本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

「決戦! 関ヶ原2」

決戦!関ヶ原2
決戦!関ヶ原2
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葉室 麟 東郷 隆 宮本 昌孝 冲方 丁 天野 純希 吉川 永青 簑輪 諒
講談社
売り上げランキング: 12,560

 戦は実際に戦うまでの計略がすべてという考え方がある。さすがにそれは極論だと思うけど、それまでの日本で最大の戦なのに1日で終わった関ヶ原の合戦については、あてはまる部分が大きそう。

 本書は1つの合戦について人気作家が1篇ずつ短編小説を書く「決戦!」シリーズの最新刊で、最初に出た「決戦! 関ヶ原」に続いて関ヶ原を扱った本だ。

 私がいちばん面白く読んだのは、最初の「ダミアン長政」(葉室麟)だ。父如水(官兵衛、孝高)の反省から知略を隠して猪武者として振る舞っていた黒田長政が、関ヶ原に向けて戒めを破って謀略をキメる。そしてそこで見えた石田三成の狙いと、キリシタンである長政の考えとは。処刑前の三成と長政の会話とか、長政と如水の右手左手の話とか、有名な逸話をうまくひねっている。

 「燃ゆる病葉」(沖方丁)も、関ヶ原に向けて万策を練りつつ、読みきれずに破れた大谷吉継を描く。本作の大谷吉継は、理では家康を推しつつ、友情で三成を支えるという黄金パターン。

 戦略・戦術中心をちょっとヒネって、本物の戦をシミュレーションウォーゲームのようにしか見られなくなった小早川秀秋を描いたのが「秀秋の戯」(天野純希)。一方、調略や裏切りをテーマに、ちょっと寓話や説話っぽい味を出しているのが「名だけを残して」(箕輪諒)だ。

 それらと反対に武人の戦を描いたのが、「三成に過ぎたるもの」と言われた島左近を描いた「過ぎたるもの」(吉川永青)と、「家康に過ぎたるもの」と言われた本多忠勝の生涯を描いた「蜻蛉切」(宮本昌孝)だ。また、「戦さ神」(東郷隆)は、同著者の「センゴク兄弟」でも登場した仙石勝久と、可児才蔵の活躍を描く。

 それにしても、いずれの話でも石田三成は小悪人とか愚かとかいった評価はなされていないのが興味深い。平壊者だったり福島正則に恨まれていたりとかはあるけど。まあ最近は三成をベタに小物扱いすると古く感じるからなあ。

「新仮面ライダーSPIRITS」16巻

新 仮面ライダーSPIRITS(16) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
村枝 賢一
講談社 (2017-08-17)
売り上げランキング: 217

 ついにJUDO大首領の分身が地上に。そして歴代ライダーがバイクで大集合。

 巻末に、バイクスタントの内幕対談が掲載されている。造形が思った以上に場当たりだった。しかし、サイクロン号のベースがRC166ということはなかろうと思うんだけど、本人が言ってるんだしなあ。

フルワイヤレスイヤホン「M-SOUNDS MS-TW1」を買った

 以前からノイズキャンセル付きBluetoothイヤホンを愛用している。外出のときなどに便利しているが、家事やワークアウトのときに使うにはケーブルやBluetooth受信機が少し邪魔に感じていた。

 そのため、フルワイヤレスイヤホンに興味を持っていて、最近いろいろな製品が出て値がこなれてきたので、「M-SOUNDS MS-TW1」を買った。

 自分の場合の要件は以下のとおり。

  • そこそこの値段
  • 品質などであまり冒険しない
  • 1回の充電で使える時間はそれほど気にしない
  • 量販店でその場で買える

 フルワイヤレスイヤホンは、2〜3万円クラスのハイエンドモデルから、2〜3千円クラスの廉価モデルまである。2〜3万円クラスはいろいろな機能があるけどちょっと高いなあ、かといって2〜3千円クラスは品質に不安もあるなあということで、間をとって1万円前後の製品から「M-SOUNDS MS-TW1」を選んだ。

 片方が親機となってスマートフォンと接続し、もう片方が子機となって親機とつながる。親機は最初にペアリングしたときに決まる。ペアリングしたら、充電機能のある専用ケースから外すだけで電源が入ってスマートフォンと接続される。

 ざっくりとした感想としては、フルワイヤレスは便利、接続とかの扱いは思ったより手軽、大きさや重さは気にならない、音質はとてもいいというほどではないけどそこそこ、とったところ。

 というわけで、いまのところ便利に使っている。電車に乗ったときなどはノイズキャンセル機能の付いたBluetoothイヤホンを引き続き愛用してるけど。

 なお、フルワイヤレスイヤホンがいろいろな製品が出ている中で、普通に自分で買った製品なので、ほかの機種と比較してどうかは自分にはわからない。念のため。

「日経Linux」2017年9月号

日経Linux 2017年 09 月号
日経Linux 2017年 09 月号
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日経BP社 (2017-08-08)

 特集1の執筆に参加したので報告とメモ。なお、「日経Linux」はこの号以降は隔月刊となる。

 特集1が恒例の「Linuxだからできること100」。新しめのところでは、フリー画像を検索するOpen Pics、品質を下げずにJPEGのサイズを小さくするmozjpeg、DLNAサーバーRygel・UMS、バーチャルノベルを作るRen'Py、楽譜ソフトMuseScore、PCとスマホを連携するKDE Connect、端末にQRコードを表示するqrencode、オブジェクトストレージノMinio、PC間でファイルを同期するSyncthing、パーティションを復元するTestDisk、テキストをSQLふうに検索するq、デスクトップを録画するRecordMyDesktop、コマンドラインでWeb検索するs、コマンドラインからGUIを操作するxdotool、Android上でLinux環境を動かすGNURoot Debian、UTMを構築するSophos XG Firewall、nmapの結果を分析するZenmap、ブログサーバーのHexo、Nextcloudでドキュメントを編集するCollabora Online、WebチャットのRocket.Chat、システムパフォーマンスを可視化するnetdata。

 特集2が「Webで試せる人工知能」で、Amazon、IBM、Microsoft Azureのサービスを紹介しえいる。Part 1がAmazon AIで、英語で対話するAmazon Lex、テキストを読み上げるAmazon Polly、画像を識別するAmazon Rekognitionの例を紹介。Part 2がIBM BluemixのWatoson APIで、文章から性格を分析するPersonality Insight、ニュースから企業の評判を分析するDiscovery News、動画データを分析するDark Visionの例を紹介。Part 3がMicrosoft AzureのMicrosoft Cognitive Servicesで、画像を分析するComputer Vision APIの例を紹介する。

 特集3が「ラズパイで簡単にできる画像認識」。画像処理ソフトが搭載されたOSとして著者さんのFuture Standardが配布する「SCORER」を使い、Raspberry PiにカメラとLEDをつないで、SCORERの専用クラウドシステムも使って画像を認識する。

 「最新SELinux入門」連載が最終回で、前回の続きでlogstashのドメインで脆弱性を防ぐことを確認することと、SELinuxの今後の方向性としてコンテナー対応・CIL・openSCAPでの対応の3つの解説。

 「まつもとゆきひろの プログラマのこだわり」連載が、前回の紙のノートに続いて、今回は筆記具。特にギミック付きシャープペンシルについて、こだわりで比較する。

 特別企画が「ラズパイで楽しむLinuxライフ HDDをつないで大容量化 PCでもラズパイOSを触ろう」。Raspberry PiでRaspbianをHDDから起動する方法と、PC用のRaspberry Pi DesktopをVirtualboxで起動する方法。

 「初心者のためのラズパイサーバー構築」連載が、hostapdとdnsmasqのDHCPサーバー&DNSキャッシュでサーバーでRaspberry Piを無線APにする。「Linux 100%活用ガイド」連載が、systemd.timer(およびcron)でコマンドをスケジュール実行する方法。「LibreOfficeのデータ処理」連載は、Excelともども人気のVLOOKUP関数。「ラズパイ電子工作お手軽レシピ集」連載が、赤外線学習リモコンモジュールをフリスクケースに入れてRaspberry Piからエアコンを操作する。「Linuxで旧型PCを復活! 改二」連載が、ビデオカード装着住みの2008年のEPSON EndeavorサーバーにScientific Linux 6.9をインストールし、CUDAを利用する。カーネル新機能連載が、ext4ファイルシステムのディレクトリーエントリー数を拡大するLARGEDIR。

 巻頭コラムが、Ubuntu 17.10の7月時点の変更点、Microsoftの組み込み向け機械学習ライブラリEmbedded Learning Library(ELL)。世界のディストロ連載がAlpine Linux。フリーソフト連載が、PDFファイルのページ構成を分割・統合するPDFsam。美女Linux連載がchownとchmod。

 みんな大好き「#!シス管系女子 Season5」は、ファイルをgpgコマンドで暗号化して渡す方法。なにげに、ほとんどのコマにコマンドラインが出てくる密度だったりする。

 なお、別冊付録として、「ラズパイマガジン」を再編集した「ラズパイマガジン ビギナーズ」が付いている。

「ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる」

ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる (ShoPro books)
野村 達雄
小学館集英社プロダクション
売り上げランキング: 8,118

 ポケモンGOを開発した野村達雄さんの自伝。自伝というと成功した経営者とかが書くことが多いけど、31才のソフトウェア技術者の自伝が青少年向けに出るというのはいいことだと思う。

 とにかく、頭(地頭)がいい人だなあと思った。Googleにはこんな頭のいい人がいっぱいいるんだろうなあ。凡人から見た雑な表現だけど。

 中国残留孤児2世として9歳で日本に移住し、貧しいながら友達の家に入りびたってゲーム三昧。小学生の頃からアルバイトしてPCや開発ソフトを買い、まったくの独学でプログラミングを学ぶ。

 大学に進学して体系的にコンピュータサイエンスを学ぶと、まるでスポンジのように吸収していく。で、研究のかたわらファミコンエミュレーターをソフトで作り、しまいにはハードまで作っちゃうというのがすごい。あと、フィックスターズのHack the Cellでも受賞していたとか。

 そんな感じでどんどんスキルアップしていく様子が書かれている。万事において、その成長力と、たぶん本人的にはそれをわりと普通っぽくこなしている感じ(いや努力はしてると思うけど)がすごいなあと思った。

「日経Linux」2017年8月号

日経Linux 2017年 08 月号
日経Linux 2017年 08 月号
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日経BP社 (2017-07-07)

 もうすぐ次号が出るけどメモとして。

 特集1が、入門・初級・中級・上級に分けてハウツーを紹介する「Linuxをやさしくマスターできる88のステップ」。新しめや詳しめのところでは、Ubuntu 17.04でのプリンターの自動認識、各種画像ソフト(Shotwell、GIMP、Krita、PintaInkscape)の使いわけ、各種動画ソフトア(Openshot Video Editor、Kdenlive、Pitivi、Kino、Flowblade Movie Editor、HandBrake)の使いわけ、ubuntu-dev-toolsによるパッケージ作成、Wineとwinetricks、カメラ映像でデスクトップを操作するeViacam、systemd-timesyncdによる時刻同期設定、GRUBのリカバリーモード、systemd-analyzeなど。

 特集2が、シングルボードコンピュータ3機種を比較した「ラズパイ vs 2000円PCボード」。Raspberry Pi 3とPINE A64、Orange Pinの性能を部門別に比較したあと、PINE A64とOrange Pinのそれぞれについて使い方を紹介する。

 特集3が「やっておきたい! Linuxセキュリティ」。CentOSとUbuntuを例に、パッケージやサービスの整理、ファイアウォールの設定(firewalld、ufw)、sudoとsu、sshdの安全設定(fail2ban、公開鍵認証、公開鍵とパスワードの2段階認証、Google認証を使った2段階認証)、ログ監視(rsyslog、logwatch、systemd-journald、aide)、SELinuxを解説する。

 特別企画で「Fedora 26」解説。Fedoraの位置づけや、新機能、インストールと初期設定を紹介する。

 「会話で学ぶ初めてのLinux」連載が最終回で、アプリの導入と削除についてRed Hat系とDebian系のそれぞれを解説する。「ラズパイではじめる電子工作」も最終回で、I2Cに距離センサーをつないで、データをWebアプリで表示する。

 「まつもとゆきひろの プログラマのこだわり」連載が、紙のノートについて。氏は、アイデアなどの短期的(フロー)な情報には紙のノートを愛用しているそうだ。なんとRuby初期のmoduleに関する構想ノートもスキャン画像で紹介されている。

 「初心者のためのラズパイサーバー構築」連載データベースサーバーの構築で、PostgreSQLのインストールと初期設定、各種クライアントの紹介。「Linux 100%活用ガイド」連載が、マシンの各種モニタリングツールで、システムモニターツール、S.M.A.R.T.の確認、vmstat、dstat、top、htop、atop、iotop、iftop、Glancesを紹介。「LibreOfficeのデータ処理」連載は、散布図による相関関係の視覚化、近似曲線、FORECAST関数、重回帰分析。「ラズパイ電子工作お手軽レシピ集」が、Raspbery Piでインターネット上の天気情報を取得して、Sense HATのLEDで表示する。「最新SELinux入門」連載が、logstashのためのSELinuxポリシーを作る。「Linuxで旧型PCを復活! 改二」連載が、2007年モデルの1UラックマウントサーバーにCoreOSをインストールしてDockerコンテナーを動かす。カーネル新機能連載が、ブロックデバイスのキューをCPUコアごとに持つblk-mq向けの各種I/Oスケジューラーの比較。

 巻頭レポートが、Debian 9(Stretch)リリース(私が書きました)、Open Source Summit Japan 2017レポート(私が書きました)、Raspbian June 2017リリース。世界のディストロ連載が、Web GUIで設定できるファイアウォールを作るUntangle NG Firewall。フリーソフト連載が、CUIで操作するミュージックプレイヤー「C* Media Player」。美女Linux連載が、wc、sort、uniq。

 みんな大好き「#!シス管系女子 Season5」は、アップローダーにアップロードしたファイルと元のファイルをハッシュ値やdiffで比較する方法。最期の運用での回避、あるある。

「拙者は食えん! サムライ洋食事始」

拙者は食えん!―サムライ洋食事始
熊田 忠雄
新潮社
売り上げランキング: 23,364

 明治維新の前後、ポーハタン号&咸臨丸に始まる欧米への使節や留学生が、初めての西洋食といかにつきあったかを、本人たちの日記から探った本だ。

 ポーハタン号では日本食の材料を積み込み、特に味噌と沢庵のにおいがアメリカ人乗組員に不評だったとか。第一回遣欧使節団も、反対を押し切って味噌を積み込んだあげく、結局シンガポールと香港の間で腐って海に捨てたとか。

 極端な例は、「スフィンクスと侍」の写真でおなじみの遣仏使節団に下働きとして参加した青木梅蔵の、本書の帯にも引用されている以下の言葉だろう。

パンは気味悪く牛はさらなり。二日三日食事は一切いたさず、空腹堪えがたし。

 この遣仏使節団では、航海が始まってフランス側から食事が出ると、突き返していたとか。

 とはいえ、その記録を残した岩松太郎は、後にフランスの食事に慣れすぎて「イギリスの食事は不味い」とまで書き残している。本書に日記が紹介される多くの人たちでも、ほとんどの人がそれなりに西洋食に慣れているようだ。あと多くの人が共通して果物を旨いといっているのも、まあわかりやすい。

 そのほか、工夫して異国で刺身を作って食べたりといった細かい工夫の様子などが日記から紹介されている。そういった工夫や、慣れていく過程などのディテールが本書ではいちばん面白かった。

 異色なのがロシアで、使節にはかなり日本食っぽいメニューが出されている。その話の直後に、この時期の日露関係でよく話に出てくるウラジミール・ヤマトフこと増田甲斎(橘耕斎)の名前が出て、なるほど。

 ちなみに、日常の食事とは異なり、ペリーが条約の調印前日に開いた接待パーティーでは、招かれた日本の幕府関係者も珍しがって大いに飲み食いしたとか。で、珍しがってワインを飲みすぎて酔っ払い、ペリーに抱き付くという、古今東西続く酔っ払いのやらかしをやっちゃった人もいたとか。まあペリーも条約締結に大望を抱いていたので、「条約締結のためならキスぐらいさせてもよかった」と冗談を言ったそうだけど。

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