本を読む

読書やコンピュータなどに関するメモ

bash 4.4の新機能リストを訳してみた

 bash 4.4がリリースされたので、NEWSファイル(新機能リスト)からbash 4.4の新機能の部分を訳してみました。

「ざんねんないきもの事典」

 タイトルだけでインパクトがある。さまざまな生物の、なんでそうなるの的なスペックや行動を、ほぼ1ページ1ネタのトリビア形式で紹介する本だ。各ネタにマンガっぽいイラストがついているし、漢字にはふりがなが振ってあるし、子供向けに作られているけど、大人が読んでも面白い。

 ネタをタイトルからいくつか拾うと、こんな感じ。詳細は本で。

  • カツオはこうふんするとシマシマの向きが変わる
  • ウナギの体が黒いのはただの日焼け
  • ツチブタの体は超かたい。でも、頭は超弱い
  • ワニが口を開く力はおじいちゃんの握力に負ける
  • メガネザルは目玉が大きすぎて動かせない
  • ミズスマシの目は上も下も見える。でも、前は見えない
  • オオアタマガメは頭が大きすぎて、こうらに入らない
  • 雨の日が続くとミツユビナマケモノは餓死する
  • スズメバチの成虫は幼虫から食べ物をもらう
  • タカアシガニは足が長すぎて、脱皮中に死ぬこともある
  • アライグマは食べ物をあらわない
  • トガリネズミは3時間食べないだけでうえ死にする
  • スカンクはおならがくさいほどモテる
  • キツツキは、頭に車が衝突したくらいの衝撃を受けている
  • イルカは眠るとおぼれる
  • バクは、おしりを水につけないとうんこが出ない
  • パンダが一日中食べ続けているササの葉にはじつはほとんど栄養がない
  • カメガエルは、はねられないし泳げない。水に入るとおぼれる
  • カメレオンの色が変わるのは気分しだい
  • サソリは紫外線を当てると光るが意味はない
  • ハダカデバネズミは、おしっこをかけられると子どもがうめなくなる
  • チーターはスピードに特化しすぎて肉食動物なのに弱い

Bash on Ubuntu on WindowsでPandocを動かすには

 Windows 10のAnniversary Updateで、Windowsカーネルに皮をかぶせてLinuxユーザーランドを動かすWindows Subsystem for Linux(WSL)と、WSLを使ったUbuntu環境のBash on Ubuntu on Windowsが入りました(β版)。

 Ubuntuのパッケージがそのままインストールするということで、汎用ドキュメント変換ツールのPandocをインストールしてみました。

$ sudo apt-get install pandoc

 カーネル的には入出力ぐらいで、そんな難しいシステムコールは使ってないだろうと思ったら、システムコールが足りないとエラーに。

$ pandoc foo.md -t html -o foo.html
pandoc: timer_create: Function not implemented

 検索してみると、この件は公式でもissueが立ってました(timer_create not implemented! · Issue #307 · Microsoft/BashOnWindows)。PandocはHaskellで書かれていて、GHCコンパイラーでコンパイルされたHaskellプログラムはデフォルトでインターバルタイマーを使うそうです。スレッド(ユーザースレッド)の実装に使うんだとか。

 これを回避するには、GHCのRTS(runtime system)オプションで「-V0」を指定してインターバルタイマーをオフにします(上記issueをもとに検証)。

$ pandoc +RTS -V0 -RTS foo.md -t html -o foo.html

 RTSオプションは環境変数GHCRTSで指定することもできます。

$ export GHCRTS=-V0
$ pandoc foo.md -t html -o foo.html

「数学者たちの楽園:「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち」

数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち
サイモン シン
新潮社
売り上げランキング: 12,406

 これも寝つく前に頭を休める気楽な読書で読んだ。

 アメリカのおばかTVアニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」とその姉妹作「フューチュラマ」には、ハーバード大学で数学の学位や修士・博士号をとった脚本家チームが参加していたという。本書は、そうした「ザ・シンプソンズ」の内幕と、登場した数学ネタの両方を、ノンフィクション「フェルマーの最終定理」を書いたサイモン・シンが紹介した本だ。読後感は、本書でも言及されているマーチン・ガードナーの数学エッセイあたりに近いかも。

 たとえば、映画やドラマ、アニメなどでよく、学者が黒板やホワイトボードに一面の数式を書いているというお約束のシーンがある。「ザ・シンプソンズ」では、おばか親父のフォーマーが、黒板に4つの数式を書いていて、その1つが「398712 + 436512 = 447212」。つまりフェルマーの最終定理を破っている式だ。実際にはこれは近いけどイコールじゃなくて、この数字は番組のためにコンピュータでいちばん近くなる組合せを求めたのだという。ちなみに、ほかの3つの数式も、同様に本物を知っている人向けに微妙にズレた数式を狙ったものだとか。

 また、数学好きの人におなじみのジョークというのも盛り込まれているらしい。たとえば「πr2は誰でも知っているが、今日のパイは正義(square)だ」というセリフとか。野球場の大型スクリーンに映された「8191」「8128」「8208」という数字とか。あと、しばしば出てくる「1729」という数字の謎とか。看板や本の書名など、小さく出てくる言葉にも数学ネタが仕込まれているのだそうだ。

 そのほか、数学パズルものとか、セイバーメトリックスの実践とか、さまざまな数学関連ネタが出ているらしい。しまいには、体と心を入れかえる機械で混乱するというエピソードを数学的に証明して、数学的にも意味のある「フューチュラマの定理」というのもできたんだそうな。

 ちなみに本書によると、投資家のウォーレン・バフェットも数学好きで、非推移的サイコロで相手を煙に巻いていたとか。さらにビル・ゲイツがそれを初見で見破ったとか。

「イーロン・マスク 未来を創る男」

イーロン・マスク 未来を創る男
アシュリー・バンス
講談社
売り上げランキング: 7,864

 1年弱前に出た本だけど、これも就寝前の頭を休める読書で読んだ。

 これまで何冊かイーロン・マスクに関する本が出てたけど、それらは業績を中心に解説していた。そういうのもいいのだけど、本書はイーロン・マスクの人となりの部分も、こってっりと描いている。

 そのキャラは強烈で、まさにベン・ホロウィッツのいう「戦時のCEO」。もっとも「ジョブズより人間性は上だし、ビル・ゲイツよりも洗練されている」というコメントが引用されているけど。

 とても頭がよくて有能でビジョナリーなのは、本書でもひしひしと伝わってくる。そのぶん自分の考えやスピードについてこれない人間には容赦ない感じ。「文章中のカンマの位置ひとつを巡っても死に物狂いで戦う」「批判も自分自身が否定されたように受け止めるので、戦争みたいになっちゃう」「あの人は信義とか人間関係みたいなものが完全に欠落しています」なんて証言も出てくる。

 合併や買収のたびにトップどうしの喧嘩をしてるし。「テスラCEOだったエバーハードはマスクからの電話一本でクビになり、今もさまざまな形で確執は続いている」とか。「経営者以外の誰もが会社の宝だと思っていた優秀なエンジニアが、身に覚えのないことで責められて仕事を追われたり、ばっさりクビになったりしています」なんて言葉も。

 細部まで自分でコントロールしようとする性格がいい方に出たのが、スペースXが自社開発にふみきったエピソードだろう。ロシアのロケット会社にふっかけられて、交渉に向かう飛行機の中で、イーロンがスプレッドシートで細かいコスト計算をして、着陸までには自社開発が決まったという。

 あと意外だったのは、X.comとPayPalが合併したころは、イーロン・マスクはWindowsプラットフォーム派だったという話だ。PayPal側は「リナックスのようなオープンソース型のソフトを指示した」が、マスクは「マイクロソフトのデータセンター用ソフトのほうが生産性が高いと評価していた」という。“マイクロソフトのデータセンター用ソフト”が何かは直接わからないけど、Windows Serverのことかな。マスクによる補足によると、「マイクロソフトとPCの環境を前提としたプログラミング・ツールのほうが圧倒的に強力だったから」ということで、ポイントはMicrosoftのライブラリやVisual Studioあたりの部分らしい。

「ロケット・ササキ」

 就寝前の頭を休める読書で読んだ。

 元シャープの佐々木正氏の伝記。「ジョブズが憧れた」「孫正義が恩人と呼ぶ」というキャッチコピーが付いてるけど、寝る前の気楽な読書なので、コンピュータ時代以前の話が面白かった。

 島根県出身で台湾育ち(ちなみに鴻海会長のテリー・ゴウの父親が同級生だとか)。京大を卒業して、なぜかインド→アフリカで反物を売る商売に。やがて第二次大戦が始まってドイツに渡り、レーダーの研究に参加する。そこで学んだドイツのレーダーの技術をUボートで日本に持ち帰り、陸軍登戸研究所に入って電波兵器の研究に従事する。

 終戦後はGHQの命令で米国に渡り、ベル研究所に入って、電子工学とクオリティコントロールを学ぶ。このとき、トランジスタを発明しつつあったショックレー、バーディーン、ブラッテンと知り合う。日本に帰ってからは、トランジスタの研究のため江崎玲於奈を育てる。

 朝鮮戦争が始まると、電波兵器の経験を活かして(?)電子レンジを日本に持ち込み、早川電機(のちのシャープ)に売り込み、その後入社する。そこで電卓開発(当時は50万円とか)を率いる。さらに、当時は歩留りが2%だったMOSに注目し、日本でも米国でも半導体メーカーが尻込みする中、ロックウェルとともにMOS-LSIを実用的なものにする。ここで開発されたMOS-LSIはアポロ12号に搭載された。ロケット・ササキの渾名もこのころロックェルの人に付けられたものだ。

 電卓にMOS-LSIを用いて高集積化したあとは、シャープは佐々木のツテをもとにRCAが開発中だった液晶のライセンスを受け、実用化した。

 とまあ、シャープがどこで誤ったかとかは私にはわからないけど、すごい経歴と実績を追っていくだけで面白かった。

「Q.E.D. iff」4巻、「C.M.B.」32巻

 人気コミックシリーズの最新刊が、今回も2冊同時発売された。今回は「Q.E.D. iff」の帯が「“理系”名探偵が導くミステリ・パズル」と、「C.M.B.」の帯が「“文系”名探偵がひも解く推理絵巻」と、対になっている。

 以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

Q.E.D.iff -証明終了-(4) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2016-06-17)
売り上げランキング: 421

 「Q.E.D. iff」は、「碧の巫女」と「H.N.」の2篇を収録している。離島のリゾート開発をめぐる賛成派と反対派の対立から起こった殺人事件を、燈馬君が解く。島から出たことがなく伝統を守る巫女が、実は学があって合理主義者なところが話のポイント。

 「H.N.」は、DDoS事件を追って世界を駆け回る話(主に水原さんが)。最初にいかにもな伏線があって、どう回収するのか期待しながら読んだら、おっとそう来たかとニヤリ。

C.M.B.森羅博物館の事件目録(32) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩
講談社 (2016-06-17)
売り上げランキング: 462

 「C.M.B.」は、「灯火」「混信」「邪視除け」「魔道の書」の4篇を収録している。

 「灯火」は、イランで発見されたネアンデルタール人の化石をめぐる所有権争いの話だ。博物学ネタはネアンデルタール人とデニソワ人。結末での犯人の追い込みかたと反応が面白い。

 「混信」では、小学生が携帯がわりに買ってもらったトランシーバーに犯罪の会話が混信する。無免許で使えるトランシーバーとその周波数帯の話から、昔なつかしフォックスハンティングっぽい追跡になる。結末は……

 「邪視除け」は、ブラック企業の支店長の殺人犯人を探す、わりとストレートなフーダニットもの。博物学ネタは邪視除けのお守りで、それがどうして消えたかが鍵。しかし「珈琲ダメコ」って(笑)。

 「魔道の書」ではマウが登場して、ヴィクトリア朝時代の書籍コレクターが持っていたとされる魔道書と、火事の謎を追って、マフィアと対決する。博物学ネタと謎の鍵は、当時の書籍コレクターの行動。しかし、マウと七瀬さん、今回はボケたりツッコんだり、仲いいな(笑)。

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