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読書やコンピュータなどに関するメモ

守り人シリーズ

 NHKで実写ドラマ化されたのをきっかけに、未読だった和製ハイファンタジー「守り人」シリーズを全巻少しずつ読んでみた。名作だと聞いていたけど、実際に読んでみたら、ものすごく面白かった(小並感)。

 名作として多くの人に親しまれ語り尽されているので、私がいまさら付け加えることはないだろう。まあ、さんざん言われていることだけど魅力を一つ挙げると、それぞれの国がそれぞれの文化や歴史や風習を持ち、それぞれの登場人物がそれぞれの人生を生きていることが凄いと思った。まったく同じ価値観を持った人は存在せず、それぞれの人生が交差したところに協力や対立が生まれる。

精霊の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 4,502

 第1作「精霊の守り人」は、「精霊の卵」を宿したチャグム皇子と、それを守るべく雇われた女用心棒バルサの最初の冒険の話。ほぼ新ヨゴ国で完結しているのだけど、後の全シリーズの舞台設定ができあがっていると感じる。なお、実写ドラマの第1シーズンはこの巻から。

闇の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 6,119

 第2作「闇の守り人」は、バルサが故郷のカンバル王国に戻る話で、養父ジグロの過去の因縁が語られる。ここから、「守り人」がバルサもの、「旅人」がチャグムものになる。ちなみに、実写ドラマの第3シーズンでは、この巻の内容をやるとか。

夢の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 8,067

 第3作「夢の守り人」は、幻想色の強い話。大呪術師トロガイの過去と、それにつながる異界の因縁が物語られる。

虚空の旅人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 8,912

 第4作「虚空の旅人」は、チャグムを主人公に、舞台が一気に国際的になる。海の国サンガル王国の内乱危機に、南のタルシュ帝国の影が。

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 9,950
神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 10,935

 第5作「神の守り人」は、ロタ王国を舞台に、邪教とされた破壊神の力を持った幼い少女とその兄を、バルサが守ろうとする話。実写ドラマの第2シーズン「悲しき破壊神」の前半の主要ストーリーだ。

蒼路の旅人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 6,017

 第6作「蒼路の旅人」は、ついにチャグムがタルシュ帝国に触れる。実写ドラマの第2シーズンの、チャグムのパート前半に相当する。

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 14,100
天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 7,499
天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社
売り上げランキング: 6,952

 第7作「天と地の守り人」は、ついにチャグムとバルサが再会を果たし、これまでのさまざまなストーリーが流れ込んで、タルシュ帝国との戦いが描かれる。

 ちなみに、第1部が実写ドラマの第2シーズンの後半に相当する。ドラマではタルシュ帝国の王子が一人という設定になっているけど、どういう結末になるんだろう

流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社 (2013-07-27)
売り上げランキング: 5,898

 「流れ行く者」は短編集。ローティーンの頃のバルサのエピソードが語られる。一部のエピソードが、実写ドラマの第1シーズンで回想シーンに使われているらしい。

炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮社 (2016-12-23)
売り上げランキング: 5,096

 「炎路を行く者」も中・短編集。「蒼路の旅」ラスト付近を起点にした、タルシュのヒュウゴの回想「炎路の旅人」と、バルサの回想「十五の我には」の2編が収録されている。「天と地の守り人」の最後でヒュウゴの狙いが明らかになったときには驚いたけど、「炎路の旅人」ではそれを育んだヒュウゴの少年時代が描かれる。

「Q.E.D. iff」7巻、「C.M.B.」35巻

 人気コミックシリーズの最新刊が、今回も2冊同時発売された。以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

Q.E.D.iff -証明終了-(7) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2017-06-16)
売り上げランキング: 277

 「Q.E.D. iff」は、「虹の彼方のラマヌジャン」と「ある興業師」の2編を収録している。

 「虹の彼方のラマヌジャン」は、2016年の映画「奇蹟がくれた数式」で題材になった数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの話と、その再来として教授が目をつけた少年のストーリー。人物設定は「グッド・ウィル・ハンティング」に近いけど。

 ストーリーは、教授の死と、時を同じくして激化するギャングの抗争の謎を解く。のだけど、どちらかというとラマヌジャンの数学の話のほうが力点が置かれている。そして以前から出てくる塔馬君の因縁のゼータ関数につながる。そして最後は「きっと、うまくいく」。

 「ある興業師」は、1960年代の興業師の謎の死(?)と、それにまつわるヤクザの親分、漫談家、芸妓の行動の謎を、現代から追う。いくつかのエピソードがジグゾーパズルのピースのように細切れに出てきて、それが最後にぴったりと1枚の絵になるトリッキーな話だった。

C.M.B.森羅博物館の事件目録(35) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2017-06-16)
売り上げランキング: 316

 「C.M.B.」は「ドミトリー」「クリスマスのマウ」「ドングリとマツボックリ」「アリイバイ」ノ4編を収録している。

 「ドミトリー」は、タイのゲストハウスに集まったバックパッカーの中から麻薬密売人を探す。博物ネタはインドの神像。うん、知識は大事だね。

 「クリスマスのマウ」は、富豪の遺産の売却にまつわる、商人あきんどマウ・スガールの活躍。途中で出てきたエピソードがああつながってこうなる。博物ネタはケルトの十字架。

 「ドングリとマツボックリ」は、焦って遭難した登山家を、失敗しかけて焦る警備隊員が追う。そして、登山家の息子の話から森羅君が場所を特定する。ブラタモリばりに地形や植生がカギとなる。母さん怖いw

 「アリイバイ」は、残業だらけで自分の行動も憶えていないサラリーマンが殺人事件の容疑者にされる話。そのアリバイを、小さな手がかりから順々に森羅君が探し出す。

「風雲児たち 幕末編」29巻

風雲児たち 幕末編 29 (SPコミックス)

リイド社 (2017-05-29)
売り上げランキング: 407

 薩摩藩の内ゲバともいえる寺田屋事件(龍馬じゃないほうの)と、その凄惨な事後処理が詳細に描かれる。島津久光は怒り、大久保一蔵は後手に回り、西郷隆盛は泣く。それにしても、戦闘民族薩摩隼人の行動パターン、わけわからないなw。久坂玄瑞がいつの間にか切れ者キャラに。

ポメラDM200にDM100から乗り換えた

キングジム デジタルメモ ポメラ ブラック DM200
キングジム
売り上げランキング: 3,474

 テキスト入力専用マシン「ポメラ」を、DM100から、2016年に発売された最新機種「DM200」に乗り換えました。

 DM200が発売された当初は「Wi-Fi対応」がクローズアップされて、「Wi-Fiいらないし、それで5万円超えるんじゃ、DM100でいいや」と思っていました。しかしその後、インタビュー等で、日本語変換を組み込みATOKからより高性能なものに替えるために、OSから作り直したという話が公開されるようになりました。DM100の日本語変換には少し不満がありましたし、仕事が効率化されるならお金を払ってもいいかなと思い、DM200を買うことにしました。

 以下に、ざっとDM200の感想をまとめておきます。私としては満足しています。なお大前提として、(主に出先で)まとまったテキストを入力するのが仕事とか重要な趣味とかいう人以外にはお勧めしない、特化型デバイスです。

良かった点

  • 日本語変換:DM100では思ったとおりに変換できなくてストレスを感じましたが、DM200なって改善されました。ただし、予測変換とかには対応していません。
  • 文字コードと改行コードが変更可能に:いままではShift-JISとCRLF改行固定でしたが、DM200ではUTF-8やLF改行に設定で変更できるようになりました。ただしBOMつきUTF-8です。
  • ひっくり返らなくなった:DM100ではキーボード側が軽くてディスプレイ側が重いため、大きく開くとひっくり返りそうになることがありました。DM200ではキーボード側にバッテリーが入っっているそうで、ひっくり返りにくくなりました。
  • USB端子がminiUSBからmicroUSBに:ポメラ専用にminiUSB端子のUSBケーブルを持ち歩く必要がなりました。

ややネガティブな点(慣れればいい程度)

  • USB接続でPCからマウントするときに操作が必要に:DM100ではつなげばマウントされましたが、DM200ではメニューから「PCリンク」を指定するようになりました。まあ、慣れです。
  • 蓋を開けて電源が入るまで3秒ぐらいかかる:とりあえず今のところそれほど困っていません。

その他

  • 乾電池からUSB充電式に:予備電池に入れかえることはできませんが、汎用のUSB充電器が使えて、しかも動作中にも使えるようになって、プラスマイナス(ややプラス)という感想です。
  • オートセーブ機能:事前にオートセーブ機能が付いたということで期待していました。一定時間ごとにセーブする機能を期待していましたが、そうではなく、ファイルを開くときやPCとつなぐときにセーブする機能でした。

「屈折くん」

屈折くん
屈折くん
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和嶋 慎治
シンコーミュージック
売り上げランキング: 7,343

 映画化もされたみうらじゅんの「アイデン&ティティ」の主人公は、みうらじゅん自身と人間椅子の和嶋慎治の2人がモデルだという。本書はその和嶋慎治による初の自伝だ。

 文章は、文学好きの人が初めて一冊書きおろしたという意気ごみと生硬さを感じるもので、少なくともゴーストライターが書いた本ではないと思う。

 第1章では、少年から青年の多感な時代のさまざまな出来事が、いじめにあったことなどを含めて、いいことも悪いことも淡々と描かれていて、それがむしろ文学っぽく感じる。題名の「屈折くん」はかつての渾名だったそうで、てっきりネガティブな渾名なのかと思っていたら、実は同級生の前でそれまでの屈折したエピソードを語ったらウケて、本人にも鬱屈したものから脱出したといういい話だった。

 この第1章の最後では、「UFOが部屋に飛び込んできた」体験を語り、そこから生まれたのがメジャーデビュー盤「人間失格」冒頭の「鉄格子黙示録」だという。まあつまり、そういう精神状態だったんだろうと思う。

 短いながら楽しいのが第2部の大学時代だ。仏教青年会という名のユーロロック研究会とか、参禅部の接心とか。

 イカ天に出てデビューし、さらにそれからの話が書かれた第3部が、いちばん長くてヘビーだ。おそらく初めてて語られた2年間の結婚生活を含めて、悶々とした生活が続く。2010年代、ももクロとの共演やオズフェスへの出演をするような頃になって初めて風呂つきアパートに住めるようになったとか。

 というわけで、人間椅子好きや、悶々とした青年〜中年の話に共感する人向け。

「新仮面ライダーSPIRITS」15巻

新 仮面ライダーSPIRITS(15) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
村枝 賢一
講談社 (2017-03-17)
売り上げランキング: 655

何故 我は 弱さを懐かしむ

 一巻まるごと、ライダーマン vs. 大首領の戦い。TV本編ではどちらかというとやられキャラだったライダーマンについて、その人物や背景、戦う理由が掘り下げられる。

 巻末に横手市増田まんが美術館「仮面ライダー栄光と絆展」開催記念企画の短編「風の絆」を収録している。石ノ森萬画館スタッフが東日本大震災で目にしたことと、そこからの復興活動を描く。

 巻末インタビューは、声優さんも多く輩出する「テアトル・エコー」の田寺尚和氏。もともと舞台劇団なのだけど、吹き替え仕事は時間がきっちり決まっていて夜の舞台までに間に合うので始めたのだとか。

「カルト村で生まれました。」「さよならカルト村」

カルト村で生まれました。
高田 かや
文藝春秋
売り上げランキング: 862
さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで
高田 かや
文藝春秋
売り上げランキング: 591

 有機農業や牧畜による自給自足を要として所有のない社会を目指すアーミッシュっぽい村で生まれ育ち、現在は村を出て一般社会に住む著者が、一般社会で知り合った夫に説明する形式で村での生活をふり返るコミックエッセイだ。具体的な団体名は書かれていないけど、私を含めて多くの人はY会を想定すると思う。

 絵や語り口は素朴でポップな感じだけど、村の生活は過酷で、それを夫さんがツッコむ形式となっている。まず、子供と大人の生活空間がはっきり分かれていて、子供は親と離れて暮らすというところでエッと思った。かわりに集団で世話係さんに育てられ、世話係さんから不条理な叱られかたをし、体罰もあたりまえ。学校に行くより労働が優先され、学校の部活は禁止。個人所有が否定されているので、一般社会の祖母から贈られた物はみんなで分けられてしまう。読む本が制限されていて漫画は禁止。

 食事は健康的な素材と調理なんだけど、1日2食で、子供はいつも腹をすかせているという、平成とは思えない暮らしをしていたという。通学路の草を食べ、料理室の塩をなめ、お地蔵さんの供えものをいただいていたとか。平成と思えないといえば、シラミがわくのでよくDDTを散布するとか。

 そんな生活でも、著者は村で生まれたのでそれが当然だと思っていて、不平不満を言ったり反抗的な態度をとったりをしても、将来ずっと村にいるものだと思っていたというのがいちばん衝撃的なところかもしれない。

 カルトらしいエピソードといえば、毎日のミーティングを通して村の思想に染まらせる話か。答もヒントも出さずに質問し、出させた答えを次々と否定して1つの方向に導くというのは、話に聞く洗脳の手法そのものだなあ。

 洗脳関連では、日記を毎日提出させて、それに大人が赤ペンを入れるというのもある。赤ペン先生がコメントや星印をつけて返すので、子供たちはたくさん星印をもらえるようになっていくという手法だという。それってSNSのいいね……

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