供えものをいただいていたとか。平成と思えないといえば、シラミがわくのでよくDDTを散布するとか。

 そんな生活でも、著者は村で生まれたのでそれが当然だと思っていて、不平不満を言ったり反抗的な態度をとったりをしても、将来ずっと村にいるものだと思っていたというのがいちばん衝撃的なところかもしれない。

 カルトらしいエピソードといえば、毎日のミーティングを通して村の思想に染まらせる話か。答もヒントも出さずに質問し、出させた答えを次々と否定して1つの方向に導くというのは、話に聞く洗脳の手法そのものだなあ。

 洗脳関連では、日記を毎日提出させて、それに大人が赤ペンを入れるというのもある。赤ペン先生がコメントや星印をつけて返すので、子供たちはたくさん星印をもらえるようになっていくという手法だという。それってSNSのいいね……

「バンデット 偽伝太平記」1巻

バンデット(1) (モーニング KC)
河部 真道
講談社 (2017-02-23)
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 帯のキャッチフレーズにいわく「全員悪党」。そう、太平記の世界、鎌倉時代末期から室町時代初期を舞台にしたマンガだ。

 主人公は、脱走した下人(≒奴隷)ながら意外と頭の回る「石」と、奇策を弄する謎の男「猿冠者」だ。この巻では帯にも書かれているとおり、赤松円心を相手に700対2の戦いを挑む。……のだけど、そこは悪党世界、全力で殺し合っていても利があれば簡単に同盟を組むし、その逆に簡単に寝返るしぶとさがミソだと思う。

 話作りや見せ方は、「キングダム」をワイルドでダーティにした感じ。まだ物語が始まったばかりでどう展開するかわからないけど、とりあえず2巻は読む。

「ルート66をゆく」

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて (新潮新書)
松尾 理也
新潮社
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 本書のきっかけとなったのは、米大統領選における「分断」だという。アホだ負けだと言われていた共和党候補が、実際の大統領選では、民主党候補に票数では負けたが選挙人の数で勝って大統領に選ばれた。

 というわけで2006年に出版された本書は、ジョージ・W・ブッシュ大統領当選を背景に、アメリカの「マザー・ロード」ことルート66(国道66号線)沿い、アメリカ中西部「ハートランド・オブ・アメリカ」に住む「ふつうのアメリカ人」とその保守志向を取材した本だ。

 ミズーリ州セントルイスでは、福音派教会のエンターテイメント性の高い説教を取材している。小さな都市ではないのに盛り場といえるような場所がほとんどなく、赤ちょうちんに集まるかわりに協会で説教を聞くのではないかと著者はいう。日本に住んだことのある教会のサポートチームのメンバーも、日本人の井戸端会議から赤ちょうちんまでのさまざまなつながりは、米国人の宗教心に近いのだと発言している。

 その福音派的宗教観に対してわれわれ平均的な日本人が奇異に感じるのが反進化論だろう。よく言われるように、高い教育を受けた知的な人にも進化論を否定する層があり、ID論を理論武装している。こうした反進化論などを背景に、進化論を教える学校を拒否するホームスクール運動があると本書でも書かれている。ちなみに、トランプ政権で任命された教育長官は、そうした運動を支持していると言われている。

 オクラホマ州オクラホマシティーでは、州兵について取材している。州兵は、それまでの安全な軍というポジションから、対テロ戦争でがらりと変わり、イラクに派遣された米兵の約40%を占めるようになったという。オクラホマシティーの州兵の母は「ブッシュや政府を批判するのは自由だけど、兵士の悪口は絶対にだめ」とその愛国観を語る。

 一方、オクラホマシティーで保守系新聞を発行する男は、(彼のいう)保守は共和党の中でもマイノリティだと考えており、「ブッシュはリベラル」と発言し、「グラスルーツ保守主義と政治エリートによる保守主義とはまったく違う」と主張する。大きな政府を嫌う彼らの考えでは、竜巻で被災者の家の修復を政府が税金で支援するのは道徳に反するのだという。

 ニューメキシコ州アルバカーキでは、州間高速道路の建設によって衰退したルート66の復興活動を取材している。「なぜ、ルート66が人気があるのかって? そりゃ、マーケティングだよ」という身もふたもない言葉。その背景にあのは、伝統とノスタルジーだという。

 アリゾナ州ダグラスでは、国境や人種の問題を取材している。高級住宅街の周囲にフェンスを張りめぐらして入口もゲートで遮断する「ゲーティッド・コミュニティ」。また、不法移民監視団体「ミニットマン・プロジェクト」の主宰者も取材する。「ベトナム戦争は反対、アフガンは賛成、イラクは反対」という複雑な立場をとる一方、「警察は侵入者の言いぶんを聞いてばかりだ」と主張する。

 最後にテキサス州アマリロを取材している。著者はウディ・ガスリーのファンで、ウディ・ガスリー博物館があると知って訪問する。リベラルかつ草の根の立場であるウディ・ガスリーは、リベラルからも保守からも認められたり攻撃されたりする両義的な存在なのだという。

「Q.E.D. iff」6巻、「C.M.B.」34巻

 人気コミックシリーズの最新刊が、今回も2冊同時発売された。以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

Q.E.D.iff -証明終了-(6) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2017-02-17)
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 「Q.E.D. iff」は、「地球に落ちてきたと言っている男」「急転」の2篇を収録している。どちらもラストが印象的だった。

 「地球に落ちてきたと言っている男」は、大学生になってもあいかわらずのミステリ研究会がらみでコミカルなタイトルだけど、意外とシリアスなalienの話だった。結末のこの可能性は気付かなかったなあ、映画でよくあるものなんだけど。それにしても、ミステリ研究会メンバーのお婆ちゃんって、女傑ぞろいだ。

 「急転」は、人気ドラマのプロデューサーが転落死した事件をめぐる、アリバイ崩しモノ。惜しい感じの刑事さんがいい味出してる。

C.M.B.森羅博物館の事件目録(34) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2017-02-17)
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 「C.M.B.」は、「消滅飛行」「マリアナの幻想」(前・後)「古屋」の3篇を収録している。

 「消滅飛行」は、1920年代に墜落して行方不明となった飛行機を探す話だ。博物ネタはデ・ハビランド・プス・モス。

 「マリアナの幻想」は、ブラジル移民の勝ち組(第二次大戦に日本が勝ったというalternative factを信じた人たち)だったイケイケの男がなぜ日本に帰り、老人になってどこに行ったか、そして魔女の宝の正体をたどる。これは確かに魔女だわ。

 「古屋」は、東京から田舎に引っ越した夫婦のまわりに起こる不可解な事件の意味を解く。何が起こっているかわからないまま話が進み、それを見方一つでひっくり返す展開と、その後に見えたものがいい感じ。

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